【レポート】アニメオブザイヤー劇場映画部門は「この世界の片隅に」TAAF2018授賞式 | アニメ!アニメ!

【レポート】アニメオブザイヤー劇場映画部門は「この世界の片隅に」TAAF2018授賞式

2018年3月9日~12日の期間で開催された「東京アニメアワードフェスティバル2018(TAAF2018)」。その最後のプログラムとなる各部門の授賞式が、最終日である3月12日にとしまセンタースクエアにて開催された。

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「東京アニメアワードフェスティバル2018」授賞式の模様
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2018年3月9日~12日の期間で開催された「東京アニメアワードフェスティバル2018(TAAF2018)」。その最後のプログラムとなる各部門の授賞式が、最終日である3月12日にとしまセンタースクエアにて開催された。

TAAFは2002年に東京アニメアワードから独立・発展した国際アニメーション映画祭であり、今回で5回目の開催。式にはアニメーション業界の重鎮たちや昨年のアニメシーンを賑わせた関係者の面々、そしてコンペディション部門のノミネート作品制作者らが出席していた。

本イベントの実行委員長を務める「一般社団法人日本動画協会」理事長・石川和子とフェスティバルディレクター・竹内孝次より挨拶があったところで、まずはアニメ功労部門の発表。この賞はアニメ業界に貢献しその歴史や技術を伝えるためのもので、以下の総勢11名を顕彰した。



■受賞者一覧
本橋浩一(プロダクション設立者『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』など)
高見義雄(プロデューサー『銀河鉄道999』『北斗の拳』など)
星山博之(脚本家『機動戦士ガンダム』『銀河漂流バイファム』など)
杉井ギサブロー(監督『悟空の大冒険』『どろろ』など)
芝山努(監督『ど根性ガエル』『まんが日本昔ばなし』など)
須田正己(アニメーター『紅三四郎』『科学忍者隊ガッチャマン』など)
川本征平(美術監督『ドラえもん』『小公女セーラ』など)
本田保則(音響監督『超時空要塞マクロス』『ちびまる子ちゃん』など)
大杉久美子(歌手『アタックNO.1』『エースをねらえ!』など)
小林清志(声優『ルパン三世』『妖怪人間ベム』など)
渡邊泰(アニメーション史研究者)



顕彰者を代表して杉井は「日本のアニメーションから多くの恩恵を受けているのは僕らの方」だと受賞の喜びをコメント。業界に入ったばかりの頃から現在までを振り返り、功労賞を貰うのは10年早いと謙遜しつつ「まだ2~30年は映画を作り続けさせてもらおうかな」と語った。



続いてアニメオブザイヤーの授賞式へ。この部門は日本国内で発表されたアニメーション作品を対象とし、その独創性やストーリー性で多くのファンを魅了した作品や個人を表彰。対象期間は2016年10月16日~2017年10月14日だ。

個人賞では、原作・脚本部門を『Fate/Grand Order -First Order-』の奈須きのこ。アニメーター部門を岸田隆宏(『ハイキュー!!』『ボールルームへようこそ』など)。美術・色彩・映像部門を依田伸隆(『おそ松さん』『君の名は。』など)。音響・パフォーマンス部門をKalafinaのプロデュースなどで活躍した梶浦由記。監督・演出部門を『けものフレンズ』を手がけたたつきが受賞した。

ファン投票によって539作品のなかから選ばれたアニメファン賞は『ユーリ!!! on ICE』。受賞を受け、制作スタジオMAPPAの大塚学が代表して「生みの苦しみが凄まじかった作品なので、時間が経った今もこういった賞をいただけるのは嬉しく思っている」と語った。TV部門は『けものフレンズ』が受賞して、テレビ東京の細谷伸之が登壇し、作品に携わったスタッフたちへの感謝と、今後の展開がまだあることを述べる。

そして劇場映画部門を『この世界の片隅に』が受賞すると、監督を務めた片渕須直は「お世話になった功労賞のみなさんの前でこういった賞をもらえて……」と壇上で喜びを露わに。また、片渕によると『この世界の片隅に』は現在でも上映が続いているようで、新たな作画作業やブラッシュアップは続いているそうだ。





続いて、コンペディション部門の発表へ。この部門は58の国と地域より短編717作品、長編14作品の応募があったという。評価項目は「将来を予感させる“先進性”」「独創的な表現が見られる“オリジナル性”」「多くの人たちが共感できる“大衆性”」「確かな映像を作れる“技術力”」という4つの項目が重視される。最初に発表された“豊島区長賞”はジャナ・ベクマンベトワの『ちゅんちゅん』となった。

続く短編部門のグランプリは、マックス・ポーターとルー・クワハタの共作である『ネガティブ・スペース』に。選考理由は「応募された中からひとつを選ぶのは大変だったが、この作品は息子と父親の関係を描き、見ている人に自分の父親との関係を思い出させる」という点だ。



長編部門グランプリは『オン ハピネス ロード』が受賞。監督のサン・シンインは壇上で涙ながらに受賞の喜びを語ると、「ここに至るキッカケを作った方々が目の前にいることが嬉しい」と胸中を明かす。そしてアニメが産業として存在しない自国・台湾でのアニメ制作の苦労を踏まえて、「政治的なことや文化的なことで難しい状況だからこそ物語を生み出す種になった」と話す。



また、短編部門と長編部門のグランプリ受賞者には、東京都知事・小池百合子より症状が贈られた。

最後に主催者挨拶を務めた南雅彦は「アニメーションというものは一本の線から始まります。一本の線から始まるものは、すべて無限に広がっていくと思っています」とコメント。今回受賞した作品や、それを超える新たな作品が生まれる未来を期待するとして今年の授賞式は幕を閉じた。
《井の上心臓》
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