バンドデシネやアメリカンコミックスなど、海外作品の日本紹介に積極的に取り組んできた小学館集英社プロダクション(ShoPro)が、新たな名作を12月17日に発売する。フランスのバンドデシネ(BD)の巨匠と知られるスクイテンの『闇の国々』である。 スクイテンはその圧倒的な画力で、メビウス、エンキ・ビラルと並び称されるほどの人気を世界各国で博している。繊細な描線の表現や計算しつくされた構図が持ち味で、特に、建築物や都市の描写に関しては、右に出る者がいないと言われている。 『闇の国々』は、そのスクイテンの代表作として知られている。現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群〈闇の国々〉を舞台に、奇妙な事件の数々が繰り広げられる。細密画のようなアートにより奇想天外なSFが展開する。 シリーズは、現在までに正編12巻、番外編12巻が出版されている。また、これらは世界各国10以上の言語で翻訳をされている。 しかし、これまでに日本での単行本出版はなかった。今回はシリーズ初邦訳として、シリーズ中でも特に傑作として名高い3作品、『狂騒のユルビカンド』、『塔』、『傾いた少女』をまとめた。翻訳は古永真一さん、原正人さんが手がけた。厚さ400ページものボリュームが圧巻だ。価格は税込み4200円となる。 小学館集英社プロダクションは、近年関心の高まっている海外コミックスの出版に力を入れている。フランスの作品では今年9月にアニメーション映画『ペルセポリス』の監督としても知られるヴィンシュルスの話題作『ピノキオ』を発売、7月にはスペイン発の傑作『皺』(パコ・ロカ作)といった注目の作品をリリースしている。 『闇の国々』 作: ブノワ・ペータース 画: フランソワ・スクイテン 訳: 古永真一・原正人 定価: 4200円(税込) 発売日: 2011年12月17日頃小学館集英社プロダクション /http://books.shopro.co.jp/
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