宮野真守&櫻井孝宏、互いを信頼できる“共演関係”語る「GODZILLA」収録の裏側【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

宮野真守&櫻井孝宏、互いを信頼できる“共演関係”語る「GODZILLA」収録の裏側【インタビュー】

アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの最終章『GODZILLA 星を喰う者』が11月9日に公開を迎える。このたび、ハルオ・サカキ役の宮野真守と、メトフィエス役の櫻井孝宏によるオフィシャル対談インタビューが到着した。

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『GODZILLA 星を喰う者』宮野真守、櫻井孝宏オフィシャルインタビュー(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』宮野真守、櫻井孝宏オフィシャルインタビュー(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』本編カット(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
  • 『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの最終章『GODZILLA 星を喰う者』が、11月9日に全国公開を迎える。このたび主人公ハルオ・サカキを演じる宮野真守と、異星人種エクシフのメトフィエスを演じる櫻井孝宏によるオフィシャルインタビューが到着。作品への思いやアフレコ秘話を明かしている。

■あらすじ


巨大生物「怪獣」の出現と、その怪獣をも駆逐する究極の存在「ゴジラ」。半世紀にわたる怪獣との戦争の末、人類は敗走を重ね、ついに一部の人間を他星に移住させる計画を立案する。

2048年3月14日、恒星間移民船の1つ“アラトラム号”はコンピュータによって選抜された一部の人間と、同盟を結んでいた異星人種「エクシフ」と「ビルサルド」を乗せ、11,9光年彼方の惑星クジラ座タウ星eを目指して旅立った。しかし20年かけてたどり着いたタウ星eの地球との環境条件差は、予測値を遥かに上回り、人類が生存可能な環境と呼べるものではなかった。

移民船に乗る一人の青年・ハルオ・サカキは4歳の時、目の前でゴジラに両親を殺され、20年の間、地球に戻りゴジラを倒すことだけを考え続けていた。移民の可能性を閉ざされ、生存環境も劣悪となった船内でハルオを中心とした「地球帰還派」は主流となり、危険な長距離亜空間航行を決断し地球を目指す――。

『GODZILLA 星を喰う者』(C)2018 TOHO CO., LTD.

■映画『GODZILLA』にどう立ち向かっていくか


――いよいよ最終章が公開されます。シナリオを読まれたときの感想や意気込みをお聞かせください。

宮野
僕らは台本を第一章から最終章まで通していただいていましたし、お芝居も一気に録り終えていました。その作品が、ついに公開。感慨深いですね。
全体を通しての大きなテーマは、ハルオたち地球人と異星人が、自然災害ともいえる怪獣・ゴジラに対して、どう立ち向かっていくか、どういう答えを出すか。ただ、最終章まで見ると、やはりこれは“ハルオの物語”だということが分かっていただけると思います。
種族間の価値観の違いや正義の違い、共存することなど、大切なメッセージやいろんな思いが渦巻くなかで、人類としてひとりの男がどう生きたか。それを感じてもらう作品なんじゃないかなと思いました。

櫻井
物語の芯になる部分は、今、宮野君が話した通りだと思います。
この作品は映像より先に、声の演技を録音する「プレスコ」でした。なので、台本を読んだ時は、どんな映像になるのか、視聴者目線的な興味がありましたね。
三部作になっているので、第一章を見れば、ビジュアルの方向性は分かります。ただ、最終章は――僕もいろいろ想像しながら取り組んではいたのですが、実際の映像を見たら、すごかったですね!
やはり、ゴジラ好きのひとりとして、ギドラの登場を待望していました。どんな姿なんだろうと想像していたら、まさか……!
想像を超えていて、びっくりしました!

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.

■二人が考えるこの作品での「ゴジラ」


――この作品でのゴジラを、おふたりはどのような存在だととらえていますか?

