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2005.07.22


Anime Expo 2005総集編 (1)

Anime Expoを語る前に、まずAnime Expoとは何ぞや?ということを説明しなければいけない。

 Anime Expo(AX)とは何ぞや?
 「米国で開催される日本アニメに特化した最大のイベントである。」
 これが、正しい答えだ。1992年にささやかに始まったAXは、非営利団体のSPJA(日本アニメ促進協会)の運営の元、毎年その規模を拡大し、今年はユニーク入場者で33,000人(おそらく延べだと10万人)に達している。この手のファンイベントはボルチモアのOTAKONやボストンのAnime BOSTONなど近年は米国内で急増中だ。
 しかし、AXが米国内で同種のイベントで突出した存在なのは、その歴史の長さだけではない。AXはビジネスの場としても米国アニメ界で特別なのだ。
 つまり、人が集まるから企業が集まり宣伝をする。企業が集まるから業界人が集まる。業界人の集まるところに情報が集まるというわけである。華やかなファンイベントの裏で生臭いビジネスや情報交換が繰り広げられているらしい。

 このAXの会場は、ロサンゼルスの郊外にあるアナハイムという街でやっている。ちなみにアナハイムといえば知る人ぞ知る、でも、知らない人は全く知らないがあの天下のディズニーランドの隣にある。
 日本ではアナハイムといえば、100人のうち97、8人の人がガンダムに出てくる宇宙世紀のビッグカンパニー「アナハイム重工」の名前を答えるだろう。しかし、ここアメリカではアナハイムと言えば、「ディズニーランド」というのが正しい答えだ。まあ、100人のうち5人ぐらいは日本アニメに毒されて、「やっぱアナハイムといえばモビルスーツでしょう」と言うかも知れないが、それは例外にしておこう。
 話がそれたが、そんなわけで会場の外で空を見上げるとディズニーランドのアトラクションが見える、ついでに少し先に行くと量産型ザクの製造工場が連なっているという、誠にナイスな場所である。

                  ( 1 /  /  )

《上記一部フィクションありです。(^^;》

アニメエキスポ2005 http://www.anime-expo.org

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Anime Expo 2005総集編 (2)

 会場の様子についても触れておこう。大会は、フィルム上映会、アニメの描き方を覚えようといった類のワークショップ、マスカレードとも呼ばれるコスプレ大会と朝から晩までやっているダンスパーティー、朝から晩までやっているカラオケコーナーにゲームコーナー、カードゲームコーナーなどなど。「朝から晩まで同じなら別にアナハイムでなくてもいいじゃん」とも思えるがみんな一緒というのが大事なポイントなのだ。
 それに忘れていけないのが、パネルと呼ばれる講演会形式のイベントである。このパネルはうまく選ぶと結構面白い。うまく選ばなくてもそれなりに面白い。というか面白過ぎる。内容によって参加層がかなり激しく変わるのだ。まあ、普通は日本から来たゲストの話ですとか、新作発表ですとか、結構、人が多くて和気あいあいなのだが運がよければ常ならぬ体験が出来る。
 例えばロボテックパネル。あ、ロボテックって日本で言うところの超時空要塞マクロスなんだけれど、米国風にアレンジされていて似て異なるものです。1980年代にマニア層に人気を博したのだが...、つまり、ファンは濃い~おじさんたちなのだ。
 おかげでかなり凄い。何が凄いって、参加している人達がUS版電車男の集団…。女性の参加者や家族連れが急激に増え、低年齢化が進んでいるといわれた明るいアニメファンイベントAXの会場のどこに隠れていたんだよ~というような伝統的なファンのかたがた。ちなみに、僕の隣に座った兄ちゃんは「今日は、とっても重要な発表があるって噂を聞いたんだ!」と非常にうれしそうに明らかに英語の覚束ないジャパニーズの僕に長時間に渡り熱く語ってくれたのでした。Thanks!
 それで、このロボテックパネルは何をやったかといえばプレゼントの抽選会とロボテックのプロモーションビデオなどだ。しかし、どれが、噂の重大発表だったのか素人の僕にはよく判らなかった。(汗)

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《上記一部フィクションありです。(^^;》

アニメエキスポ2005 http://www.anime-expo.org

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Anime Expo 2005総集編 (3)

