3月19日から東京日本橋で開催される東京アニメアワードフェスティバル2015において、「アニメミライ2015」の披露上映が行われる。さらに今春より全国の映画館やテレビにて放送される予定だ。3月16日、一般公開に先立って、4作品のメディア向けの完成試写会が開催された。これまでに引き続き充実した作品が並んだ。「アニメミライ2015」は文化庁平成26年度 若手アニメーター等人材育成事業のことを指す。2015年度は一般社団法人日本動画協会が受託し、参加アニメスタジオと共に短編アニメーション作品を製作してきた。「アニメミライ」はアニメーションの実制作を通して、アニメーターなど若手の人材育成を 目的とする文化庁委託事業で、今年度(平成26 年、2014年)で5回目を迎える。このプロジェクトは2011 年春に開催された第1回目のみ“PROJECT A”なる通称で披露されていたが、第2回目よりこのプロジェクト・ネームを正式に採用 している。テレビアニメや劇場公開作、オリジナルDVD作品などの製作本数が増加して久しい日本のアニメーション業界だが、製作費の縮減やスケジュール悪化が目に見える。効率化のために動画工程の海外発注を定例化させたことで、制作現場での先輩から後輩への指導“OJT”(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を行う余裕や機会が失われ、国内での人材育成に支障が生じているのが現状だ。一方でアニメーターを志す若者たちは多く、彼らを有能な人材に育て上 げることは、現在のアニメ業界の使命、急務である。そういった問題の解決策として構想されたのが「アニメミライ」という訳だ。毎年、アニメーション制作会社から応募されるオリジナル企画の中から 4作品を選定する。文化庁支援の許、十分な予算と余裕あるスケジュールで、 それぞれの制作会社が若手アニメーターたちのOJTも兼ねたアニメ制作を行っている。完成した作品は協力各社により劇場公開、テレビ放映等が実施される。そして自分たちが携わった作品が多くの人の目に触れる機会を設け続けることで、若手たちの育成や、モチベーション向上に繋がるように配慮されている。また、アニメ制作会社振興を狙いとして、1年間のプロジェクト期間が 終わると、作品の権利はそれぞれの制作会社に委ねられる。今や日本の主要文化のひとつとして屹立し、世界に向けて発信し続けて いる国産アニメーション。さらなる発展につなげていこうという志がこの「アニメミライ」にはある。
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