宮野
この作品では、ゴジラを災害、脅威、抗うことができない存在として描いています。ただ、最終章ではそのメッセージを伝えつつも、僕らの心が燃えたぎるような「怪獣バトル」シーンが描かれているんです。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、思わずゴジラを応援してしまう瞬間があるんですよ(笑)。
エンターテインメントとして見せる中で、過去のゴジラ映画へのリスペクトを盛り込んで、監督たちが見せたいものをしっかりと作っている。それがすごく素敵だと思いましたね。

櫻井
この作品に登場するゴジラは大きいですよね。それに、最終章に出てくるギドラも強烈なビジュアルです。
こういった宇宙的なスケール感は、アニメーションだからこそ描けるものだと思いました。
声優としてこの作品に関われたことが、ゴジラ作品に出演できたことが、何よりうれしかったです。ただ、僕が好きなヘドラが出てこなかったのは残念でした(笑)。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.

■ハルオとメトフィエス…画のない収録「プレスコ」が生んだふたりの関係性


――この作品は、映像がない状態で演技を先に収録する「プレスコ」だったとお聞きしています。最終章では、宮野さん演じるハルオと、櫻井さん演じる異星人「エクシフ」のメトフィエスが対峙するシーンが重要な位置を占めています。おふたりで演技について話し合われたりしたのでしょうか。

宮野
「プレスコ」だからこその、演者同士で交わす会話というものは確かにあります。僕らふたりのシーンに限らず、「ここの状況ってこの方向性ですよね」とか、「ここってどういう絵かな」とか、そういうビジョンを共有し合いながら進めていきました。
今回の作品はオリジナルストーリーですし、シリーズ初の長編アニメーション映画。どういうビジュアルになるか分からないところが楽しみでもあり、不安要素でもありましたから。同じビジョンを見られるよう、距離感を合わせていく感覚が必要になってくる。
ありがたいことに僕や櫻井さんは、今回の『GODZILLA』シリーズを制作しているポリゴン・ピクチュアズさんの、他の「プレスコ」作品にも出演させていただいています。そのうえでのノウハウの蓄積もありましたし、相手が櫻井さんでいてくれるという大きな安心感がありました。
そういった要素が相乗効果となり、僕らの関係性――ハルオとメトフィエスの関係性を作っていったのだと思います。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
櫻井
「プレスコ」に関しては、ポリゴン・ピクチュアズさんの「プレスコ」作品のマナーが分かっていたので、戸惑いはなかったですね。それと、『GODZILLA』は単発の作品ではなく三部作なので、最終章まで時間をかけて積み上げていけるものがありました。収録時の会話は、「こんな展開になっちゃうんだね」みたいな他愛のないものもあれば、しっかり共有しないとダメ演技プラン的なものもあります。たったひとりでもズレてしまうと、それが透けて見えてしまうんですよ。

宮野
迷うシーンがあったりすると、積極的に監督に聞きにいく流れもありました。僕らがそういったやり取りをすることによって、みんなのイメージも固まっていく実感がありました。初めてポリゴン・ピクチュアズ作品に参加する方にも、「この現場では、こうやって想像して、共有していけばいいんだ」というのを、僕らで示せたんじゃないかと思います。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.

■異星人からの目線


――櫻井さん演じる異星人種「エクシフ」のメトフィエスは、謎めいていて、実像をつかむのが難しいキャラクターかと思います。どのように演じられたのでしょうか。

櫻井
彼は異星人ですが姿かたちはほぼ地球人です。メトフィエスを見た我々は、多少の違いはあれど、人間っぽい姿をしているという認識をしますよね。しかも、エクシフは美しい容姿で、どことなく神秘的な雰囲気をまとっている。信仰の対象になってしまうような要素を幾つも持っているんです。
彼らがタコのような姿の異星人だったら、全く違う結果になっていたと思いますがこの映画は地球人が見る映画ですけど、もし「エクシフ」が見たら答えは変わってくるでしょう。科学至上主義の「ビルサルド」が見たら、「おい!ハルオ!」と突っ込むでしょうし。
妙な例えですが、そういう切り口で見られる作品でもあります。
だから、メトフィエスに与えられている情報を最大限利用して表現しようと思っていました。彼の言葉はきれいすぎるので実像感は薄いかもしれないけれど、物語のクライマックスにかけて輪郭が浮かび上がってきます。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.