 これ以外にも、展示場ブースとかコンサートとかオークション大会があり常に10数個のイベントが開催されていた。これだけイベントがあれば、どんなアニメファンでもきっと自分の居場所を見つけて一日楽しく過ごせるに違いない。
 
 イベントの参加者は凄まじい勢いで伸びている。今年も昨年比32%増だ。そのおかげで会場も膨れる一方で、巨大なスペースで知られるアナハイムコンベンションセンターの4つある巨大な展示場のまるまる2つ、バルルームや会議室、それだけでは飽き足らず隣接するマリオットホテル、ヒルトンホテルまではみ出す有様である。
 ホテルではAXの期間中は非日常が日常化しているという恐ろしい状況になっている。スタバでは、ヴァンパイヤハンターDのシャーロットとベルばらのマリーアントワネットがお茶していたり(どちらもドレスだから違和感はない)、大量発生したナルトとセーラー戦士の集団がホテルの前の道を横切っていったりする。
 実際、僕は真夜中12時にマリオットホテルのロビーを天上ウテナと17号とトランスフォーマーが一緒に横切っていったりするのを眺めながら、あー世紀末...と口を空けていた。ちなみに、トランスフォーマーの着ぐるみは目茶出来が良かった。とあんなこんなでアナハイムの夜は更けて行く訳である。

                      (  /  / 3 )

《上記一部フィクションありです。(^^;》

アニメエキスポ2005 http://www.anime-expo.org

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2005.07.14


企業パネルって何だ?

P1000056 海外のアニメコンベンションで日本人にとって最もなじみがないのがパネルと呼ばれる講演会形式のイベントだろう。日本ではあまり見かけない形のイベントだが、海外では身近なイベントであると同時にとても人気がある。
 講演会形式というと堅苦しいが、要は人気クリエーターや人気企業の代表が中央の席で色々と発表したり、質問を受けたりするだけだ。こうしたパネルは大きくふたつに分けることが出来る。つまり、流通会社や制作会社といった企業がスポンサーになり自社作品の宣伝を行う企業パネルとフリースポンサーと呼ばれる有志による自主企画のパネルだ。企業パネルは大きな会社になるとDVD部門、出版部門、音楽部門といったライン別や個別作品ごとといった感じで数多くの複数のパネルを持っている。
 フリースポンサーのパネルは企業パネルよりもっと包括的な話題を扱っており、思い入れたっぷりなものが多い。しかし、産業化の進むAnime Expoの中では急激に影が薄くなっている。今回のフリースポンサーパネルには『エヴァンゲリオン10周年記念』や『アニメクラブサミット』、『字幕VS吹替え』などがあった。
 筆者が今回参加した主な企業パネルは『VIZメディア』、『ジェネオン・エンタテイメント』、『GONZO』、『FUNimation』などである。是非、参加したいと思っていたバンダイエンターテイメント、ADV、プロダクションIGといった企業のパネルは時間が合わず参加することが出来なかった。

P1000053 企業パネルの形式はどこも似たようなもので、最初に経営陣やスタッフ、クリエーターから新作品の発表や今期の方針やラインナップの紹介などがあったり、時にはプロモーションビデオを見せたりする。今回は、FUNimationパネルが『トリニティブラッド』の第1話をまるまる上映したのが目をひいた。大体そこまでが前半で、後半はファンからのQ&Aコーナー、最後にプレゼントコーナーで閉めるというのがお決まりである。ちなみに、プレゼントコーナーではDVDやTシャツ、時にはサイン色紙などが派手に配られるなどパネルイベントの大きな魅力にもなっている。
 日本人からすれば単なる新作発表に見えどうかと思えるのだが、情報収集の方法の限られた米国のファンにとっては貴重な情報源となっている。何よりも制作側に直接要望を伝えられる数少ない機会なのでQ&Aコーナーはいつでも長蛇の列になる。
 企業にとってもいち早く効果的に自社作品を伝える場として利用できるし、新作発表の場はこうした派手な場所のほうが宣伝効果もあるだろう。そして、何よりもそうした新作へのファンの反応が直接確認出来る場でもあり、ビジネス上大きな意味を持っている。つまり、ファンにとっても企業にとってもコンベンションの企業パネルは地味なイメージとは裏腹に非常に重要な存在なのだ。

