今年もフランスのアヌシー国際アニメーションフェスティバルが、6月8日から13日まで開催される。アヌシー国際アニメーションフェスティバルは、世界に数ある国際アニメーションフェスティバルの中でも、最も存在感が大きく注目されるものである。 昨年は、加藤久仁生監督の『つみきのいえ』がグランプリにあたるアヌシー・クリスタル賞短編部門で受賞し、一昨年は細田守監督『時をかける少女』長編作品特別賞を受賞するなど、日本人にも広く知られるようになって来ている。 そのコンペティション部門のうち、短編作品のノミネート一覧が先週公開された。最終審査に臨む国内作品は5作品である。 短編部門に長尾武奈氏の『チェーンソー・メイド』、テレビシリーズ部門に『ソウルイーター 第1話』と『うちの3姉妹 第1話』、学生部門に松田美那子氏の『日まわり草』と奥田昌輝氏らの『オーケストラ』が選ばれた。一方、昨年『Devour Dinner』でパノラマだった水江未来氏は、今年も『JAM』がパノラマとして上映される。なお長編部門のノミネート作品は今回発表されておらず、4月末の発表が予定されている。 YouTubeでも大人気の長尾氏の『チェーンソー・メイド』は、国内ではTBS主催の第10回DigiCon6で優秀賞を受賞している。この際作品は、第10回DigiCon6の審査員だった楳図かずお氏らから大絶賛された。 しかし、暴力表現が含まれていることから、他のコンテストでは止む無く選考から外されてしまっている。もしアヌシーで受賞すれば、タブー視するわけにはいかなくなるのではないだろうか。 奥田昌輝氏らの『オーケストラ』は、東京国際アニメフェア2009の第8回東京アニメアワード公募部門でも入選している。 その第8回東京アニメアワードの表彰式が行われた20日は、東京国際アニメフェア特設ステージで加藤久仁生氏の『つみきのいえ』の特別上映も行われた。この特別上映は、第81回アカデミー賞の短編アニメーション部門でオスカーを獲得したことから急遽決定した。 クロアチアのザグレブ、カナダのオタワ、そして広島といった世界4大アニメーションフェスティバルのなかで最も歴史が古く、権威のあるアヌシー国際アニメーションフェスティバル。来年の第82回アカデミー賞の行方を巡る争いが、早くも静かに始まっている。【真狩祐志】アヌシー国際アニメーションフェスティバル /http://www.annecy.org/当サイトの関連記事/アヌシー国際アニメフェス 大賞に加藤久仁生「つみきのいえ」/アカデミー賞受賞「つみきのいえ」 東京国際アニメフェアでも上映/TBSの映像コンテスト 「第10回DigiCon6」受賞作品発表Annecy 2009 短編部門ノミネート作品(日本国内作品)短編部門 『チェーンソー・メイド』 長尾武奈テレビシリーズ部門 『ソウルイーター 第1話』 『うちの3姉妹 第1話』学生部門 『日まわり草』 松田美那子 『オーケストラ』 奥田昌輝、小川雄太郎、大川原亮パノラマ(選外) 『JAM』 水江未来 『瞑想』 大井文雄
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