【TAFF2016】「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」中国アニメ史上最大のヒット作、その魅力とは? | アニメ!アニメ!

【TAFF2016】「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」中国アニメ史上最大のヒット作、その魅力とは?

東京アニメアワードフェスティバル 2016が、東京・TOHOシネマズ日本橋で3月18日から3月21日まで開催中だ。アニメーション作品の振興を目的とした映画祭で、国内外のアニメ作品が一挙上映される。

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東京アニメアワードフェスティバル 2016が、東京・TOHOシネマズ日本橋で3月18日から3月21日まで開催中だ。アニメーション作品の振興を目的とした映画祭で、国内外のアニメ作品が一挙上映される。
3月19日には、コンペティション部門長編アニメーションノミネート作品『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』が上映された。上映後にはトークショーが開催され、田暁鵬(ティエン・シャオポン)監督が作品への想いを語った。

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』は、西遊記をモチーフに中国の田暁鵬監督が手がけた3DCG長編アニメーションだ。三蔵法師の前世である少年・江流児と、五行山の岩から500年ぶりに解き放たれた孫悟空による冒険を描いたファンタジーアクション。本作は中国産アニメとしては過去最大の記録を打ち立てるほどの大ヒットとなった。

上映後のトークショーは、叶精二氏がモデレーターを務め、田暁鵬監督、選考委員から井上俊之氏、小出正志氏、渡邊隆史氏が登壇。
まず選考委員より本作のノミネート理由が説明された。筋運びでは多少強引なところがあるものの、それを補ってあまるほどのアニメーションとしての魅力に溢れていると高く評価。とくにアニメーション本来の持ち味である「動き」に優れており、娯楽作品としても傑作だという。
中国からこれほどの傑作が誕生したことに対し、井上氏は日本のアニメを脅かす存在として危機感を覚えたと吐露。また渡邊氏は、本作がアメリカや日本のアニメの要素を取りれつつも、中国ならではの作品に仕上がっていることを評価した。

続いて、田暁鵬監督が制作秘話を語っていった。長編映画としては処女作であり、様々な実験的な手法を試みたという。また本作の迫力あるアクションシーンについては、「僕はアニメーター出身なので、動きやカメラワークにこだわった」と回答。だが制作中、観客に感動を与えるためには物語が重要だと気づいたという。本作で学んだことを次作に生かしていきたいと話した。

また会場からの質問を受け付けると、続々と手が上がった。「影響を受けた作品は?」という質問に対して田暁鵬監督は、日本のアニメメーターや漫画家を尊敬しているとして、とくに本作は宮崎駿作品からの影響が大きいと話した。さらに「今回来日した最大の目的はこの映画を宣伝するためではなく、宮崎駿監督に会いたかったからです」と冗談を交え、会場を笑いを誘っていた。

続いて、田暁鵬監督は続編について言及。『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』はシリーズの第一部として、主人公・江流児と孫悟空の出会いを中心に描かれた。続編では新キャラクターも加わり、天竺までの旅路と仲間との絆が描かれるという。
また現在は『深海』というタイトルの作品を制作中とのこと。「ハリウッド映画とは違い、東洋的な芸術的センスを探っていきたい」と展望を語り、次回作への期待を誘った。

東京アニメアワードフェスティバル2016
会期: 2016年3月18日(金)~21日(月・祝)
会場: TOHOシネマズ 日本橋
《沖本茂義》
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