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一般公募でキャストを募集!倍率は800分の1!『ハマトラ』に見るキャストの探し方

高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義:■ 狭き門をくぐり抜ける、オーディションは一見和やかだけど、審査員の厳しい視線を浴びて演技する

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高浩美のアニメ×ステージ&
ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

■ 狭き門をくぐり抜ける、オーディションは一見和やかだけど、審査員の厳しい視線を浴びて演技する

オーディションが行われたのは6月の梅雨時。応募は約800通。ここから書類審査に通ったのは140名。オーディションは3日かけて行われた。基本的な素養はもちろん、キャラクターに合っているかどうかが重要なポイント。某日のオーディションを見学させてもらった。

まず、ダンス。振り付けそのものはごく簡単なものである。ちょっとしたところでその人のセンスが見えてしまう。最初は全員踊り、それから2人ずつ踊る。一見和やかに進んでいくが、やはりオーディション、ダメだしもあった。客観的に見ても、せめてダンスの基礎は積んでおかないとここで差がついてしまうのは明白。
次に番号順に呼ばれ、まず歌。これは自分の好きな歌を歌うのだが、なかにはアカペラで歌う者も。それから与えられた台詞を言う、そして自己PR。ここで特技等をアピール。“殴られ役が上手いです”と言ったとたんに軽く叩かれる場面も。また、ダンサー経験がある、アクション経験のある等のアピール。アピールの仕方にも個性が見える。審査員席の笑いを取る者もいた。

それから今度は2人1組で台詞を言う。つまり、簡単な演技、である。1人で言うのとは違い、たまたま同じ空間に居合わせただけで、いきなり組んで芝居、という状況。滑舌は言う迄もなく、息の合わせ方、瞬発力で芝居を、しかも見ず知らずの人と芝居。考えてみると、これはかなりハードルが高い
。これで所要時間は約1時間程度。1グループ10人程度なので、1人にかける時間は短い。ここで実力を出せないと狭き門なのでオーディション通過は難しい。

結果、役をゲット出来たのはたった1名。金井裕介、ガスケ役にキャスティング。実はたまたま見学していたグループにいらしたのだが、歌唱力もあり、ダンサー、及びナレーション経験があることをアピールしていたのが印象的だった。その他、役をゲット出来なかったがアンサンブルで何名かが採用になった。実に800分の1の確率。初めてキャラクターメイクした姿はちょっと初々しい印象であった。

初日を控えた8月某日、稽古場で衣装をつけての通し稽古が行われた。稽古を始める前に全員で円陣を組んで“オー!!!”と勢いをつけてから稽古開始。
どのキャストも本番さながらに行っていた。ガスケ役、出番は決して多い方ではないが、物語の重要な一部分を担う。稽古でも的確な芝居で脇を固めていたのが印象的であった。
《高浩美》
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