「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは | アニメ!アニメ!

「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは

12月1日、千葉県幕張市にて開催されたポップカルチャーイベント「東京コミックコンベンション2017」のメインステージにて、『ウルトラマン』のその後を描いた人気コミック『ULTRAMAN』が、2019年にフル3DCGにてアニメ化されることが発表された。

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  • (C)TSUBURAYA PRODUCTIONS (C)Eiichi Shimizu, Tomohiro Shimoguchi (C)「ULTRAMAN」製作委員会
12月1日、千葉県幕張市にて開催されたポップカルチャーイベント「東京コミックコンベンション2017」のメインステージにて、『ウルトラマン』のその後を描いた人気コミック『ULTRAMAN』が、2019年にフル3DCGにてアニメ化されることが発表された。また、その監督を神山健治監督、荒牧伸志監督の両名が担当することも明らかになった。
今回はステージでの発表を終えた直後の神山・荒牧両監督にインタビューを実施し、『ULTRAMAN』を”ダブル監督体制”で制作する狙いを伺った。
[取材・構成=いしじまえいわ]

ヒーローズコミック『ULTRAMAN』アニメ公式サイト
http://anime.heros-ultraman.com/
2019年公開予定


■Production I.G×SOLA DIGITAL ARTS本気のコラボレーション体制

――歴史あるシリーズである『ウルトラマン』の新作映像化という事で衝撃の発表でした。フル3DCGでのアニメ化という点も驚きでしたが、一番のサプライズは、神山監督と荒牧監督による豪華な“ダブル監督体制”だったことです。単刀直入に伺いますが、これは誰の采配なのですか?

神山健治(以下、神山)
いきなりそこからですか(笑)。でもまあ確かにそこは気になりますよね、きっと。

荒牧伸志(以下、荒牧)
そうですね、ではお答えしますと、まず3年ほど前にProduction I.GとSOLA DIGITAL ARTSの2社のコラボレーションによる新しい制作体制を発案したのは石川社長(Production I.G代表取締役社長 石川光久氏)で、それにジョセフ(株式会社SOLA DIGITAL ARTS CEOのジョセフ・チョウ氏)が賛同して実現しました。

神山
1年くらい前に、このチームで世に初めて出す作品として『ULTRAMAN』をやらない? と持ってきたのも石川社長でした。

荒牧
このチームの発足を機にSOLAの制作スタジオやモーションキャプチャースタジオもProduction I.Gの懐である三鷹に新設し、スタッフも移動しています。

神山
で、その中に僕やI.Gのメンバーが入るという感じで。

荒牧
入れ子状になっていますね(笑)。

――短期的なコラボではなく、今後しっかり組んで作品作りをしていくという意気込みを感じますね。

■神山「目が4つあるのがこんなに助かるとは!」

――神山監督から見て、荒牧監督やこのダブル監督体制はどのように感じられていますか?

神山
クリエイターは“猿山の猿”と同じで、チームの中で「誰についていけばいいんだ?」という考えがあると思うんですよ。その点、デジタルでの作品制作、特にモーションキャプチャーを用いた作品作りにおいて荒牧監督以上に経験と実績のある方は日本にはいないし、スタッフも荒牧監督と一緒にやってきた方が多いこともあるので、やはりこのチームのボスは荒牧監督だなと僕は思っています。
最初に荒牧さんから声をかけていただいた時に面白いなと思ったのは、今、映像の制作フローが複雑化し、ユニットも2つ3つ同時に並行する機会が多いなか、監督の業務が膨大になってきています。そのためハリウッドの実写の世界でもダブル監督という体制はありますし、アニメ監督もまた一人でやることというのが信じられないくらい多い。

荒牧
全部スタッフに任せてしまい、上がってきたものにOKを出すだけ、という手もありますが、二人ともどちらかというと自分で見て細かく手を入れたいタイプなんですよね。

神山
はい。そうなった時に「二人で監督するのっていいかもしれない」と思ったんです。実際に始めてみても、ものすごく助けていただいていて「これはすごくいいな!」と思っています。この作品ではシーン毎に分業するようなことはせず、全てのシーンを二人で見ているのですが、「目が4つあるのがこんなに助かるのか!」と感じています。
また、僕が知らなかったモーションキャプチャーの世界だったり、小さなところから作品を構築していく3DCG特有の制作フローだったり、ノウハウを教えてもらう新鮮さがあり、楽しくやらせてもらっています。
《石島英和》
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