「ダム・キーパー」米国アカデミー短編アニメ部門ノミネート 2年連続で日本人アーティスト | アニメ!アニメ!

「ダム・キーパー」米国アカデミー短編アニメ部門ノミネート 2年連続で日本人アーティスト

第87回米国アカデミー賞には高畑勲監督に加えて、もう一人の日本人監督作品がノミネートされた。米国の『ダム・キーパー(The Dam Keeper)』である。

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Photo by Kevin Winter/Getty Images
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  • (C)2015 AcademyofMotion Picture Arts and Sciences
1月15日に、米国・ロサンゼルスにて映画芸術科学アカデミーが発表した第87回米国アカデミー賞のノミネートが、世界中のメディアで話題を呼んでいる。日本からは高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が長編アニメーション賞に名前が挙がり大きなニュースだ。
これに加えて本年はもう一人の日本人監督作品が、ノミネートされているのに注目したい。短編アニメーション賞に挙げられた『ダム・キーパー(The Dam Keeper)』である。監督は日本人の堤大介と日系米国人のロバート・コンドウが共同で務める。米国作品であるため、国内では『かぐや姫の物語』に比べるとやや目立たないかたちなのが残念だ。
短編アニメーション賞の日本人のノミネートは、前回『九十九』で名前が挙がった森田修平に続き2年連続である。アニメーション部門での日本人アーティストの継続的な活躍が続く。

『ダム・キーパー』は、ピクサー出身の両監督によるオリジナル作品。CGアニメーションではあるが、手作りで肌触りを感じさせる映像になっている。
大気汚染に覆われた世界から人知れず街を守ってきた豚の少年と、絵を描くことが好きで天真爛漫な転校生のキツネとの交流を描く。短い時間で大きな物語を描いているのが特徴だ。映画はこれまでにニューヨーク国際チルドレン映画祭の観客賞、トロント国際チルドレン映画祭の審査委員賞など数々の賞に輝いている。米国アカデミー賞でも活躍が期待される。

『ダム・キーパー』以外のノミネートは、4作品が選ばれている。『愛犬とごちそう(Feast)』は、劇場で『ベイマックス』と同時上映されたディズニーのCGアニメーション。犬と食事がテーマになっている。
『Me and My Moulton』はノルウェーからだ。イラストレーションのようなスタイルで、少女の世界の関わりかたを描く。監督のトリル・コーバは、2006年に『The Danish Poet』で、すでに米国アカデミー賞に輝いており、ノミネートは3度目である。
『The Bigger Picture』はオランダのCGアニメーションだ。年を老いた母親についての二人の兄弟の議論がテーマになっている。壁に描いたような絵をCGで動かす表現が特徴の英国の作品である。

最優秀賞の受賞作の発表は他部門と同様に、2015年2月22日にハリウッドにあるドルビーシアターで開催される授賞式で発表される。
長編部門以上に先の読めない短編部門だけに、オスカーの行方が注目を集めそうだ。

第87回米国アカデミー賞
(ACADEMYOFMOTIONPICTUREARTSANDSCIENCES 87thANNUALACADEMYAWARDS)
/http://www.oscars.org

短編アニメーション賞ノミネート作品(Animated Short Film) 
■ 『ダム・キーパー(The Dam Keeper)』
Robert Kondo and Dice Tsutsumi
■ 『愛犬とごちそう(Feast)』
Patrick Osborne and Kristina Reed
■ 『Me and My Moulton』
Torill Kove
■ 『A Single Life』
Joris Oprins
■ 『The Bigger Picture』
Daisy Jacobs and Christopher Hees
《animeanime》
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