「GODZILLA 怪獣惑星」は国道246号線沿いで起きていた? 瀬下監督が挑んだ国産3DCGアニメの集大成とは | アニメ!アニメ!

「GODZILLA 怪獣惑星」は国道246号線沿いで起きていた? 瀬下監督が挑んだ国産3DCGアニメの集大成とは

11月17日、映画『GODZILLA 怪獣惑星』が公開された。本作は、昨年大ヒットを呼んだ『シン・ゴジラ』に続いて、1954年に誕生した『ゴジラ』シリーズで初めての長編アニメーションとなる。

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11月17日、映画『GODZILLA 怪獣惑星』が公開された。本作は、昨年大ヒットを呼んだ『シン・ゴジラ』に続いて、1954年に誕生した『ゴジラ』シリーズで初めての長編アニメーションとなる。

ストーリー原案・脚本を託されたのは虚淵玄。『魔法少女まどか☆マギカ』をはじめ、既存ジャンルを新しいアプローチで描き出す業界屈指のストーリーテラーだ。ハードでシリアスなSF世界、予測不可能なストーリー、ゴジラの圧倒的な力、無力感に絶望する人類の行く末。『ゴジラ』史上、かつてない規模で描かれる“アニゴジ”に、SNS上は悲喜こもごもなコメントで溢れかえっている。

今回は、『シドニアの騎士』『亜人』『BLAME!』などのアニメ化を手がけ、本作で静野孔文氏と共に監督をつとめた瀬下寛之氏にインタビュー。『ゴジラ』という存在の重みを知ったうえでなお、虚淵氏のシナリオをどのように組み立て、ビジュアライズしたのか。同氏の言葉からは、共に映画を作ったスタッフへの信頼感と、緻密な舞台設計に欠かせない深い考察、そして国産3DCGアニメーションへの想いが浮き彫りになっている。

また、取材では、2018年5月公開予定の第2章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』など、今後へとつながるヒントも明らかに。すでに作品を観た方も、これから鑑賞される方も、今までになかったアニメ版『ゴジラ』を読み解く手がかりに活用してほしい。
【取材・構成=小松良介】

■虚淵氏、静野監督と一緒だったから出来たアニメ化企画

――初めて『ゴジラ』のアニメ化企画を聞かれた時、瀬下監督は「できるのかな?」という印象を持たれていたそうですね。それはまた何故ですか?

瀬下寛之(以下、瀬下)
言わずもがな『ゴジラ』は日本を代表する世界的なキャラクターですから。子供の頃から知っていますし、映像業界に身を置くプロとしても『ゴジラ』のすごさを心底理解しているつもりです。『ゴジラ』の根幹である「日本の特撮様式美」をアニメにすることは相当難しいだろうし、立ちはだかる大きな壁は、容易に想像できるものでした。

――どうやってアニメで特撮らしい様式美を表現できるのか、と。

瀬下
もし「歌舞伎をミュージカルにしてください」と言われたら、難しいですよね。ただ、歌舞伎を知らない方たちに向けて、「歌舞伎の世界に興味を持ってもらえるようなミュージカルを作って下さい」と言われたら、やり方があるんじゃないかなと。『ゴジラ』の持っている様式美は、易々とアニメに変換できるものではありませんが、アプローチ次第では何とかなるのではないかと思い、依頼をお受けしました。

それでもやっぱり、自分ひとりだったら受け止めきれなかったと思うんです。静野監督と虚淵さん、このおふたりと一緒に挑戦できるということが僕の中で大前提でした。おかげでなんとか、この3年間を悩みながら迷いながら、考え抜きながら、ここまでたどり着けた気がします。


――とはいえ、本作を完成させるために、瀬下さんおよびポリゴン・ピクチュアズの存在は必要不可欠だったのではないでしょうか。

瀬下
そう言っていただけると、とても嬉しいですけどね(笑)。ポリゴン・ピクチュアズは創業1983年という、日本において最も古い3DCGスタジオのひとつです。日本のCG業界、CGというものが商業映像に使われ始めた黎明期から第一線にいたスタジオであり、ある一定の安心感のある品質を、大量にコツコツと作っていける日本有数の力を持っている。さらには、『シドニアの騎士』からの、セルルックアニメに挑戦してきた実績と経験があります。
だからこそ、これだけの超大作、長編作品だとしても、ポリゴン・ピクチュアズだったらまあ何とかしてくれるだろうっていう、そういう信頼感はありました。

――瀬下さんからご覧になって、虚淵玄さんの魅力は?

瀬下
神話や伝承など、人々が語り継いできた重厚で格式の高いストーリーや世界を基盤にしつつ、現代劇的な、時代を反映した感覚を入れられる方です。若年層の少しディープなアニメファンがどのような感情や言葉を求めているのかを、本当に計算し尽して設計されているんですよ。

長い歴史の中で培われた壮大な世界感や群像劇など、全てをひっくるめた『ゴジラ』という格式高いブランドを、虚淵さんだからこそ支えてくれたという気がします。


――では、静野監督についてはいかがですか?

瀬下
やはり圧倒的なメジャー感…とでもいいますか。僕も虚淵さんも比較的マニアックなタイプですが、静野さんのフィルターに掛かると、どんなにマニアックなモチーフでも「メジャー」になるんです。これはもうすごい才能なんです。

今回おふたりとやり取りするのが本当に楽しくて。おかげさまで自分の得意分野や好むところを存分にやらせてもらいました。例えば「この部分に関しては多少マニアックに世界観設定を作っても、きっと静野さんが調整してくれる」みたいな頼り方です。虚淵さんが重厚な格式を与えてくれて、静野さんが圧倒的なメジャー感を与えてくれるという絶大なる信頼の下に、僕も色々な提案を数多く出せるわけです。

――本作で瀬下さんが主体的に動かれたのは、主に世界感や舞台などの設計が中心に?

瀬下
基本的には明確に作業を分担することなく、皆でアイデアを出し合って進めました。ただ、世界感設定やSF考証的な感じでしょうか肉付けなどについては、僕自身が好きなこともあり(笑)、比較的偏ったかも知れません。

《小松良介》
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