日本2.5次元ミュージカル協会 オープンセミナーで活動方針、展開を明らかに | アニメ!アニメ!

日本2.5次元ミュージカル協会 オープンセミナーで活動方針、展開を明らかに

5月29日、恵比寿にて日本2.5次元ミュージカル協会初のオープンセミナーが開催された。協会設立の国内外の反響、これからの活動を詳細に説明する場としてである。

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5月29日、恵比寿にて一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会初のオープンセミナーが開催された。3月のアニメフェアにて会見が行われたが、今回は協会の主旨や2.5次元の舞台の現状、協会設立の国内外の反響、これからの活動を詳細に説明する場としてのオープンセミナーである。

まず、代表理事でネルケプランニングの代表取締役松田誠が登壇、協会の今後の活動や方針を語った。
目立った発言では協会メーリングリスト会員「2.5フレンズ」を募集する、とのこと。これに登録すると協会から全国の2.5次元作品の公演情報やチケットの先行販売などのメールが届く仕組みになっている。7月上旬より様々な公演にてチラシ等宣材物を用いてプロモーション展開していく。もちろんHPでも全国の公演情報を一覧にする、とのことである。

松田代表理事によると日本は世界第3位のミュージカル大国であるが、ミュージカル人口は日本国民の約1%にすぎないとのこと。つまり、市場開拓の余地は充分にある、と言える。これからは観客のニーズを積極的に調査していきたいという。
そのためには積極的にセミナーを開催する、ネットワークの構築、また、劇場を半年間借り切って次々と2.5次元ミュージカル作品の連続上演を試みたいとも語る。そして新しいコンテンツを探して積極的に舞台化し、新しい客層を開拓したいと語った。

海外に対しては、作品のカタログ化はもちろん、コンベンションにも積極的にブースを出していくそう。早速、今年の7月2日~6日にパリで開催されるJapan Expo、7月3日~6日にかけてロサンゼルスで開催されるAnime Expo 2014そして7月25日~27日にロンドンで開催されるHyper Japan 2014 に協会としてブースを出展する。
協会の宣伝はもとより、世界のファンに向けて「2.5次元ミュージカル」の紹介を行い、今後の招聘公演やローカライズ公演の実現に向けてビジネスネットワークを広げると共に現地ファンに向けて2.5次元ミュージカルの魅力をアピールする。

また6月中旬に代表理事の松田誠が上海の2つの大学(上海視覚芸術大学と上海戯劇学院)にて演劇・ミュージカルを学ぶ学生に向けて、日本のミュージカル市場や日本2.5次元ミュージカル協会の展望について講義を行う予定となっている。
現在、上海では劇場開発ブームが起こっている。またジャカルタには1300席の劇場等があると言う。アジアにはビジネスチャンスがあると言える。海外公演、実現するとしたらアジア、というのは現実味がある。世界マーケットは30億人、一番のコンテンツはマンガやアニメ、というのはもはや疑う余地はない。しかもライブエンタテインメントはコピーが出来ないコンテンツ。ライセンスビジネス展開はすぐそこに来ている。

また理事の堀義貴(株式会社ホリプロ代表取締役)、中山晴嘉(株式会社マーベラスAQL代表取締役)、井上俊次(株式会社バンダイナムコライブクリエイティブ代表取締役)、本間道幸(株式会社ぴえろ代表取締役)、黒岩克巳(エイベックスライブクリエイティブ株式会社代表取締役)、伊藤達哉(有限会社ゴーチ・ブラザーズ代表取締役)が次々と登壇、業界の現状やそれぞれの意見を述べた。
黒岩は「ライブエンタテインメントに足が向く様になってきている」と語る。伊藤は「久々に未来を感ずる企画」と言う。一方で堀は「海外へのスケジュール感、早くて2年、長くて5年かかる事業」と言う。新しいタイトルならそのくらいはかかるかも、ということであろう。

「早いスピード感で日本公演に続けて海外へ。ツアーとして東京~大阪~福岡~上海、みたいに回って行けたら」と松田は言う。実は日本、とりわけ東京は劇場が足りてない、という状況がある。2018年ぐらいまで埋まっているのが現状である。そういったことを踏まえての海外展開、という側面もある。
実はインターネットの発達により、想像以上にタイトルが浸透しているものもある。例えばミュージカル『薄桜鬼』は上海の若者は既に知っている、と言う。またニコニコの有料配信もある。知らない内に、海外での2.5次元ミュージカルの認知度が上がっている、という状況も見逃せない。どのくらいの認知度があるのか、未知の部分は多いが、いずれにしても2.5次元ミュージカルにとって追い風が吹いている。ただの一過性のブームに終わるのか、2.5次元ミュージカルをパーマネントコンテンツとして成長させ、海外のライブエンターテインメント界を席巻させるかは、協会のメンバーにかかっている。
なお、今回のセミナーはマスコミ陣含めて150人以上が参加、関心の高さが伺える。今後の動向に注目したい。
[高浩美]

一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会
/http://www.j25musical.jp

今後のセミナー日程(協会会員向け・隔月開催)
7月24日(木)「2.5次元舞台への海外からの期待」
[登壇者]
堀義貴(協会理事)、岡本美津子(協会キュレーター)
9月25日(木)「マンガが舞台作品に変換される時」
[登壇者]
中山晴嘉(協会理事)、本間道幸(協会理事)
《animeanime》
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