手塚治虫文化賞を主催する朝日新聞社は、2月24日に第19回(2015年)手塚治虫文化賞のマンガ大賞の候補作品を発表した。今回審査対象となったのは、2014年に発売されたマンガ単行本である。専門家や書店などの推薦も経て、8人の選考委員が持ち点15点で各作品に投票、上位9作品を候補とした。今後3月下旬に選考会が開催され、候補作品の中から選考委員が合議制で、年間を通じて最も優れた作品として大賞を決定する。今回候補に挙がった作品は様々な分野にわたるが、いずれも話題作、大賞に相応しいと言っていいだろう。少年マンガからは2014年に大団円と伴に長期連載を終了した『NARUTO-ナルト-』 や『暗殺教室』などがある。『アオイホノオ』は、アニメ監督の庵野秀明氏もモデルとなったキャラクターが登場するマンガ家・島本和彦の自伝的作品だ。『チェイサー』もテーマをマンガ家としている。『聲の形』、『五色の船』、『逢沢りく 上』は、社会的なテーマ性も感じさせる。『平成うろ覚え草紙』は江戸時代と現代を浮世絵でつなぐ異色作だ。アニメ化作品も含まれている。『NARUTO-ナルト-』は原作と同様アニメもロングラン、『暗殺教室』は2015年1月にテレビアニメがスタート、実写映画の公開も控えている。『銀の匙 Silver Spoon』もテレビアニメと実写映画のふたつが実現している。また『五色の船』は文化庁メディア芸術祭でマンガ部門大賞と受賞したばかり、『アオイホノオ』も優秀賞に輝いている。マンガの有力賞での候補作の重なりは今年も続いている。手塚治虫文化賞は日本のマンガ文化の発展を目指し、1997年に手塚治虫の業績を記念して創設された。マンガ大賞の他に斬新な表現と画期的なテーマと才能を顕彰する新生賞、短編やコママンガを対象とする短編賞、さらにマンガ文化の発展に寄与した個人と団体を対象にした特別賞が贈られる。手塚治虫文化賞/http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/「マンガ大賞」 最終候補作品■ 『逢沢りく』 ほしよりこ ■ 『アオイホノオ』 島本和彦 ■ 『暗殺教室』 松井優征■ 『銀の匙 Silver Spoon』 荒川弘 ■ 『聲の形』 大今良時 ■ 『五色の船』 漫画:近藤ようこ 原作:津原泰水■ 『チェイサー』 コージィ城倉 ■ 『NARUTO-ナルト-』 岸本斉史■ 『平成うろ覺え草紙』 洞田創
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