脚本家・加藤陽一による体験講座『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』のヒット脚本術とは@AnimeJapan 2015 | アニメ!アニメ!

脚本家・加藤陽一による体験講座『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』のヒット脚本術とは@AnimeJapan 2015

AnimeJapan 2015に脚本家の加藤陽一氏がシナリオライター志望者向けの体験講座を行った。「『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』にみるヒットアニメ脚本術」と題し、アニメシナリオライター志望者が集まった。

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3月22日(日)、東京ビックサイトにて開催されたAnimeJapan 2015において、脚本家の加藤陽一氏が「『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』にみるヒットアニメ脚本術」と題し、シナリオライター志望者向けの体験講座を行った。『ズームイン!!SUPER』などの放送作家を経てシナリオライターに転向した加藤氏はこれまでに『妖怪ウォッチ』や『アイカツ!』『宇宙兄弟』といった人気アニメのシリーズ構成・脚本を手がけている。
また、この講座にはサポートという立場で『アイカツ!』設定制作を務めたサンライズ・田中昂氏が登壇した。人気作家のヒット脚本制作術を聞こうと、会場には多くのアニメシナリオライター志望者・観客が集まった。

講座は2部構成で進行した。第1部は「シナリオ作成とは」、という講義。加藤氏が脚本執筆の際にどのようなことを考えているのか、テレビで放送されたばかりの『アイカツ!』のシナリオをスクリーンに映しながら、留意すべきポイントなどを明らかにした。
加藤氏は作品の完成予想図が思い描ける脚本作りを心がけているという。アニメのスタッフはもちろん、玩具や音楽など、作品に関わる全員に、同じ完成予想図を想像させるのだ。

シナリオとは基本的に「柱」(時間場所を現す)「ト書き」(行動やカメラワークなどを記す)「セリフ」の三つで構成されている。加藤氏はト書きも細かく書き込んでいる。「自分はこう思っている」と、作家の意図をいったんってもらうためにしているとのことだ。

■ そのプロジェクトにとっていい脚本であること

シナリオライターに向いていないのではと悩む時期もあったという。いい脚本とは何か、わからなくなったのだ。だが結局は「『いい脚本』というものは作品によって違う」もの。そして、【そのプロジェクトにとっていい脚本は何かを最初にしっかり決めること】【そのコンセプトを達成するという基準で全てをジャッジすること】がいい脚本作りに繋がっていくと語った。
練習で脚本を書く時も、目的や理想・コンセプトを決めて書くことは大事である。その中で何がよくて何がいけないのか作品ごとに適切な【しっかりしたジャッジの基準】を持って書き進めていくことだと語った。

流通するシナリオの指南書についても言及した。加藤氏は流通する指南書をほぼ全て読んだとのこと。「どれも書いていることは間違っていない」という。だが、前述の「そのプロジェクトにとっていい脚本は何か」を考えれば、見え方も変わってくるのだ。どの指南書も「著者」にとっての『いい脚本』の書き方だ、ということだ。全てを鵜呑みにするのではなく、「ここに書かれていることは本当か」と疑問に持つことも大切な要素だという。
加藤氏が今でも執筆に詰まった時などに目を通している指南書を紹介してくれた。
・『ハリウッド・ライティング・バイブル』
・『脚本を書くための101の習慣ーー創作の神様との付き合い方』
北米の脚本術は論理が整理されており、使いやすいとのこと。気になった方は手に取ってみてはいかがだろうか。
《細川洋平》
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