【レポート】「デジフェス2016」涙の後半、和田光司と水谷優子にこの声届け | アニメ!アニメ!

【レポート】「デジフェス2016」涙の後半、和田光司と水谷優子にこの声届け

7月31日の東京・オリンパスホール八王子にて、「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」が開催。レポートの後編をお届けする。

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【レポート】「デジフェス2016」涙の後半、和田光司と水谷優子にこの声届け
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7月31日の東京・オリンパスホール八王子にて、「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」が開催。総勢18名のキャスト陣に加え、宮崎歩さん(※「崎」は、正しくは山へんに「竒」)にAiMさん、MCの松澤千晶さんらが登壇し、ファンと一体となる熱いひとときを過ごしました。

■「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」登壇者(敬称略)
・八神太一役:花江夏樹
・アグモン役:坂本千夏
・石田ヤマト役:細谷佳正
・ガブモン役:山口眞弓
・武ノ内空役:三森すずこ
・ピヨモン役:重松花鳥
・泉光子郎役:田村睦心
・テントモン役:櫻井孝宏
・太刀川ミミ役:吉田仁美
・パルモン役:山田きのこ
・城戸丈役:池田純矢
・ゴマモン役:竹内順子
・高石タケル役:榎木淳弥
・パタモン役:松本美和
・八神ヒカリ役:M・A・O
・テイルモン役:徳光由禾
・望月芽心役:荒川美穂
・メイクーモン役:森下由樹子
・宮崎歩
・AiM
・松澤千晶(MC)


キャスト陣の意外な一面まで見えたトークコーナーなど、前半(昼の部)の見所はすでにお伝えしましたが、音楽方面の魅力をライブで描く後半の模様や、昼の部終了後のキャストコメントなどを紹介させていただきます。


スペシャルライブの幕開けは、宮崎さんが歌う「Beat Hit!」と「Break up!」。「デジモンアドベンチャー02」の挿入歌と共に観客も総立ちとなり、ライブ開始直後から大きな盛り上がりを見せます。またスクリーンにはアニメ映像を映し出すという、心憎い演出も。そのテンションを引き継いだAiMさんは、まず「I wish~tri.Version~」を披露。こちらは「tri.」のキャラクターやパートナーデジモンがスクリーンに登場し、音楽に華を添えます。


そしてAiMさんが2曲目に選んだのが、デュエット曲「an Endless tale」。彼女が持つマイクとは別に、マイクスタンドが舞台上に設置されます。今回のライブでAiMさんとデュエットしたのは、今年の4月に亡くなられた和田光司さん。和田さんの歌声を収めた音源を、今日のために見つけだしたそうです。

和田さんがこの世を去った辛さから、もう「an Endless tale」は歌えないかもとAiMさんは一時期苦しんだとのこと。ですが、歌わなければ本当に二度と歌えなくなると思い、同時に「和田さんと一緒に歌いたい」と強い願いを持って関係者と共に懸命に音源を探し出し、今回のスペシャルライブで「an Endless tale」を行うことができたと明かします。


スタンドの隣りに並び、マイクを握りしめて歌うAiMさん。そして聞こえてくる歌声は、紛れもなくAiMさんと和田さんによる「an Endless tale」。まるで和田さんもそこにいるかのようなライブが、胸の奥深くへと響きます。


そしてライブは更に続き、サプライズとなる“和田光司スペシャルメドレー”を展開。「今日はデジモンのお祭りです。和田さんに届くように、感謝の気持ちも寂しい気持ちも全部まとめて一緒に歌ってください」というメッセージが流れ、今度はAiMさんと宮崎さんが「The Biggest Dreamer」「ターゲット~赤い衝撃~」「ヒラリ」「FIRE!!」を、観客と共に高らかに歌います。

嬉しいサプライズもあったスペシャルライブも終えると、改めて登壇者が舞台に勢揃い。そして、今年5月に逝去された水谷優子さんに向けて、ピヨモン役の重松さんが手紙を読み上げ始めました。


水谷さんは、初代の「デジモンアドベンチャー」で、武之内空役を演じています。パートナーとして共に歩んだひとときを振り返り、水谷さんへの想いと言葉を紡ぐ重松さん。その姿を目にした観客も心をひとつにし、それぞれが水谷さんを偲ぶ時間が流れました。

こちらで、その手紙の内容を掲載させていただきます。よければご覧ください。

水谷優子さん。あまりにも早いお別れに、今も信じられないような、まだ私の知らないところでお元気でいらっしゃるような、そんな気持ちがしています。

「デジモンアドベンチャー」でパートナー役として共演できることになり、優子さんにたくさんの初めてを経験させていただきました。そのひとつが、空とピヨモンのデュエット「ふたりで翔けば」のレコーディングです。

