『攻殻機動隊ARISE border:4』 茅野愛衣さんインタビュー前編 “ブリキ”と“カカシ”に注目してください | アニメ!アニメ!

『攻殻機動隊ARISE border:4』 茅野愛衣さんインタビュー前編 “ブリキ”と“カカシ”に注目してください

『攻殻機動隊ARISE border:4』が9月6日より期間限定劇場上映される。本作でキーとなるのが素子を継ぐ者として登場するツダ・エマだ。エマを演じる茅野愛衣さんにエマと『攻殻機動隊ARISE』への想いを伺った。

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『攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone』が9月6日より期間限定劇場上映される。2013年初夏に幕を明けた、主人公・草薙素子が、公安9課に入る前、陸軍義体化部隊「501機関」での活躍を描いた4部作が、ついに終わりを迎える。
『border:4』でキーとなるのが、クルツが素子の後任としてスカウトした戦災孤児、ツダ・エマだ。『border:3』ですでに姿を見せていたが、本格的な活躍は本作からになる。エマを演じる茅野愛衣さんにエマと『攻殻機動隊ARISE』最終話への想いを伺った。
[取材・構成=川俣綾加]

■ エマはマネキンのようだけど、感情移入できないのとは違う

―アニメ!アニメ!(以下、AA)
エマはとても謎の多い女の子だと思うのですが、役に決まった時のエマの印象はいかがでしたか?

―茅野愛衣さん(以下、茅野)
マネージャーからエマ役に決まったと聞いて、どんな子なのかなと公式サイトを見に行ったのですが「謎の少女」という説明しか無くて、とにかく謎めいていましたね。
特に監督からも詳細な説明を受けてなくて、それはもしかしたら知る必要もあまり無い状態なのかなと。台本を読んでも、この子はどういう感情で、どんな風に表現するのかがすごく難しかったです。なので、作り込んで行くというより、現場に行ってから考えようと思いました。

―AA
現場に入ってから「こうして欲しい」といった指示があったのでしょうか。

―茅野
「では、どうぞ!」みたいな感じです。あまり考えすぎずフラットに入っていくのが良かったのかもしれません。ニュートラルな状態というか。感情が高ぶったり落ちたりすること無く仕上がりました。

fd

―AA
『border:3』にも少しだけエマは登場していて、その時点ですでにエマの声の外殻はできあがっていたと思います。どんな風にイメージを膨らませたのか教えてください。

―茅野
ビジュアルからですね。「こんな性格で、こんな設定だから……」と作り込むより、自然に見た目の印象から受けたイメージで進めて、そのまま進めさせていただきました。実は17歳っていうのも後から知ったんです。台本を読み進めていくうちに「あ、17歳だったんだ!」と気づくくらい、見た目で演じています。
『border:3』に出た時にロジコマ役の沢城みゆきさんに「茅野くん、そのままだね」と言われて、「私ってこんな風なんだ!?」と思ったのを覚えています(笑)。

―AA
エマのマネキンのような抑揚の無い感じのキャラクターだと、役に没入するというより客観視しながら演じた、ということでしょうか。

―茅野
そうですね。私は生身の人間なので、エマの気持ちがわかるかと言われたら難しくはあるんですけども、彼女に共感するというより、ブリンダジュニア(*)に対する想いを一緒に持てればいいなと思いました。
*『border:4』から登場する謎のキャラクター。CVは小野賢章 さん。

fd

―AA
アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?

―茅野
『border:3』ではみなさんとご一緒させていただいたのですが、今回は完全に別録りだったんです。ブリンダジュニアも1人だけで収録したみたいで、エマもブリンダジュニアも掛け合い、というより訥々と語る感じなので、エマとしてはブリンダジュニアのことだけを頭の中で考えながら演じました。

―AA
ブリンダジュニアとエマ、この2人のセリフはタイミングがすごく難しそうなシーンが多いですよね。

―茅野
そうなんです。けっこう長セリフもある上に、間の取り方とか私が好きなタイミングで喋っているのですが、私より後に収録した小野さんは難しかったかもしれません。「小野さん、すみません!」 
でも、実際に先ほど完成した本編を見たらすごくピッタリ合わさっていて、本当に素晴らしかったです。「これくらいの秒数で」とセリフの長さに決まりはあるものの、感情を込めて言えば短くなるセリフもエマは淡々と言うのでなかなか短くならなくて、そういった面での難しさはありました。彼女のマネキンのような雰囲気と、でも感情移入できないのとは違う、間の微妙なところで演じられるようにしたいと思って演じたので、そこが声から伝わると嬉しいです。

―AA
お話を伺っていると、エマというキャラクターも、『攻殻機動隊ARISE』も、これまで茅野さんが出演された作品とガラリと印象が違うように思えます。

―茅野
すごく言い方が難しいのですが、ドラマ感というか、実写感があるというか。人間らしい、海外ドラマのようというか。歴史のあるアニメーションなので、そういった作品に携われてありがたく感じます。

(後編に続く)

『攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone』
9月6日全国劇場上映開始(2週間限定)

/http://kokaku-a.jp/

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《animeanime》
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