「つみきのいえ」を生んだROBOT スタジオCAGEの特集上映 | アニメ!アニメ!

「つみきのいえ」を生んだROBOT スタジオCAGEの特集上映

 今年2月に加藤久仁生さんが『つみきのいえ』で第81回米国アカデミー賞短編アニメーション賞の受賞は、日本アニメーションのクオリティーの高さを世界に示す大きな機会となった。アカデミー賞受賞は加藤久仁生さんの才能によるところが大きいが、その制作を支えたROBOT

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 今年2月に加藤久仁生さんが『つみきのいえ』で第81回米国アカデミー賞短編アニメーション賞の受賞は、日本アニメーションのクオリティーの高さを世界に示す大きな機会となった。アカデミー賞受賞は加藤久仁生さんの才能によるところが大きいが、その制作を支えたROBOTの存在も見落とすことが出来ない。
 加藤さんが受賞式で「サンキュー ROBOT」とお礼を述べたあの会社である。ROBOTは映像技術を起点にいまでは映像の企画、製作、流通にも携わる一大グループとなったイマジカ・ロボットグループの企業だ。『つみきのいえ』はそのなかで、クオリティーが高く、エッジの利いた作品を作る社内ユニット「アニメーションスタジオCAGE」で生まれた。

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          『つみきのいえ』 (C)ROBOT

 このアニメーションスタジオCAGEによる作品にフォーカスする特集上映会「ROBOT ANIMATION WORKS」が、8月8日から21日まで東京都写真美術館で行われる。上映作品は「アニメーションスタジオCAGE」の4人の作家、野村辰寿さん、加藤久仁生さん、稲葉卓也さん、坂井治さんの代表作20本になる。
 短編アニメーションと独立して作られたもの、テレビのコマーシャル、音楽番組と映像として作られたものなどその世界は多彩である。それを観ることで『つみきのいえ』のオスカー獲得が突出したものでなく、深い創作活動の積み上げの中で生まれたことが分かるだろう。それと同時に一般的には商業的でないと思われがちな短編アニメーションが、ビジネスの世界と連続しているという意外な側面も見えてくる。

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          Moon Boon 第1話『三日月島のモーとブー』(C)ROBOT

 アニメーションスタジオCAGEは、野村辰寿さん、加藤久仁生さん、稲葉卓也さん、坂井治さんといった4名の作家陣から構成されているが、作品ごとに各美大・芸大の在卒生も数名プロジェクトメンバーとして参加している場合もある。
 作家性の強い作品を専業として制作可能な体制が整っていることから、クリエイターにとって憧れのスタジオとして定評がある。

 加藤久仁生さんの『つみきのいえ』のほか代表作を順に挙げていくと、野村辰寿さんはフジテレビのアイキャッチとして放送されていた『ストレイシープ』やNHK教育のプチプチアニメ『ジャム・ザ・ハウスネイル』など、稲葉卓也さんはスキマスイッチのPV『アカツキの詩』やNHKの「ななみちゃん」のキャラクターデザインなど、坂井治さんはNHKのみんなのうた『金のまきば』や同じく『Po Po Looise』などである。
 坂井さんの『Po Po Looise』は、韓国のソウル国際マンガアニメーションフェスティバル(SICAF)2009のコンペティション部門にもノミネートされていた。

 アニメーションスタジオCAGEは、これまでアニメーション学会などでも精力的に紹介を行ってきた。昨年もヨコハマEIZONE2008やデジタルアートフェスティバル東京2008などで行っている。
 近いところでは東京藝術大学大学院映像研究科が主催する公開講座「馬車道エッジズ」の「現代映像プロデュース論」第1回で野村氏が行った。韓国のソウル国際マンガアニメーションフェスティバル(SICAF)2009でも特集が組まれている。

 上映は毎週月曜日の休映日を除く毎日行われる。入場料は大人1000円、中高生800円、小学生以下は無料となっている。
 また、8月8日に13時半の回と15時の回 終了後には、野村辰寿さん、稲葉卓也さん、坂井治さんによる舞台挨拶が行われる。さらに8月15日15時の回 終了後には、今回のアニメーション作家4人によるトークショーが行われる。いま最も注目される制作ユニット「アニメーションスタジオCAGE」を知るまたとない機会になるに違いない。

ROBOT ANIMATIONS WORKS
『つみきのいえ』とアニメーションスタジオCAGEの世界

/http://www.robot.co.jp/animationworks/
東京都写真美術館 /http://www.syabi.com/index.shtml

期間: 2009年8月8日~ 8月21日
劇場: 東京都写真美術館(※休館日:毎週月曜日)
上映時間: 10:30/12:00/13:30/15:00/16:30/18:00/19:30
料金: 一般・学生・シニア(60歳以上):1000円 /中学・高校生:800円/小学生以下:無料

【舞台挨拶/トークショー】
8月8日(土)
13:30の回と15:00の回 終了後(野村辰寿・稲葉卓也・坂井治による舞台挨拶
8月15日(土)1
5:00の回 終了後、野村辰寿・加藤久仁生・稲葉卓也・坂井治によるトークショー
(※8月15日 16:30の回は休映)

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