アニメエキスポ2005 

写真上 エヴァンゲリオン10周年記念パネルの様子
写真下 パネルのQ&Aで列を作る人達

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2005.07.11


企業出展ブース

booth アニメエキスポ開催中に誰でも一度は訪れるのは、大手企業から中小企業までが宣伝、販売を行う企業出展会場(EXHIBIT HALL)である。日本で言えばキャラホビや東京国際映画祭の企業出展のようなもので巨大なホールに各企業がブースを設けている。日本と異なるのは、出展をしている企業の名前である。 バンダイやジェネオンといった日本でも馴染み深い企業もあるが、出展企業に東映アニメーションやぴえろ、GONZO、プロダクションIGといった名前はない。代わりに大きなブースを持っているのがVIZメディア、TOKYOPOP、ADヴィジョン、ファンニメーションといった現地の企業である。
 なぜなら、企業出展はあくまでの作品の紹介、プロモーションの場なので、作品の制作会社でなく流通会社が行うからだ。このため、バンダイや小学館グループ(VIZメディア)、ジェネオンといった一部の現地流通網を持っている企業以外の作品は現地企業によって販売されており、自ら企業出展でのプロモーションを行なわない。
 また、大手流通企業の中でもニューヨークに本拠を持つ4Kidsエンターテイメントやセントラルパークメディアの姿は見られず、ソニー系のTOFUレコードも秋に開催される別の大型コンベンションのメインスポンサーのためか、小型ブースの出展に留まっていた。

booth2 会場の様子は、展示場に入って直ぐに中央に構えたジェネオンとVIZメディア、TOKYOPOPの巨大なブースが目につく。その両脇にやはり巨大なバンダイグループとADヴィジョングループがブースを設置している。こうした大手企業は、ミニステージやプレゼント企画など派手なイベントで集客を図っており大人気であった。
 特に中央の3社のプロモーションには勢いがあり、例年、大賑わいのADVやバンダイは多少押され気味であった。ADVの主要な商品はDVD、バンダイの主要商品はDVDとキャラクター商品である。一方、VIZとTOKYOPOの主要商品がマンガで、ジェネオンの主要商品が音楽とDVDであることを考えると、現在のアニメ関連ビジネスの主戦場が従来のDVD中心からマンガや音楽ビジネスに拡大して来ていることを象徴していると言えるだろう。 

booth3 大手企業以外のブースでは個別ブースのスペース拡大が目立ち、昨年まで主流だった最低限の広さのワンブース出展がかなり減っているように感じた。出展企業も、本格的にリテールを展開するある程度の規模を持った会社が増えている。
 米国のICV2によれば、本年の企業出展は昨年より大幅に増えており、各ブースの売上げも好調であるという。実際に、最終日にVIZのブースで『鋼の錬金術師』の英語版を買おうとした筆者は、売切れで在庫がないと言われた。

 来年以降も企業出展の拡大が続けば、アニメエキスポの参加者増で会場の混雑はかなり厳しくなっていることも含めて、企業出展会場のスペース拡大が必要になってくるだろう。

バンダイアメリカ 
GENEON USA 
VIZメディア 
ADヴィジョン
TOKYOPOP 

ICV2の記事 Anime Expo Boasts 32% Increase

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2005.07.10


Yaoi-mangaパネル

 米国で少女マンガが人気、そのうえ男性同士の恋愛を扱ったやおいまでがブームの兆しを見せているという。そんな話を事前に聞いていたので、日本のやおい文化がどの様に米国で受け入れられているか興味があり。AXで開催されるやおいパネルに参加してみた。P1000036

 アニメエキスポでは様々なパネルが開かれるが、初日の夕方に開かれたこの『Yaoi-manga.com』は他のパネルと少し違う。というのもこのパネルは今回のAnime Expoで唯一の18禁パネルなのである。入場者は18歳以上かつ百合限定とまでされている。
 ところが、実際には入り口でIDカードの提示を求められたが、同行の女性がいたがゲイであるかどうかとかは全くノーチエック。かくして無事パネルの潜入に成功出来た。中に入って驚いたのは男性の入場者が意外に多かったこと。入場者の2割から3割ぐらいは男性であった。例えば、プレゼントコーナーでやおいのマンガをゲットした一人はかなり体格いい頭の禿げたおじさんだった。
 そんなわけで、事前に予想した女性の園といった感じは見事に覆された。女性は多少多めだが、普通のパネルとさして変わらない。
 
