3月30日、東京・お台場のフジテレビ本社25階 球体展望室にて、2012年の「ノイタミナ ラインナップ発表会」が開催された。発表会は、フジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」の最新情報と今後のラインナップ紹介するものだ。近年、ノイタミナのラインナップ発表会は、凝った仕掛けをすることが多い。ニコニコ生放送にて全国に届けられた今回の発表会も、そんなファンの期待に応えるものだった。発表会の中心となったのは、音楽だった。これは4月放送直前の『坂道のアポロン』がジャスをテーマにしていること、そして『つり球』に栗コーダーカルテッットを起用するなど、両作品に音楽が深く関わっているためだ。ステージにはピアノとドラムが設置され、まず、オープニングとしてジャズピアニスト松永貴志さん、ドラマー石若駿さんが登場する。いずれも『坂道のアポロン』音楽を担当する菅野よう子さんが抜擢した若手の才能だ。実はふたりは、それぞれ『坂道のアポロン』の中に登場する薫と千太郎の音楽パートも担当している。披露されたセッションは、まさに作中から飛び出したかのような印象を与えた。『つり球』からも、音楽を手掛ける栗コーダーカルテットが出演。素朴で軽快な音楽が特徴だ。少し不思議で、そしてちょっとしたゆるさが持ち味の『つり球』にぴったりの起用である。それでも栗コーダーカルテットによれば、『つり球』の不思議な世界観を出すために普段はあまり使わない楽器も本作の音楽に取り入れたという。栗コーダーカルテットのファンにも、アニメのファンも必聴の劇伴となりそうだ。発表会の最後には、松永貴志さん、石若駿さん、そして栗コーダーカルテットによる異例のセッションも飛び出した。アニメ作品の発表会とは思えないこうしたシーンは、新しいものに挑戦をするノイタミナらしいものと言えるだろう。発表会を盛り上げたのは音楽だけではない。魅力的なキャスト陣も同様だ。『坂道のアポロン』からは、薫役の木村良平さん、千太郎役の細谷佳正さん、そして律子役の南里侑里さんが登壇した。本作に対する思いや、舞台となる九州の佐世保弁をマスターする苦労などを語った。一方、『つり球』からは、ユキ役の逢坂良太さん、ハル役の入野自由さんが出演した。本作の印象などを紹介した。ラインナップで発表されたのは、2012年4月期、7月期、10月期の各2作品、合計で6本である。今回、大きく取り上げられた4月期の『坂道のアポロン』、『つり球』、それに7月期の『もやしもん リターンズ』は事前に告知されてた。さらに会場で、『夏雪ランデブー』(7月期)、『ロボティクス・ノーツ』(10月期)、『PSYCHO-PASS サイコパス』(10月期)が発表された。『もやしもん リターンズ』は、石川雅之さんの人気マンガを原作とする。2007年に一度ノイタミナでアニメ化されており、今回で二度目のTVアニメ化となる。さらに実写ドラマを含めると3度目の登場だ。『夏雪ランデブー』は河内遙さんの人気マンガを松尾衡監督のもと映像化する。『ロボティクス・ノーツ』は、5pb.のゲームソフト科学アドベンチャーシリーズの第3弾『ROBOTICS;NOTES』をテレビアニメ化するものだ。いずれもかなり異なった個性を発揮する。もっとも謎に満ちていたのは、タイトルと銃が映った短いPVのみが公開された『PSYCHO-PASS サイコパス』だろう。詳細は今後、順次発表されることになりそうだ。先鋭的な映像やハイクオリティ作品、話題作を次々に送り出す、今年4月で丸7年目を迎えたノイタミナから、まだまだ目が離せない。ノイタミナ 公式サイト http://noitamina.tv/
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