玩具メーカー大手のタカラトミーは、東京学芸大こども未来研究所と共同でリカちゃん人形を使った「ごっこ遊び」が子どもの発達にどのような影響を与えるのか分析・考察を行っている。その研究プロジェクト「リカちゃん ごっこ遊びラボ」が、中間報告として主な調査結果を発表した。今回の調査によれば、シンプルな人形遊びに見える「リカちゃん遊び」だが、子どもたちの遊ぶ様子を観察すると基本的な遊びと同様に幅の広いものだということがわかった。子どもたちがシチュエーションや発達の段階に応じて遊び方を広げている様子が確認できた。まず1歳ぐらいからリカちゃんを意識せずに代理品として使う「見立て遊び」がはじまる。2歳になるとリカちゃんを相手=他者として扱う「ふり遊び」が、3歳を過ぎるとメーキャップやドレスアップをしたりリカちゃんになりきって操作する「なりきり遊び」をはじめるようになる。成長するにつれ様々な遊び方を行っていることが明らかになった。また集団で遊ぶ場合も、4歳ぐらいからは互いにリカちゃんを操作して世界を作り上げる「見立て遊び」をする。5~6歳になると互いに母と子などのを演じて遊ぶ「役割遊び」を行うようになる。調査結果では、これらの多様な「リカちゃん遊び」が子どもの発達に必要な能力の獲得につながっているとしている。リカちゃん人形が自己認識能力や社会性、なりたい将来像などを得る手助けをすることが証明されたかたちとなる。玩具を与える親には、うれしい結果が報告されている。1967年に誕生した着せ替え人形「リカちゃん」は、2012年に誕生45周年を迎えた。発売当初から年齢や家族、友達などのプロフィール設定がされているのが特徴で、そのことも多彩な遊び方ができる理由の一つだろう。常に時代ごとの流行を取り入れながら親子二世代三世代にわたって愛され続けている。今後も「リカちゃん ごっこ遊びラボ」はより多くの調査を実施していく。研究の最終報告は11月を予定している。[高橋克則]リカちゃん公式サイト/http://licca.takaratomy.co.jp/
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