■ハルオの人生を生きること


――宮野さん演じるハルオは、第一章ではゴジラへの復讐心を中心に描かれていました。第二章、最終章と進むごとに、種族間の衝突に巻き込まれていきます。どのように役を組み立てていったのでしょうか。

宮野
ハルオが何を感じて、何に迷って、どこへ向かっていくのか――。作品を通し、その心の動きを表現していきたいという意図が、監督陣や台本に溢れていました。
じゃあ、僕はそれを自分の感情でどう紡いでいくか。ハルオの心の動きをちゃんと受け取ることを大事にしました。
第一章では、ハルオの行動理念はゴジラへの復讐です。確固たるものをみんなに伝えて、みんなを従えてゴジラに立ち向かっていく。でも、ゴジラに勝ったと思ったら、<ゴジラ・アース>というさらなる絶望が襲ってきた。多くの犠牲を出してしまったことから、悩みが生まれてしまう。ハルオは、今度はその渦巻く感情に巻き込まれていくんです。
第二章では、ゴジラと戦うことが良いことなのか、悪いことなのか、悩み苦しみます。失った命が多すぎて……。しかし、異星人種「ビルサルド」の力で、念願が達成できる手前まで行きます。みんなで力を合わせれば、ゴジラを倒せるかもしれないとなった時に、なんとメトフィエスから横やりが入って――。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.
宮野
第二章のラストでは、ハルオはゴジラを倒すことより、人間としての尊厳を守って、結果、「ビルサルド」を裏切る形になってしまった。その流れのなかで、状況ごとに、ハルオが何を感じているのか、何を選択していくのか、リアルに感じていきたいと思いながら演じていました。
ハルオという主人公役を演じさせていただくことは、物語の真ん中にいさせてもらえること。自分がこの作品を一番知っている人間でありたいと思いながら作品に臨んできました。その結果が、ハルオの人生をどう生きるかということにつながったと思います。

『GODZILLA 星を喰う者』新規場面写真(C)2018 TOHO CO., LTD.

■宮野からファンへのメッセージ


宮野
今日の映画は今までの「ゴジラ作品」というよりも、新しい「アニメーション作品」です。ただ、過去作品へのリスペクトはたっぷりと込められていますし、ゴジラ・ファンの皆さんを置き去りにすることは絶対にしません! いろいろな方に楽しんでいただけるエンターテインメント作品になっている自信はありますので、是非劇場でご覧いただきたいですね。

『GODZILLA 星を喰う者』
2018年11月9日(金)全国公開
■監督:静野孔文・瀬下寛之
■ストーリー原案・脚本:虚淵玄(ニトロプラス)
■キャラクターデザイン原案:コザキユースケ
■音楽:服部隆之
■副監督:吉平”Tady”直弘・安藤裕章
■プロダクションデザイン:田中直哉・Ferdinando Patulli
■CG キャラクターデザイン:森山佑樹
■造形監督:片塰満則
■美術監督:渋谷幸弘
■色彩設計:野地弘納
■音響監督:本山 哲
■キャスト:
宮野真守・櫻井孝宏・花澤香菜・杉田智和・梶 裕貴・小野大輔
堀内賢雄・中井和哉・山路和弘・上田麗奈・小澤亜李・早見沙織・鈴村健一
■主題歌:XAI「live and die」(TOHO animation RECORDS)
■製作:東宝
■アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
■配給:東宝映像事業部

(C)2018 TOHO CO., LTD.
《umi》
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