この曲は、1番のサビの主旋律を空が、ハモリをピヨモンが歌っています。2番はその逆です。最後の繰り返しは、主旋律とハモリを交互に歌うため、ついていくのに必死な私を、優子さんはしっかりリードしてくださりました。

また、間奏の“アドリブの台詞”という突然の要望に戸惑う私に、「こんなのはどう?」って、さらりとアイデアを出してくれました。空の泣き真似やピヨモンの台詞は、ほとんどが優子さんのアイデアです。実際にかけ合いをしてみると、本当に空が可愛くて、それが嘘泣きだと分かった時、ピヨモンの驚きがリアルにわき上がってきました。

ラジオの仕事も、優子さんの番組に呼んでいただいたのが初めてでした。あまりにも緊張し過ぎて、何を喋ったのかまったく覚えていません。でも優子さんは、「こんなに盛り上がるなんて、やっぱり私たちパートナーだよね」って言ってくれました。そういえばデジモンのミニドラマでも、空がパーソナリティになって、視聴者からのピヨモンについての質問に答える、なんてシーンもありました。

帰りに、車の助手席に乗せてもらったこともありました。運転する姿がとっても格好よくて、「大人の女性だ」ってこっそり思っていました。実は、そんなに歳は離れていません。でも私にとって優子さんは、いつでも頼りになるお姉さんです。

2年半前に突然ドラマCDの収録でお会いした時、スタジオで私は初めて優子さんの隣りに座りました。TVシリーズの収録時は近くに座っていたものの角と角で、間に調整室の入り口があったんです。やっぱり空とはこれくらいがいいな、と思いました。

「デジモンアドベンチャー」でパートナー役として共演してから、毎年優子さんからいただく年賀状には必ずどこかに、「ピヨちゃん」「ピヨモンちゃん」という文字が書かれていました。

昨年、「デジモンアドベンチャー tri」が上演されて、成長した空とピヨモンが再会しました。改めて思い返すと、今までは優子さんに支えられて安心していた自分がいます。これから私が優子さんのように、パートナーをしっかり支えたりするのは難しいかもしれません。でも、お互いが支え合って、一緒に成長していけたらなと考えています。だから、どうか見守っていてください。

「空……ずっと、ずーっと大好きだよ!」

2016年7月31日、重松花鳥より


重松さんの言葉が会場に広がった後は、観客も一体となり「Butter-Fly~tri. Version~」を合唱。和田さんと水谷さんに届くようにと、熱と想いを込めた歌声が、どこまでも響き渡ります。こうして、忘れられないひとときとなった「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」昼の部が幕を迎えました。ですが、デジモンの躍進は更なる飛躍を見せていくことでしょう。まずは第3章の公開を楽しみにしつつ、新たな展開の訪れも心待ちにしておいてください。


最後に、昼の部が終了したばかりの登壇者21名へのインタビューを行いましたので、その際に伺ったコメントも紹介させていただきます。

◆「昼の部」終了直後インタビュー


■「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」昼の部終了直後ですが、その感想をお聞かせください。

花江さん:2度目の「デジフェス」でしたけども、今年もお客さんが暖かくて、僕自身リラックスして楽しむことができました。

細谷さん:初めて全員揃ってのイベントだったので、みんなでワチャワチャできて楽しかったです。

田村さん:めっちゃ楽しかったですね。昼の部だけで燃え尽きそうな感じでしたけど(笑)、夜の部も頑張りたいと思います。

榎木さん:去年のデジフェスも緊張しましたが、今年も緊張しました。お客さんの熱いデジモン愛を感じられて、とても嬉しかったです。

荒川さん:初めての参加でしたが、とても楽しかったです。お客さんと一緒になって作ったステージだったんじゃないかなと思いました。

三森さん:初参加だったんですけども、みんなが集合すると和気あいあいで楽しいんだと、改めてデジモンファミリーの暖かさを感じてとても楽しく過ごしました。

吉田さん:イベントの中でもお話があったんですけども、アフレコも含めてキャストが全員揃ったのは今回が初めてだったので、ありがたい機会をいただきました。ライブも素敵で、このステージにみんなで参加できたことが本当に嬉しいなと思いました。