 さて、パネルの内容はというと正直18禁の内容にするほどのものかなという感じだ。こちらも、特にやおいアニメの映像が出るわけでもなく、話されている内容が男と男の恋愛を扱ったものであるだけで普通のパネルと大して変わっているわけでない。それも、ほとんどが新作の予定といったことが中心である。
P1000027 Q&Aコーナーでは、『今後やおい小説の出版の予定はあるのか?』、『ボーイズラブゲームの発売予定は?』、『やおいのアクションフィギアが欲しい』といった商品情報に関する質問が多く、市場が小さいがため十分な商品が供給されていない状況が垣間見えた。
 全体に期待していた様な常ならぬ感じは全くなく、そのテーマこそやおいであるが普通な感じばかりが目についた。それでも18禁パネルにしなくてはいけないのは、同性愛というテーマが米国であっても世間一般に受け入れ難い文化だからなのかもしれない。
 また、日本では米国でブームと言われているが、実際には17時からという比較的参加し易い時間に開催されたにもかかわらず思ったほどの人出ではなく、現段階では日本のアニメ・マンガというニッチな文化の中のさらにニッチで小さな市場に過ぎないように思えた。やおいが米国で今後どうなっていくかは、今の段階ではなんとも言えないだろう。

写真上は、YAOI同人誌販売ブースのポップな店員さん
写真下は、そのブースの様子

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2005.07.09


オープニングセレモニー・レポート

 アニメエキスポは、4日間のコンベンション開催の前に、オープニングセレモニーというものがある。オープニングセレモニーと言っても内容はいったってシンプル。大会委員長とアナハイム市の挨拶があるほかは、ほとんどの時間がゲスト・オブ・ホナーと呼ばれる日本と米国のゲストの紹介と挨拶で構成されている。P1000047
 しかし、この豪華なゲストこそがコンベンショの目玉なので、その紹介だけでもかなり人が集まる。まして、オープニングセレモニーが終わると各イベントがばらばらに開催されてしまうから、効率よくゲストの顔を拝める唯一のチャンスといってもいい。そんなわけもあり、3,000人収容のメイン会場はほぼ満席状態になった。

 セレモニーは、アナハイム市の挨拶から始まった。アナハイム市はコンベンショの主要スポンサーにも名前を連ねていて、このコンベンションの開催が市からも大きな協力を得ていることが判った。また、最終日に行われるチャリティーオークションの収益の一部は市のチャリティー団体も寄付されるので、挨拶に加えそれに対する感謝の言葉も述べられた。
 次いでコンベンション委員長のダノルド・ヒガ氏からの挨拶があり、目玉のゲスト紹介に続いた。今回の日本人ゲストの紹介は、遅れて到着する関智一さんと坂本真綾さん以外の逢坂浩司さん、北久保弘之さん、小林治さん、下笠美穂さん、山下明彦さん、山本和枝さん、KOTOKOさん、堀川亮さんらであった。

 米国の人気声優で『Hellsing』や『ウルフズレイン』で活躍するクリスピン・フリーマン氏から紹介が始まった。フリーマン氏は、舞台のうえでくるりと一回転して自己アピールをすると、続く女性人気声優のコレン・クリッケンバード氏もその真似をしてアピール。その後は、なぜかゲストは皆のそれをまねることになってしまい、結局、日本のゲストも含めてほとんどが舞台のうえで回転を披露、会場は大いに盛り上がった。北久保氏にいたっては、バレエダンサーさながらの華麗な回転に挨拶のポーズもつけて場内は大うけであった。
 堀川亮氏以外の日本のゲストはみんな日本語での挨拶であったが、アニメエキスポに参加出来た喜びを楽しそうに語ったり場内から熱い声援が送られた。初めて参加したゲストは想像以上の観客数に驚き、多少緊張している様にも見えた。
P1000048
 各ゲストの紹介の際には簡単な紹介ビデオが流されるのだが、観客は自分の好きな作品やキャラクターが出来てくる盛んにアピールして盛り上がる。このため、人気のある作品とそうでない作品が一目瞭然。ゲストにその作品のクリエーターがいても構わないので、作り手にとってはある意味怖い状況である。これは、オープニングセレモニーに限ったことではないが、米国人の感情表現の仕方が素直に現れていて面白い。

