アニメ・コンソーシアム・ジャパンが世界に発信 LAアニメエキスポで大型タイトル投入を発表 | アニメ!アニメ!

アニメ・コンソーシアム・ジャパンが世界に発信 LAアニメエキスポで大型タイトル投入を発表

アニメ・コンソーシアム・ジャパンが2015年7月3日(現地時間)に米国ロサンゼルスで開催中のアニメエキスポ2015でファン向けイベントを行った。

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日本のアニメを世界に届けるとして、2014年12月に設立されたアニメ・コンソーシアム・ジャパン(ACJ)が2015年7月3日(現地時間)に米国ロサンゼルスで開催中のアニメエキスポ2015(Anime Expo 2015)でファン向けイベントを行った。ACJが運営する海外向けのアニメ動画配信・ECサイトのDAISUKIを現地のアニメファンにアピールした。
DAISUKIは2013年に日本のアニメ関連企業が出資する海外向け動画配信サイトとしてスタートした。ACJはバンダイナムコ、アニプレックス、クールジャパン機構などを中心に出資し、この事業を引き継ぎ、今年4月からは新たな体制でのサービスとなった。配信事業がアニメビジネスのメインストリームに躍り出るなか、ACJの戦略が国内外から注目されている。

3日のパネルイベントでは、ACJの代表取締役社長の鵜之澤伸氏、脚本家の會川昇氏が登壇し、DAISUKIと日本アニメの魅力を紹介した。鵜ノ澤氏はゲームやアニメ、玩具分野の経営で活躍、ビジネスに造詣が深く、現在はACJのビジネスモデル構築に挑んでいる。
一方會川氏は、今回、配信が発表れた新作テレビアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』の原作を担当、脚本をほぼ一人で書あげた。渾身の作品をDAISUKIを通じて世界発信する。

パネルの前半部分は、ACJの目指すもの、その仕組みが鵜ノ澤氏から説明された。ここでは既存の配信事業であるクランチロールやHuluなどとは異なるビジネスモデルがファンからも関心を集めていた。
鵜ノ澤氏によれば、DAISUKIの特徴は視聴が基本無料であることだ。これは有料のHuluや一部有料サービスを導入するクランチロールに対して競争優位がある。当然気になるのは利益の回収だが、これに対して「周辺ビジネスで回収する。アニメはもともと無料で放送し、関連商品で回収してきた」と、鵜ノ澤氏は説明する。

同時にこれまで弱いとされてきたDAISUKIの配信ライナップも大きく改善されそうだ。今回、目玉タイトルとして『GOD EATER』『ワンパンマン』『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』の3タイトルが発表された。『GOD EATER』は人気ゲームを原作にufotableがアニメーション制作を手掛ける話題作である。これが北米向けではDAISUKIの独占配信となる。登録会員の増加に大きな効果を発揮しそうだ。
『ワンパンマン』は人気マンガ原作の話題作である。その評判はすでに米国にも広がっており、配信決定の発表に大きな歓声があがった。

そして、『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』である。本作は水島精二監督、脚本が會川昇氏、キャラクターデザイン・総作画監督に伊藤嘉之氏という大物クリエイターが並んだ大型作だ。この3人がチームを組むのは2000年代前半の『鋼の錬金術師』以来である。
さらにキャラクター原案にも多数の人気実力派クリエイターが集結する。會川氏は「オリジナルという点で力が入っている」「特撮やロボットもの、魔法少女ものなどいままでいろいろジャンルの作品に関わってきた自分の経験も含めて、メタ的に描いている」とその意欲を語った。
DAISUKIと手を組むことについては、「もともとはバンダイビジュアルと進めていた企画だったが、ACJに加わってもらうことで世界に発信できる」と話した。当初から海外に向けて広く届ける作品になる。

パネル終了後に、鵜ノ澤氏、會川氏からコメントいただいた。鵜ノ澤氏は「ゲームでは何度も海外でトークをしているがアニメ、しかもファンの前でははじめて」と話す。そのうえで「日本アニメが好きな人が多くいると感じた」という。
またアニメビジネスについては、「インターネットが大きな力を持つようになった。特にアジアでスマホの存在が大きくなっている。」と説明する。こうしたトレンドをDAISUKIのビジネスにつなげる。さらに「来年のアニメエキスポの頃にはさらなる提案をできるようにしたい」と、今後も果敢にビジネスに挑む様子だった。

會川昇氏、「できるだけ世界中の人に見ていただけるがいいと思っています。ただ、海外の市場を意識するというよりも、まず作品の存在を知ってもらうことが重要ですね。作品そのものは日本のものでいいと思います。」と海外に作品を届ける役割を指摘する。
そして『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』については、「企画の実現には時間がかかりましたが、水島(精二)監督とはいつかオリジナルで勝負しようと話していました。やっとオリジナルで水島監督と一緒にやれます。」と強い意欲を語った。
[数土直志]
《animeanime》
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