池田さん:僕のパルモンのモノマネもだいぶ板について、お客さんにも受け入れられているなーと感じています。夜の部では、朗読劇のパルモンのセリフを全部とります(笑)。

M・A・Oさん:去年に引き続き参加させていただいて、すごく嬉しかったです。トークコーナーなどで去年よりもたくさんご一緒できて、和気あいあいとさせていただきました。

坂本さん:新しい仲間も増えて、お客さんも含めてみんなで作るイベントっていう感じがとても良かったと思います。

山口さん:初めてみんな揃ったということで、それぞれのパートナー同士の絆も見れて楽しいフェスでした。

櫻井さん:僕も初参加組のひとりなんですが、お客さんが子供のようなキラキラした笑顔で見てくれたのが、すごく嬉しかったです。

松本さん:昨年もフェスに参加させていただいたんですけども、朝来る時にお客さんがロビーにいっぱいで、びっくりしました。でも始まってみたらもっといっぱいで、更にびっくりしました。「なんだか凄いことになってる」と思いつつも、すごく楽しかったです。

森下さん:去年は芽心(荒川さん)と一緒に見に来たんですが、今年は出演側で出られて夢のようでした。メイクーモンとしてみんなの前に出ることが初めてだったので、嬉しかったです。

重松さん:今年は辛いこともあって、だからこそ和田さんや水谷さんのことに触れて……今回みなさんが揃ったということで、特に私は(去年は空がいなかったため)三森さんと一緒に出られたということ、最後に水谷さんにお手紙で気持ちを伝えられたことが、とても心に残りました。ファンのみんなの気持ちをすごく、すごく感じて、素晴らしいフェスだったと思います。

山田さん:無茶な話なんですが、みんなが揃うということで、私は観客席から見たかったです(笑)。

竹内さん:私も観客のような気持ちでみなさんのプライベートな話を聞いていました。楽しかったです。夜の部も、誰か爆弾発言をしないかチェックします(笑)。

徳光さん:客席のお客様がそれぞれ好きなデジモンのぬいぐるみを持っている姿を見て心がすごく暖かくなって、みんなで一緒にフェスを作っていこうと思いました。とても感動しました。

AiMさん:毎年、気持ちはどんどん更新されていくんですけども、今年は水谷さんや和田さんのこともそうですし、みんなで歌って笑顔になれたらいいなと思っていたので、一緒に歌ってもらって非常に嬉しかったです。これからも和田さんと一緒に歌っていきたいなと思っていますので、またこういったフェスが開かれたらいいなと思っています。

宮崎さん:今回は色々な思いがあるイベントになったんですけども、こういう形で皆さんが勢揃いして、本当に豪華なデジフェスができたのが素晴らしいなと思いました。そして同時に、これからまた長いことフェスが続いていって、なおかつデジモンがみんなに愛され続けていったらいいなと心から思いました。

松澤さん:1回目の15周年イベントはお台場の劇場で行いまして、今回のような大きなイベントじゃなかったんですよね。500人ほどのファンが集まってという感じでした。こんな風に毎年イベントがあるのが当たり前ではなくて……。それがこうして、2回、3回と続いていることがまず嬉しかったです。あとは、大人にならないといけないけども、子供でいたい部分、忘れちゃいけない部分というのを、イベントを通して思い出すことができました。

■今回初参加だった方にお伺いします。「デジフェス2016」で印象に残った場面を教えて下さい。

三森さん:私は朗読劇です。自分も参加してるのに、映像もあるので面白くて、観客気分で聴き入っていました。むっちゃんにグルグルした赤い照明が当たるところなど、映像だけじゃなくて演出も組み合わさって、しかもこの人数での朗読は中々ないと思うので、すごくいい経験をさせていただいて楽しかったです。

細谷さん:(朗読劇で)すごい噛み倒したなっていうのが……(笑)。普段だったら大丈夫なんですけど、楽しかったんでしょうね(笑)。途中、(台詞にない)「あぁ~!」と
言ってしまって申し訳なかったです。

櫻井さん:ずらっと並んだ姿は「おぉ!」と思いましたね。モニターでしか見られないんですけど、最初に勢揃いした時に「ここにいられて良かったな」と思いました。

森下さん:最後にみんなで合唱したときに、お客さんの顔がばっちり後ろの方まで見えて、……泣いたり笑ったりしながら手を挙げて歌った一体感が、すごく良かったです。

荒川さん:お客様の眼差しが本当にキラキラしていました。自分もお客様の気持ちが分かると言いますか、去年見せていただいたというのもあったので、ステージに立っていることが不思議だなと感じました。ペンライトも綺麗に振っていただき、お客様も一緒に盛り上げてくださったなと思いました。