 こうしたゲストの紹介のあと、『それでは、これをもってコンベンショの開催を宣言します。』とあっけないほど簡単な開催の言葉と伴にオープニングセレモニーは終わり、2005年のアニメエキスポが始まった。

アニメエキスポ2005 

写真上はアニメエキスポのメイン会場となるアナハイムコンベンションセンター。カリフォルニアの爽やかな風の中で独立記念日含む4日間開催される。

写真下は別会場のアナハイムヒルトンホテル。会場は周辺のマリオットホテルやヒルトンホテル、コスタアナハイムホテルにも広がり公道を歩くコスプレヤーも普通の風景である。

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Anime Expo2005 参加者33,000人突破

 アニメエキスポ事務局によると、今年のアニメエキスポ2005(AX2005)の参加者は33,000人を超えた。昨年の入場者数の25,000人から31%増加になる。1992年に参加者1,750人で始まったコンベンションはその後一貫して入場者を増やし続け、開催から10年目の2001年に1万人を突破、その3年後に2万人を突破、2万人から3万人突破はわずか一年という急成長ぶりを見せている。
 米国のコンベンションは日本のイベントと違い、延べ人数でなく実数で入場者を計算するため日本式に延べ人数で計算すればほぼ10万人規模のイベントに成長していることになる。こうした急激な成長は、アニメコンベンションの入場者層が以前のディープなマニア中心から、もっと幅広いファン層に移って来ていることが大きい。
 会場の来客者は大学生からもっと若い高校生、中学生も多数見られ、家族連れも少なくない。2000年以降のアニメファン層の広がりが影響しているのだろう。しかし、そのため一般的に認知度の高いテレビで放映されている人気作品が高く注目される一方で、比較的マイナーな作品は注目され難くなっている。

 しかし一番の問題は、巨大化し過ぎたコンベンションの規模が足かせになりつつあることだ。北米のアニメ情報サイトAnime News Networkによれば2007年のAXの開催は、ここ数年の間AXの会場となってきたアナハイムコンベンションセンターでなく、同じカリフォルニア州でロサンゼルスに隣接するロングビーチのコンベンション会場になると言う。これは2007年のアナハイムコンベンションセンターが既に別のイベント予約で埋まっていることが理由だとされている。(注2006年はアナハイムで開催予定)
 ロングビーチでアニメエキスポが最後に開催されたのは2002年である。その際には、あまりにも多い参加者に企業出展ブースが混乱したため、入場制限を行い長蛇の列が出来たという経験がある。2002年の参加者15,000人から本年33,000人に達した入場者数をロングビーチの会場が収容出来るかについて不安が残る。
 しかし、アナハイムコンベンションセンターは米国西海岸最大のコンベンションセンターであるため、それに匹敵する会場を確保することはかなり難しい。上記以外には、毎年コミコンが開かれるサンディエゴ・コンベンションセンター、SIGGRAPHの開催されるロサンゼルスコンベンションセンターなどが考えられる。しかし、地元UCLA出身者などがスタッフの中心となっているためサンディエゴは遠過ぎるだろう。何よりも、そうした大規模なコンベンション会場は数が限られているうえ、アナハイムコンベンションセンターと同様に何年も前から会場が埋まっているケースが多い。
 アニメファンの増加と伴に拡大を続ける北米のアニメコンベンションであるが、既に今年は東海岸最大のコンベンションであるOTAKONが参加人数の制限に踏み切っている。AXのような大規模なコンベンションにとって大会運営自体以外に会場確保は今後も問題となるかもしれない。

アニメエキスポ2005 
Anime News Network 
アナハイムコンベンションセンター 
ロングビーチコンベンションセンター 

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2005.07.07


字幕対吹替え

 アニメエキスポでは、100を大きく超えるパネルと呼ばれる講演会形式のイベントが開催される。そうしたパネルの多くが企業のスポンサーのついた新作紹介をメインにしたものである。しかし、フリースポンサーという企業主体でなく有志による企画も少なくなりつつあるとはいえ依然健在である。そうしたパネルには、普段はメディアで見られない興味深い内容のものも多い。

