『思い出のマーニー』は日本では2014年に公開されたが、北米では独立系の配給会社GKIDSにより2015年にリリースされた。このため2015年の作品となっている。また細田守監督の『バケモノの子』はやはり独立系のFUNimationが配給、上映されている。 両作品がノミネートされた最優秀長編アニメーション賞(インディペンデント)は、2015年から新設された。45分以上の長編でかつ、米国にて1000スクリーン以下で公開されているか、アヌシー、オタワ、広島、ザグレブの四大国際アニメーション映画祭で受賞していることが条件になる。今年は『思い出のマーニー』『バケモノの子』以外に、アヌシー国際アニメーションでグランプリを獲得したブラジルの『The Boy and the World』、レバノンの作家ハリール・ジブラーンの『預言者』を映像化した『Kahlil Gibran's The Prophet』がノミネートされている。4作品中2作品が日本からと受賞への期待もかかる。
長編アニメーションは近年世界的に制作が増える傾向にある。一方で、アニー賞では米国のスタジオが関わった大作がより脚光を浴びる傾向が強い。インディペンデント部門の設立は、より幅広い作品に目を向けようとのASIFAハリウッドの考えかもしれない。 一方、これまでの長編アニメーション部門ノミネートは5作品となった。『Anomalisa』(パラマウント)、『インサイド・ヘッド』(ピクサー)、『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(アードマン)、『アーロと少年』(ピクサー)、『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』(ブルースカイ/20世紀フォックス)である。 全体ではピクサーの2作品が圧倒した。『インサイド・ヘッド』は14部門、『アーロと少年』は10部門でノミネートされた。作品賞にはノミネートされなかったが『ミニオンズ』も7部門と健闘している。 米林宏昌監督がノミネートされた監督賞(長編映画)は5人がノミネート。一方脚本賞は『インサイド・ヘッド』と『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』と『思い出のマーニー』から3人のみとなっている。こちらも賞の行方が注目される。 2016年2月6日に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイス・ホールにて授賞式が行われる。受賞作品、受賞者もこの場で明らかにされる。