数々の傑作を世に送り出してきたP.A.WORKSが、この夏に満を持して届けるのが、アニメ『有頂天家族』だ。7月7日のTOKYO MX、KBS京都、サンテレビより順次放送開始される。その放送に先駆け、6月16日に京都・南座にて早くも先行上映イベントが行われた。主演の櫻井孝宏さん、そして諏訪部順一さん、吉野裕行さん、中原麻衣さん、能登麻美子さんら人気声優が登壇した。さらに原作者のの森見登美彦さん、吉原正行監督さん、P.A.WORKS代表の堀川憲司さんと豪華な顔がぶれとなった。『有頂天家族』は、森見さんの人気小説を原作にアニメする。原作小説は累計25万部突破のベストセラーだ。キャラクター原案は『さよなら絶望先生』や『じょしらく』などのマンガを描いていることで知られる久米田康治さん、アニメ制作のP.A.WORKSは、『true tears』、『花咲くいろは』、『TARI TARI』などヒット作を多く生み出してきた。本作では、狸と天狗と人間が入り乱れて繰り広げる波乱万丈のコメディドラマが繰り広げる。また作品の舞台は京都となる。そこで今回、先行試写会の会場に、南座が選ばれた。南座でアニメイベントが開催されるのは、史上初である。当日の来場者は1000人、満員御礼で場内は3階席までぎっしり埋まった。浴衣姿の艶やかな女性も見られ、満を持して声優陣が登場すると割れんばかりの歓声とともに黄色い声も南座を揺らした。 イベントは各キャストの挨拶でスタート、プロモーション映像上映が続き、そしてここで、井上喜久子さんのメッセージ映像が流された。井上さんは主人公・下鴨矢三郎の母を演じるが、今回イベントに参加出来なかった。挨拶では「井上喜久子、17歳です。おいおい(笑)」とお約束のフレーズもあり、会場を和ませた。森見さん、吉原さん、堀川さんは、この後の第1話先行上映後に登壇した。ここで原作誕生のきっかけ話や長期滞在でのロケーション取材の裏話、さらには数々のロケハン写真を見ながらの舞台解説などのエピソードが語られた。 その後、声優陣とスタッフ全員が、ファンから質問にユーモアを交えながら答えていった。最後に京都府のご当地キャラ、まゆまろから登壇者に花束が贈呈された。フォトセッションでは、櫻井の音頭のもと観客が「下鴨屋~!」と、歌舞伎の本場に倣った掛け声が飛んだ。こうして南座史上初となるアニメイベントは大盛況のうちに幕を下した。 『有頂天家族』2013年7月より、放送開始/http://uchoten-anime.com/[キャストコメント] 櫻井孝宏さん (下鴨矢三郎役) 「京都には修学旅行で初めて来て以来、時々ひとりでふらっと来るんですよ。ぼんやりできる好きな街ですね。僕の演じる矢三郎も、ふんわり、ぼんやりとした憎めないキャラなんです。だから作りすぎず自然体で演じられました。この作品を見て「京都に行きたいな」と思ってもらえると嬉しいですね。」 諏訪部順一さん (下鴨矢一郎役) 「(南座の舞台は)本当にいい眺めです。いい体験をさせていただきました。矢一郎は長男で、弟たちを思いつつ偉大な父の後を継ごうとするんですが、責任感が空回りして「イーっ」となるいいキャラなんです(笑)。家族愛を描いた、本当に心温まる作品なので…ほんまにええ話やで~。」 吉野裕行さん (下鴨矢二郎役) 「カエルの矢二郎です。井戸に引きこもってます(笑)。1話から活躍してますので。今日はすごく緊張しました。だってはじめてじゃないですか、南座でアニメのイベントって。原作を読まれている方もアニメから入られた方も、最後まで見ていただければ何か残ると思いますので、是非楽しんでください。」中原麻衣さん (下鴨矢四郎役) 「京都という街は趣がありますよね。おばあちゃんの家に来たみたいな、くつろいだ気持ちになれるところで。矢四郎もお兄さんたちに愛されていて、おんぶにだっこな、にぎやかし(笑)のようなキャラクターなんです。あまり物語の本筋には関係しないかな? でもやるときはやるぞ、と。」能登麻美子さん (弁天役) 「ひと言で言うと、弁天はちょっと敵にまわしたら恐ろしいかな(笑)。何を考えているか今ひとつつかめないキャラクターで。矢三郎との関係にも注目して見てもらえるといいなと思いますね。作品としてもファンの方々に楽しんで見ていただけると、とても嬉しいですね。」 吉原正行監督 「(第1話のクオリティの好評を受けて)最後までこのテンションをもたせられるかな…(笑)。原作を読んだ時に思ったのは「これアニメにするの? 大変だな」と。原作ファンとの共有できる画面をどう作ろうかと考えて、1ヶ月くらいロケハンして、取材写真は1万枚を超えたと思います。期待してください。」堀川憲司さん (P.A.WORKS代表) 「通常、ウチが手がけた作品のファンはほとんど男性なので今日は(観客を見て)「本当にウチの作品なのか?」と驚きました。原作を読んで涙して、わくわくして、映像化するならアニメしかないなと。 先生の記憶の中にある美しい京都を描きたいなと思います。」森見登美彦さん(原作者) 「アニメ版を観て、京都の町が美しく、作品の中に引き込まれました。学生の頃、京都にいたのですが、たまたま狸が走っていったのを見て、いずれ書きたいなと思ってたんです。で、狸だけじゃなく天狗もからめたいなと。自分の青春とはかなり違いますが、他の作品と比べて特別な作品なんです。」
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