「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」志水淳児監督インタビュー「“正当な続編”になるよう心がけてつくりました」 | アニメ!アニメ!

「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」志水淳児監督インタビュー「“正当な続編”になるよう心がけてつくりました」

1月13日公開の『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』より志水淳児監督にインタビューを敢行。”伝説の最先端”となる本作で監督を務めた志水淳児監督に、本作の見どころを伺った。

インタビュー
「ロボット=人が乗るもの」という、今となっては常識となった概念を確立した革命的作品が、1972年に放送開始したTVアニメ『マジンガーZ』だ。斬新な設定はそれだけではなく、「光子力」や「ジャパニウム」といったマジンガーZの強さを理由付けするSF設定や、敵メカを「機械獣」という種で呼称したことなど、多くのロボットアニメで踏襲されたフォーマットが本作で既に完成している。さらに「ロケットパンチ」や「超合金」などの本作固有の名詞は、作品外でも使われる一般語にもなった。


そんな伝説的作品のシリーズ最新作となるのが『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』だ。しかも初代のリメイクではなく、オリジナルのTVシリーズを制作した東映アニメーションによる正当な続編である。”伝説の最先端”となる本作で監督を務めた志水淳児監督に、本作の見どころを伺った。
[取材・構成=いしじまえいわ]

『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』
2018年1月13日(土) 全国ロードショー
www.mazinger-z.jp


(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
■重視したのはオリジナルとの地続き感

――志水監督は『マジンガーZ』放送時、ご覧になられていましたか?

志水淳児監督(以下、志水)
もちろんです。当時、小学校高学年から中学生くらいの頃でしたが、『マジンガーZ』のファンだったことがアニメの現場に入った一番の理由です。人が乗って操縦できるという、それまでのヒーローとは違う斬新な設定に惹かれ、興奮して見ていました。当時『マジンガーZ』を見ていた方々と、同じように衝撃を受けていたと思います。

――そんな強烈な原体験となった『マジンガーZ』の続編を手がけられるということで、監督のオファーがあった際のご心境はいかがでしたか?

志水
光栄だと思いました。そして、どうせ作るのであれば、全然違う作品にして「そうじゃないだろ」とファンの方をがっかりさせるのではなく、オリジナル作品との地続き感がでるようにしよう、と考えました。

――オリジナルとの地続き感とは、どういった点でしょうか?

志水
たとえば、マジンガーZの機体デザインだと、オリジナルと比べるとディテールが描きこまれていますが、シルエットは元のままにしました。
一方でキャラクターデザインは、永井豪先生の漫画版に寄せるという選択肢もあったのですが、最終的にTV版の羽根章悦さんの絵に近づけようというコンセプトとしています。


――羽根章悦さんといえば、TV版『マジンガーZ』でキャラクターデザインを担当されたアニメーターであり、また志水監督の東映アニメーションの先輩にあたる方ですね。

志水
他のオリジナルスタッフも一緒に仕事をしてきた先輩ですので、TVアニメ版準拠というのは彼らへのリスペクトや恩返しという想いもあります。映像面で昔のものを踏襲しつつも、一方で何かしら新しい要素も入れないといけない。変に流行を追うわけではないんだけども、昔のままでもない。そのさじ加減はとくに意識しました。

――今回、ロボットは手描きではなく3DCGで表現されていますが、これもそういったところを狙っての判断ですか?

志水
企画段階で3DCGであることは決まってはいたのですが、確かにこの細部のディテールの表現は3DCGならではで、手描きでは難しかったと思います。今回劇場用作品ということで物量もありますし、今の東映アニメーションの技術であればここまでできる、というチャレンジをしたいという面もありました。


――東映アニメーションさんのCGチームといえばプリキュアのエンディングなどが印象的ですが、同じスタッフの方々が参加されているのですか?

志水
一部スタッフは同じメンバーです。プリキュアはキャラクターものですが、今回のようなメカ、ロボットもので尺のある3DCGはほぼ初めてのチャレンジです。私自身、ロボットものの映画は初めての挑戦でした。

――今回、ロボットアニメとしてのアクションシーンの見応えはすごいですね。マジンガーZもほぼすべての武器が披露されていますが、それについても意識はされていたんでしょうか?

志水
アクションは力が入っています。武器や技は可能な限り使ってもらうよう、アクション担当の助監督にオーダーしました。敵の数も、映画なんだからこのくらいは出さないと、と思って奮発しました。本当はもっとやりたかったくらいです(笑)。


――ロボットアクションを3DCGで描くにあたり、意識されたところは?

志水
これもオリジナルとの地続き感の話になりますが、3DCGだとカメラを回したくなるものですが、今回はあまりグルグル回して今時な感じにはせず、地に足の着いた昔のアニメに近い演出を心がけました。一部空中戦などで派手に動き回りますが、それ以外の地上戦ではカメラを固定して、昔のアニメのように何がどう動いているのかがちゃんと分かるような画にしています。アクションも、あまり宇宙的な超スピードにはせず、重力をしっかりと感じられるようにしました。

――他にもオリジナルのアニメを意識されたポイントはありますか?

志水
もちろんたくさんあります。本作の制作に入る前にスタッフと一緒にオリジナル作品を全部見て、本作を作るうえでの指針としました。


――全部ですか!? TVシリーズだけでも相当数ありますよね?(※『マジンガーZ』は全92話)

志水
TVシリーズ全話に加えて、劇場版もマジンガーZとグレート(グレートマジンガー)が出るものは全て見直しました。またスタッフも要所には私に近い世代の“マジンガーフリーク”な人に参加してもらいました。完全に再現するつもりでやるとやり過ぎてしまうので(笑)、ちょっとブレーキをかけて新規の方にも楽しんでもらえるように舵取りしました。
音の面でも、水木一郎さんにオリジナルの主題歌のメロディーで歌っていただけましたし、楽曲も当時ご担当された渡辺宙明さんのご子息である渡辺俊幸さんにつくっていただきました。声優もオリジナルのキャラクターのイメージに近い方、という意図でキャスティングしています。効果音も昔の音源を元に、当時担当されていた方のお弟子さんに作り直してもらいました。


――かなりオリジナルを大事にした作りなんですね。

志水
昔の作品をうろおぼえの方にも是非見てもらいたいです。例えば、TVの第1話を見ると、マジンガーZってほとんど動いていないように見えるんです(1話時点ではパイロットの兜甲児がマジンガーZの操縦に慣れていなかったため)。だからマジンガーZは重厚感があって動かない、という印象の方もいると思います。

――”鉄(くろがね)の城”という異名ですし、ゲームなどでは装甲が厚くて重くて硬いイメージがあります。

志水
そうですよね。ところが、本編ではメチャクチャ細かく素早く動いているんですよ。なので、本作ではオリジナル通り(マジンガーZを)かなり動かしています。今回映画を見て「あれ? マジンガーZってこんな感じだったっけ?」と感じられた方は、是非昔のものも見直していただいて、再発見していただけたらなと思います。
《いしじまえいわ》
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