京都国際マンガ・アニメフェア 山本寛監督が新産業創出を語る | アニメ!アニメ!

京都国際マンガ・アニメフェア 山本寛監督が新産業創出を語る

京都市勧業館(みやこめっせ)にて、「京都国際マンガ・アニメフェア2012(京まふ)」が開催されました。ビジネスデーの様子をレポートします。

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京都市勧業館(みやこめっせ)にて、「京都国際マンガ・アニメフェア2012(京まふ)」が開催されました。ビジネスデーの様子をレポートします。

「京都国際マンガ・アニメフェア2012」は、関西圏企業と首都圏企業を結ぶビジネスマッチングの場の創出、関西で優秀な若手クリエイターが育つための市場づくり、マンガアニメファン及び外国人も含めた観光客の新たな層の掘り起こしなど、関西圏のコンテンツ市場の促進を狙って開催されたコンテンツの総合見本市。
今日21日はビジネスデーということで、事業者やライセンサー企業のPR、商談会が主に行われたほか、マンガやアニメを中心としたビジネス展開に関するビジネスセミナーが行われました。

■マンガ・アニメによる新産業創出とは
ビジネスセミナー1枠目では、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「かんなぎ」で知られるアニメーション監督の山本寛さんと、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉さんが登壇。「伝統ある国際観光都市、京都のまちが、なぜマンガ・アニメとコラボして新産業を創出するのか、国際的にどのような効果があるのか?京都のまちにおけるマンガ・アニメのコラボによるシティセールスの可能性とは?」というテーマで京都発の産業創出について語られました。

山本さんは、京都大学卒業後に地元企業である京都アニメーションに入社したことを背景に自身も京都に縁が深いと述べ、太秦や東映、大映など京都という土地が映像産業において発信地であるという土壌が存在することを解説。京都は若い学生があふれる街で、街全体に学生をバックアップするシステムがあることによって新しいコンテンツが生まれやすいとも語られ、これは東京には真似できない強みであると主張されました。また、現場の視点からは、アニメ産業は芸術ではなく商売であるので地元とのつながりや、自治体などのバックアップが必要であるとも述べられました。

そして、京都は性格上何処かつつましやかで、「はんなりしている」とも表現。アニメやマンガで同じく「まちおこし」を行なっている札幌や徳島を例に出し、もっと貪欲に自治体が展開していくべきだとも主張されました。

質疑応答では、日本国内において放送局によってアニメの放映が遅れたり、あるいは放送されないといった事が起きている「アニメの地方格差」についての質問が上がりました。

山本さんは、これは放送局の問題なのでとした上で、動画配信サイトでのネット配信がスタンダードになりつつある現状を説明し、「配信タイミングの遅れ」によって発生する話題やネット世論などのビジネスチャンスも戦略的に取り込む必要があると述べられました。

■『戦国BASARA』にみるご当地コラボレーション
ビジネスセミナー2枠目では株式会社プロダクション・アイジー企画室執行役員の郡司幹雄さんが登壇。郡司さんはカプコンの大人気ゲーム『戦国BASARA』のアニメを題材に、地方タイアップ商品展開を成功させる方法を解説されました。『戦国BASARA』シリーズでは戦国大名縁の地それぞれにタイアップ商品を展開、ご当地タイアップ物としては比較的、大成功を収めています。郡司さんは、成功の秘訣としてタイアップ商品の売れ行きよりも商品によって生まれる「ネット上の話題」の効果が非常に大きいという点を挙げられました。

タイアップ企画では、そのターゲット層から、テレビや新聞といったマス媒体よりもインターネットの方が影響力が高いと指摘。ネット上で効果的な「ネタ」になるタイアップ商品の有効性を『戦国BASARA』のタイアップ商品を例に紹介されました。

また、タイアップ商品を作る上でよくある失敗として、その作品への不理解という点が述べられました。『戦国BASARA』では、現実でも有名な「織田信長」のタイアップを望む企業が多くあったそうですが、「織田信長」よりも現実ではマイナーな武将である「長宗我部元親」といったキャラクターの方が作品の中では人気が高く、その事実を知らない企業などがタイアップ商品を展開しても損をするだけである、と指摘。アニメファンはひとつの総体ではなく、細分化された個々のクラスターの集合によって構成されているので、それぞれのニーズにあった商品を展開していくことの必要性が述べられました。

残念ながらセミナーはビジネスデーのみですが、ステージイベントも満載のパブリックデーが開催されますので、是非足を運んでみてください。

「京都国際マンガ・アニメフェア2012」は、京都市勧業館(みやこめっせ)ほかにて9月22日から23日にかけて開催。入場料は大人1,000円、中高生は500円、小学生以下は無料です。

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Official character designed by Kosuke Fujishima (C) Kosuke Fujishima

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《ひびき》
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