 3日目に開催された『字幕対吹替え(Sub対Dub)』というパネルもそうしたパネルのひとつである。パネラーにはADVフィルムやジェネオン、ファンニメーションといった企業の担当者も登場したが企業色はなく、専ら米国の日本アニメファンにとっての大問題とされる日本アニメを観る際には、字幕が良いのか吹替えが良いのかといった話題を取り扱っていた。

 しかし、話の内容はなかなか興味深いことが多かったのだが、期待していた議論という方向からは大きく外れていた。その理由は二つある。1点は、討論というよりもファンが企業担当者に質問しそれに答えるという形になっておりQ&A大会のような感じになってしまっていることである。フリースポンサーということではあったが、年々産業色を強めるAXの傾向がここにも現れており、企業とファンが対等な立場でなくなって来ていることを感じさせた。
 もう1点は、話の内容のほとんどが字幕ではなく吹替えについてで、しかも吹替えのありかたに対する不満に終始したためである。これまで米国のコアなアニメファンはアニメのオリジナルな形を尊重するため字幕を好むとされて来たが、日本アニメの視聴の大勢の希望は吹替えに落着きつつあるようだ。これはアニメの視聴者が大衆化してきており、一般の人は映像作品を観る際に字幕を観るという習慣がないことが大きな理由だと考えられる。
 しかし、日本アニメのファン達が現在の吹替えに満足かというと、むしろ方向性は全く逆で、かなり不満を持っていることがパネルからは理解出来た。現在の風潮は、吹替えを聞くしかないが、そのあり方に不満のため何とか改善出来ないかといったものである。
 こうした不満の中心は、現在の吹替えが効率性やマーケットを意識するあまり、日本のオリジナルの作品から大きく異なっているのでないかという危惧に根ざしている。会場から挙がった意見には「日本オリジナルの名前をしばしば変えるのはなぜか?」「日本に較べて、米国の声優はアニメも知らないし、声優としての訓練も十分でないプロフェッショナルでない人が多い」、「吹替えの際にピッチやイメージが変わっていると」いったものがある。さらに「日本側にスーパーバイズさせてはどうか」、「個別の録音でなく、日本のように声優が一緒に吹替えを行ってはどうか」といった提案などがされた。

 こうした意見について、企業側の態度はあまり積極的に変えるというより、様々な問題や理由もあり劇的に変えるのは難しいというものであった。むしろ、現状の中でより良い方向性を目指したいという感じである。いずれにしても、吹替えに不満があるから字幕が良いといった意見はほとんどなく、より良い吹替えをどう目指すかが今後の課題となりそうである。

アニメエキスポ2005 

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2005.07.04


米国人気作品の変化

 7月1日から4日まで、米国カリフォルニア州アナハイム市で北米最大の日本アニメコンベンションが開催されている。こうした米国の巨大コンベンションには、米国でも日本アニメに最も関心のあるファンが集まることから、今後の米国市場の動向を計るには便利な場所である。例えば、昨年のアニメエキスポ2004では、北米で展開前の『NARUTO-ナルト-』と『鋼の錬金術師』が圧倒的な人気を獲得しており、その後の北米市場における両作品の人気の高まりを示していた。
 今回のアニメエクスポ2005では、昨年の『NARUTO』や『鋼の錬金術師』にあたる作品は間違いなく『BLEACH~ブリーチ』と言っていいだろう。今年も、昨年に引き続き『NARUTO』、『ハガレン』、『犬夜叉』といった作品は高い人気を誇っている。そして、企業出展会場では北米で作品展開が始まっていないため商品展開がなく存在感が小さいが、各イベントやパネルにおける『BLEACH~ブリーチ』の反応は群を抜いている。
 現在未集計だが、本年の会場調査のアンケートでも『BLEACH~ブリーチ』への支持は相当高い傾向が見られる。サムライ物、キャラクターの個性の相違が明確など事前から北米で『BLEACH~ブリーチ』の人気が出ることは予想していたのだが、予想以上の盛り上がりを見せている。

 一方で、日本アニメの人気は急激に二極分化の傾向を見せている。例えば、企業出展会場では、商品の売れるのは上記の『NARUTO』、『ハガレン』、『犬夜叉』、『BLEACH』だけで他はほとんど動いてないとの声も聞かれた。北米市場では、売れる作品は売れるが、売れない作品のかなり厳しい状況が強まっている。これまで、長い間人気を維持してきた『カウボーイビバップ』や『ドラゴンボール』といった作品にも翳りが出て来ている。

