「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」新旧超人対談企画第4回 ぴえろ編 布川ゆうじ×南雅彦 | アニメ!アニメ!

「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」新旧超人対談企画第4回 ぴえろ編 布川ゆうじ×南雅彦

「もうひとつの日本」を舞台に描く『コンクリート・レボルティオ』。制作陣と超人を生み出したプロダクションとのインタビュー。第4弾はぴえろ創業者の布川ゆうじ氏とボンズの南雅彦社長が対談。

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左)布川ゆうじ氏、右)南雅彦氏
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高度経済成長によって発展する戦後20余年の「もうひとつの日本」を舞台に、多彩な超人たちの饗宴を描く『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』。本作では日本のアニメ、特撮、マンガなどで描かれてきた様々な超人たちへのオマージュが満載だ。
そこで、アニメ!アニメ!では、『コンレボ』制作陣と、日本が誇る超人を生み出してきたプロダクションとの連続インタビューを企画した。
今回の第4弾では、本作の制作を手掛けるボンズの南雅彦社長と、『魔法の天使 クリィミーマミ』など魔法少女モノの新たな可能性を切り拓いたぴえろより、創業者の布川ゆうじ氏との対談を届ける。
[聞き手=数土直志 構成=沖本茂義]

『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
2015年10月よりTVアニメ放送中

abesan■ 「おそ松くん」と「コンレボ」の共通点は?

――ぴえろといえば、『クリィミーマミ』を筆頭に「魔法少女シリーズ」を思い出しますが、南さんはいかがでしょうか?

南雅彦氏(以下、南)
個人的には赤塚不二夫作品の印象が強いですね。現在放送中の『おそ松さん』は楽しく観させてもらっています(笑)。

布川ゆうじ氏(以下、布川)
ありがとうございます(笑)。『おそ松さん』さんは、僕が口出しをすることはほとんどなくて、いち赤塚不二夫ファンとして今の時代にどうリメイクするのか楽しみでした。
ここで『おそ松くん』の話をするのも恐縮ですけど……。『おそ松さん』のもともとの『おそ松くん』の6つ子も一種超人みたいなものですから(笑)。そういう意味で『コンクリート・レボルティオ』と共通点がありますね。


『コンクリート・レボルティオ』で“超人”と呼ぶのは、『おそ松くん』のような存在があるからです。作中で“ヒーロー”ではなく“超人”という言い方をしているのは、当時は空想上のヒーローはもちろん、王貞治や長嶋茂雄のような実在するスポーツ選手でさえも超人的な存在だったからです。

布川
力道山とかね。


そうですね。「僕たちとは違う世界に住んでいるんじゃないか?」という昭和特有の雰囲気。たとえば、キャンディーズの「ふつうの女の子に戻りたい」というフレーズが象徴的ですよね。「ふつうじゃなかったのか!?」って(笑)。『コンクリート・レボルティオ』は、「僕たちが育ったあの時代は何故あれほどまでに超人が存在したのか?」とそういった着想からスタートした作品です。

――布川さんは本編をご覧になられてどうでしたか?

布川
お世辞でも社交辞令でもなく、純粋に面白かったです。あの時代の空気感をうまく描いていますよね。土管がある空き地とか見ていると「ここにチビ太いるんじゃない?」と思ったり(笑)。当時の流行歌など、我々の世代でも楽しめる要素がたくさん散りばめられていて、楽しかったです。


――ちなみに、ヒロインの星野輝子はいかがでしたか? ぴえろの魔法少女を彷彿とさせるキャラですが……。

布川
最初見たときは「これ、マミ!?」と思いました(笑)。とくに髪の毛の色とかね。

南 
……言われてみると、たしかに似ていますね!

――ぴえろの「魔法少女シリーズ」は、日本のサブカルチャーシーンでもエポックメーキングな作品です。

布川
当時、魔法少女ものというと、東映アニメーションさんによる定番路線が越えられない壁として存在していたわけです。そこに「違った路線で魔法少女ものをつくれないか」と企画したのが『クリィミーマミ』なんです。「魔法を使って変身する」という魔法少女ものの魅力を活かしつつ、もう少し年齢層を上げて、ストーリーを構成していこうと。色にもかなりこだわって、パキっとした原色系ではなく、少しパステルトーンの色合いを採用しました。

abesan――輝子のデザインにその影響を感じます。


『コンクリート・レボルティオ』において、ヒロインが魔法少女であることは、大きな意味があると思っています。これは勝手な解釈ですけれど、超人は大きくふたつに分けられて、まずひとつは「時代が生み出したもの」。たとえば、おばけ、妖怪、怪獣、ロボットといった存在。それに対して、魔法少女のように「別世界からやってきたもの」がいる。
輝子は「魔法の国からやってきた」という設定で、ドラマ上でも質問役に回ることが多く、俯瞰的な視線を持っているキャラクターです。「わたしはどこからやってきたのか?」「この世界では何をするべきなのか?」という疑問をいつも抱えている。そのあたり、伝統的な魔法少女モノの系譜を感じるところですね。
布川さんにお聞きしたいんですけど、“魔法少女”はあっても“魔法少年”はあまり見ないですよね。これは何でなんでしょう?

布川
言われてみるとそうですね……。もともと日本の魔法少女モノというのは、ディズニーの『シンデレラ』が東洋化していった経緯がありますから、そこに男は出てこないのかもしれない。男の子の場合は、どちらかというと『ウルトラマン』や『仮面ライダー』のような「変身ヒーロー」ですよね。あとは『妖怪ウォッチ』のように霊的なもの。


それでいうと、『ドロロンえん魔くん』や『悪魔くん』もそうですね。どこかダークな世界観で、主人公はわんぱくものばっかり。やっぱり男の子の憧れは、自分よりも強大な力を持っているものに惹かれるんでしょうね。

布川
今は女の子もその傾向があると思います。『プリキュア』を見ていると、「魔法を使ってアイドルや可愛い子になりたい」というよりも「強くなりたい」というふうに変わってきいる気がします。そのあたり時代の変化を感じるところですね。
《沖本茂義》
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