「花より男子 The Musical」、笑ってほっこり、恋愛ミュージカルの決定版 | アニメ!アニメ!

「花より男子 The Musical」、笑ってほっこり、恋愛ミュージカルの決定版

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評 連載第161回 ■ 『花より男子 The Musical』、笑ってほっこり、恋愛ミュージカルの決定版■ 舞台『カードファイト!! ヴァンガード』~バーチャル・ステージ~

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高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評
連載第161回

■ 『花より男子 The Musical』、笑ってほっこり、恋愛ミュージカルの決定版

とにかくミュージカルナンバーが多く、全部で23曲。『ピーターパン』の演出を手掛けている鈴木裕美ならではのメリハリの効いた構成。つくしと司の恋模様を軸に進んでいくが、サイドストーリー、類の片想いもしっかり描かれており、楽しくもちょっぴりほろ苦く、ほっこりする恋愛ミュージカルに仕上がった。

司は俺様タイプだが、実は”さびしんぼう”、虚勢を張りながらも次第に自分に素直になっていく様子を松下優也(X4)は得意の歌で表現。つくしも意地っ張りで、本当は司が好きなのに素直になれない様を加藤が好演する。
適材適所なキャスト、木村了は1幕ではコメディリリーフ的存在だったが、2幕ではダークに豹変、その切り替えの良さが作品のアクセントになっていた。ミュージカルならではの大仰な表現、F4の”いかにも”なスカした態度、セレブを気取るクラスメイト達、玉の輿!と歌う母と尻に敷かれる父、コミックの面白さを増幅させて観客を笑わせる。もちろん、”小ネタ”も満載、司の妙な言葉遣いをいちいち訂正する仲間のツッコミで客席からはクスクス笑いが。
日本一売れているコミック、オチは先刻承知なのに2人の恋模様にハラハラ、ドキドキ、楽しく笑っての2幕もの、ラストのナンバーは、まさにこの作品のテーマ、ハッピー気分で終幕、千秋楽はバレンタインデー!続編で司とつくしのその後をやって欲しい。

■ 舞台『カードファイト!! ヴァンガード』~バーチャル・ステージ~

先導アイチがヴァンガードファイターとして目覚めて友情や絆の大切さに気付き、己の弱さと向き合い成長する。見せ場となる”勝負”シーンはカードのキャラクターのアクションとカードを操るプレーヤーの動きがシンクロ、そこに映像をかぶせて作品世界を立体的に重層的に見せ、”勝負事”の厳しさや醍醐味を観客に伝える。ところどころミュージカル風な演出で楽曲もチャッチーで耳に残る。ラストのアイチvsレンの勝負は一種のカタルシスを感じる。若手ばかりのカンパニーでエネルギッシュ、続編も期待出来そうだ。

■ ミュージカル『忍たま乱太郎』第7弾 ~水軍砦三つ巴の戦い!~
新たに兵庫水軍が登場、原作にはない忍術学園の6年生との出会いを描く。お間抜けドクタケ城の面々と賑やかなバトルと駆け引きを繰り広げる。後半に登場するストンプはタップダンス的なニュアンスもあり、華やかな見せ場となった。兵庫水軍、忍術学園の武器を使ったアクションも見応えあり。息の長いシリーズ、毎回オリジナルストーリーで苦心の後が見える。”お約束感満載”な展開は忍ミュならでは。

■ ミュージカル『薄桜鬼』新選組奇譚
ダンスは流行のコリオを取り入れて、よりポップに、殺陣の動きもダイナミック。作品の大きな特徴である楽曲、全体的にはロック調ではあるが、J-POP風のものも。音楽がほぼ途切れない本格的ミュージカルに進化。キャラクターそれぞれに見せ場があるオーソドックスな構成。己の”誠”を信じ、時代に取り残されていく様は感涙。旧キャストの貫禄と新キャストの勢いが融合した舞台であった。

[公演情報]

『花より男子 The Musical』
東京公演/2016年1月5日~24日 シアタークリエ
福岡公演/2016年1月28日 福岡サンパレス ホテル&ホール
名古屋公演/2016年2月6日~2月7日 愛知芸術劇場 大ホール
大阪公演/2016年2月11日~2月14日 サンケイホールブリーゼ
http://www.hanadan-m.com

舞台『カードファイト!! ヴァンガード』~バーチャル・ステージ~
2016年1月5日~1月11日 AiiA 2.5 Theater Tokyo
http://www.nelke.co.jp/stage/vanguard/

ミュージカル「忍たま乱太郎」第7弾 ~水軍砦三つ巴の戦い!~
2016年1月9日~1月23日 サンシャイン劇場
http://www.musical-nintama.jp/

ミュージカル『薄桜鬼』新選組奇譚
東京公演/2016年1月4日~1月11日 天王洲 銀河劇場
大阪公演/2016年1月15日~1月17日 大阪メルパルクホール
http://www.marv.jp/special/m-hakuoki/
《高浩美》
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