「ジョバンニの島」初日舞台挨拶 西久保瑞穂監督「素直に見て感じてもらえたら」 | アニメ!アニメ!

「ジョバンニの島」初日舞台挨拶 西久保瑞穂監督「素直に見て感じてもらえたら」

長編アニメ映画『ジョバンニの島』が2月22日に初日を迎えた。恒例の初日舞台挨拶が新宿ピカデリーで行われた。

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第二次世界大戦直後に色丹島で起きた悲劇、そして日本人とロシア人の交流を描いた長編アニメ映画『ジョバンニの島』が2月22日に初日を迎えた。
丁寧に描かれた良質のアニメとして、すでに多くの人から注目される映画だ。先ごろはニューヨーク国際児童映画祭コンペティション部門に出品決定する話題もあった。

公開初日となった2月22日には、東京・新宿ピカデリーで恒例の初日舞台挨拶が行われた。壇上に姿をみせたのは、市村正親さん(瀬能辰夫役)、仲間由紀恵さん(佐和子先生役)、横山幸汰さん(瀬能純平役)、谷合純矢さん(瀬能寛太役)さんといった役者たち。
そして、原作・脚本の杉田成道さん、西久保瑞穂監督も登壇した。初日に相応しい豪華な顔ぶれだ。

『ジョバンニの島』は、「忘れてはいけないこと」をテーマに、実話をもとに描かれた。第2次世界大戦後の色丹島を舞台に、家族との別れやロシア人少女との淡い初恋など、幼い兄弟の生き抜く姿が描かれている。
アニメーション制作はプロダクション I.Gで、日本のトップクラスのアニメーターが集結した映像は必見だ。音楽や役者の声の演技とみどころ満載だ。

そんな作品について、市村さんは自身も2児の父親であることからこう話した。
「好きなシーンはいっぱいあるけれど、子供たちが父親に会いに来てくれるところはやはりジーンとくる。あそこは好きですね。冒頭で子どもたち二人がエトピリカ(海鳥)の卵を獲りに行っておしっこをかけられるシーンはうちの長男のお気に入りです」。
また、自身が演じた父親役については、「辰夫は厳格な感じですが、僕は厳格ではないのでその辺は演技力でカバーしました」と冗談を交えて話すと会場は笑いに包まれた。

仲間さんは「声だけのお芝居で緊張して臨みました。(原作・脚本の)杉田さんの熱い演出を受けて無事乗り切る事が出来ました。今観終えたばかりで涙をこぼした方もいると思います。とても素敵な作品でたくさんの人に伝えて届けて残していきたいと思える作品です」と丁寧に客席を見渡しながら語った。

原作者の杉田さんは、本作のエピソードも紹介する。仲間さんが演じた佐和子先生にはモデルがいるという。
「現在92歳で佐和子先生のモデルである先生もいらっしゃって『大変感動的で、冥土のみやげになりました』と言ってくださいました」と。さらに根室で元色丹島の島民に映画を観てもらったことを紹介した。「この作品が突破口となって、10年20年といろんな方にバトンを渡していけたらなと思います」。

そして西久保監督は「物語は純平の回想のもとになっているので、(モデルになった)得能(宏)さんの記憶が基になっています。日本も世界もそうだが戦争を追体験してもらえたらと思って作りました。素直に見て感じてもらえたらと思います」と挨拶を締めくくった。
[真狩祐志]

『ジョバンニの島』
全国公開中
/http://www.giovannimovie.com/
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