■宮崎さんとAiMさんにお伺いします。和田光司さんのスペシャルメドレーを歌われていた時のお気持ちをお聞かせください。

AiMさん:会場のみなさんも歌ってくださるので、きっとどこかで見てくださっている和田さんに「こんだけみんな、和田さんのこと大好きなんだよ」というのが伝わってるといいなと思って歌いました。

宮崎さん:メドレーの曲順は今回僕の方で決めさせてもらったんですけども、「ヒラリ」を入れたいというのはプロデューサーからの要望だったんです。和田君本人が作詞している曲でもあるので、それをしっかり歌いたいなと思って組み込みました。

曲順的に「FIRE!!」を一番最後にやりかたった理由ですが、和田君がライブの時に「君を連れて」というところ(歌詞)を「皆を連れて」とやるのが定番だったため、それを取り入れてやれたらいいなと思いました。

でもメドレーが終わったときは「終わります」みたいな、エンディングのような雰囲気になるので、少しだけ不安だったんですけども、でも和田君のライブを見に行っている方も多いと思うので、恐らく意図は伝わったかなと思います。和田君もきっと喜んでくれているだろうと勝手に思ってるので、喜んでます(笑)。

■宮崎さんとAiMさんは、和田光司さんの楽曲のスペシャルメドレーを歌われましたが、今のお気持ちをお聞かせください。

AiMさん:会場の皆さんも歌ってくださったので、きっとどこかで見てくださっている和田さんに「こんなに皆が和田さんのこと大好きなんだよ」と伝わればいいなと思って歌いました。

宮崎さん:メドレーの曲順は僕の方で決めさせていただいたんですけど「ヒラリ」を入れたいというのはプロデューサーから提案していただきました。和田君本人が作詞している曲でもありますし、それをしっかり歌いたいなと盛り込みました。

曲順的に「FIRE!!」を一番最後にやりかたった理由が、和田君がライブのときに「君を連れて」という歌詞を「皆を連れて」と変えるのが定番だったので、それを取り入れられたらいいなと思いました。

メドレーが終わったときは“終わります”みたいなエンディングの空気があるので、少しだけ不安になったんです。でも、和田君のライブを見に行っている方も少なくないと思いますので、恐らく意図は伝わったかなと。和田君もきっと喜んでくれているだろうと勝手に思って、喜んでます(笑)。

■AiMさんにお伺いします。 Endless tale」をどうしても歌いたかったとお聞きしましたが、その相談をされたのはいつ頃ですか?

AiMさん:何を歌うかはずっと考えていたんですが、和田さんが亡くなられてから間がなかったので、正直 Endless tale」を歌えるか自信がなくては賭けだったんです。でも私が歌わないと、この曲二度と歌わなくなるんじゃないかと考えて、それは嫌だなと思いました。

この曲を歌っていた頃はMDだったんですけど、MDにそれぞれのオンリーバージョンを作ってもらったことを覚えていたんです。それが家にあるかもしれないと思って探したんですが、家にはなくて。なので、「もしあったら歌いたいんですけど」と(スタッフさんに)お願いをして、音源を何とか探してもらいました。

カップリング曲の音源は私も持っていたので、「最悪なかったら、カップリングの曲でいいですか?」と言われましたが、「いいですけど、できれば「an Endless tale」が歌いたいんです」とお話して、なんとか見つけていただきました。

■昼の部で実際に歌われて、いかがでしたか?

AiMさん:お客さんの泣いている顔を見ちゃうと、こみ上げるものがグッとあって。でも、ここで泣いてはいけない、ちゃんと歌わなくちゃと奮い立たせて、なるべく見ないようにして歌ったんです(笑)。でも、みんなにも何か感じてもらえたのかなと思うと、その泣き顔も嬉しくて。

たくさんの人に、もっともっと和田さんと一緒に歌う姿を見てもらえたらいいなと思うので、これからも歌う機会があればいいなと思っています。

■「デジモンアドベンチャー tri. 第3章“告白”」の公開が控えてしますが、代表して花江さんから、ファンのに向けてへ一言メッセージをお願いします。

花江さん:第3章は、全6章の中でひとつの山場みたいなお話なので、すごく物語が動くと思います。早く第4章を見たいと思えるお話だと思いますので、ぜひ皆さん劇場に足を運んで、たくさん楽しんでいただければなと思います。よろしくお願いします。

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(C) 本郷あきよし・東映アニメーション

[INSIDE/www.inside-games.jpより転載記事]
《臥待 弦(ふしまち ゆずる)@INSIDE/www.inside-games.jp》
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