アニメ業界も注目、Netflixが日本でスタート 日本コンテンツの海外発信も目指す | アニメ!アニメ!

アニメ業界も注目、Netflixが日本でスタート 日本コンテンツの海外発信も目指す

Netflixが2015年9月2日にいよいよ日本でサービスを開始した。スタート直前となった9月1日には、都内のホテルにてローンチに合わせた記者会見が開催された。

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定額課金型の動画配信サービスで世界最大手のNetflixが2015年9月2日にいよいよ日本でサービスを開始した。同社の創業者のひとりでCEOを務めるリード・ヘイスティングス氏が自ら来日し、また大規模なキャンペーンも繰り広げられるなど、日本市場攻略に対する意気込みの大きさを感じさせている。
スタート直前となった9月1日には、都内のホテルにてローンチに合わせた記者会見が開催された。ヘイスティングス氏のほか、Netflix株式会社(日本)の代表取締役社長グレッグ・ピーターズ氏、そしてNetflixを代表するオリジナルドラマの出演女優から『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のラヴァーン・コックス、ウゾ・アドゥバ、『センス8』のペ・ドゥナらが姿を見せて華やかな幕開けとなった。

ヘイスティングス氏はNetflixが日本でサービスを開始する喜びを、若き日の初来日の際に東京で道に迷った経験を交えて語った。しかし、同社の日本進出は、そうした感傷的な理由ではない。
ヘイスティングス氏は、「日本は大きなマーケットだから」と日本進出の理由をシンプルに説明する。「むしろ2年前に進出しなかったことのほうが不思議でなくらいです」とも。
では、鳴り物の入りとも見える進出は、実際に日本ユーザーに受け入れられるのだろうか?ヘイスティングス氏はこれに強い自信をみせる。作品を届けるインターネットは、過去10年間で社会に大きな影響を与えて、ますますパワフルになっている。そのインターネットを支えるひとつがNetflixなのだという。

Netflixによれば、同社の強みは番組の配信に特化した企業であることだ。付帯したサービスをせずに配信だけをする。そのなかで培われた動画配信サービスならではのレコメンドシステムに自信をみせる。
レコメンドシステムはユーザーの利用履歴に応じて、お薦めタイトルを示す機能である。日本代表のピーターズ氏は「全てをヒット作にするのでなく、届けるべきユーザーに効率的に作品を届ける」とシステムの役割を説明する。それがユーザーの満足度を高めて、ビジネスの拡大につながるというわけだ。

アニメ関係者にとっても、Netflixの日本進出は無関心でいられない。もともと日本の動画配信サービスの発展には、アニメが大きな牽引力を発揮した歴史がある。同時にアニメ産業全体に配信ビジネスが占める割合は、急激に大きくなっている。バンダイチャンネルやdアニメストア、東映アニメオンデマンドなどアニメに特化した配信サービスが多いのも日本の特徴だ。さらにNetflixがオリジナルドラマやアニメの独占的な配信権獲得に積極的と伝えられていることもアニメ関係者から注目される理由だ。

オリジナルコンテンツに積極的なことをNetflixは否定しない。ただしNetflixが番組に関わるのは、製作出資でなく、あくまでも配信権の獲得だ。この配信権に大きな資金を投じる。
ピーターズ氏は、「トップクラスのコンテンツのためには予算をかけます」と話す。そして、日本だけでなく世界市場に作品を届けることを考えれば、その予算は日本の現状より高くなることがあるかもしれないとも説明する。
日本のオリジナルコンテンツを世界に届けることは、今後日本の映像制作者からNetflixに期待される役割のひとつかも知れない。ヘイスティングス氏は、日本のオリジナルコンテンツを海外に届けるのかとの質問に強く「イエス」と答えた。例えばフジテレビが製作するドラマ『テラスハウス』は、日本での配信終了後は世界配信をするという。そして日本進出以前からアニメ『シドニアの騎士』でも同様の取り組みをしていると話した。
サービス開始から4日間、9月5日現在、Netflix日本で見られるアニメタイトルは早くも90を超えた。定額課金での配信では初のHD配信の作品も多数含む。Netflixがアニメを重要なコンテンツと考えているのは間違いなさそうだ。それだけにNetflixがアニメの分野で、どんな次の一手を打って来るのかに関心が集まる。
[数土直志]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
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