 また、今回のコンベンションの人気を見ていると作品の評価に対する日本離れがより強まっている。つまり、日本で人気がある作品がイコールで米国でも人気があるわけでなく、また日本でさほど話題になっていない作品でも人気の高い作品が増えているためである。『ドラゴンボール』、『セーラームーン』、『カウボーイビバップ』といったような日米両国で人気のある作品は減って来ている。
 勿論、『NARUTO』、『ハガレン』、『犬夜叉』は両国で人気があるが、日本で人気のある『機動戦士ガンダムSEED』や『名探偵コナン』といった作品は米国でのテレビ放送にも関わらず北米市場で苦戦しており、コンベンション会場でもほとんど目にすることがない。一方で、新OVAのリリースが控えている『HELLSING』の北米での熱狂的な人気や女性からの『フルーツバスケット』への高い支持は日本を遥かに上回る。また、日本ではあまり話題にならなかった『サムライチャンプルー』や『ウルフズレイン』といった作品も安定した人気を持っている。
 日本市場より米国市場を意識したと思われる忍者やヴァンパイヤを扱った作品の『バジリスク』や『トリニティーブラッド』といった作品の紹介では、ファンからの反応は極めて良かった。こうしたことから、米国市場で人気ある作品は日本との重なりはあるが基本的には全く別の嗜好の市場と考える必要性が強まっていると言えそうだ。

アニメエクスポ 

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2005.06.15


Anime Expoのゲストに小林常夫さん、白亜右月さん

 7月1日から7月4日までカリフォルニア州アナハイム市開催されるアニメエクスポ2005の最終ゲストとして『英國戀物語エマ』や『十二国記』監督として知られる小林常夫氏と『爆裂天使』キャラクター原案などで知られる白亜右月氏のゲスト参加が決定した。
 また、米国の声優で渚カヲル役、最遊記の孫悟空役で知られるGreg Ayres氏のゲストも発表された。これで、日本側のゲストは12人、米国からゲストが3人となった。

 北米最大のアニメイベントと知られるアニメエクスポは、昨年の入場者は25,000人、本年は35,000人の入場者を見込んでおり、史上最大の規模であった昨年をさらに上回る予定である。こうした規模の拡大は、6月10日に発表されたスケージュール表でも確認することが出来る。スケージュール表では、開催会場は主要会場のアナハイムコンベンションセンターのほか、隣接するアナハイムヒルトンホテル、マリオットアナハイムホテル、コスタアナハイムホテルなどで、展示場会場も含めると12の異なった会場でイベントが同時進行することになっている。
 現在発表されているイベント、パネル(シンポジウム形式のイベント)はおよそ200近くに上る。しかし、アニメエクスポの規模の拡大と伴に、イベントやパネルの企業主催、主導が進み、ファンが中心になって開催するパネルはほとんど見られなくなって来ているのは残念な傾向である。

Anime Expo 

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2005.06.09


AXゲストに関智一さん、山下明彦さんら

 7月1日から米国カリフォルア州アナハイムで開催されるアニメエクスポ2005(Anime Expo2005)に新たに日本から6名、米国国内2名のゲストが参加することになった。今回発表されたのは、日本からのゲストは声優の関智一氏、堀川亮氏と北久保弘之氏、小林治氏、下笠美穂氏、山下明彦氏らクリエーターである。北久保氏は『老人Z』や『ロボットカーニバル』の監督も手掛けるベテランアニメーターで、小林氏は『BECK』の監督などを手掛けている。下笠氏は、『セーラームーン』シリーズや『キューティーハニーF』などの作画監督を手掛け、今回招かれた唯一の女性クリエーターでもある。山下氏は、期間中米国で公開されることになる『ハウルの動く城』の作画監督のほか『ジャイアントロボThe Animation』のキャラクターデザインなども手掛けている。
 日本からのゲストとしてキャラクターデザインや作画監督を務めるアニメーターの人気が高いのは作品の創造者として判りやすいためであろう。しかし、意外に米国で人気のある日本の声優は、マニアな日本アニメファンは吹替え版でなく字幕版を観るのをよしとする風潮のためようだ。今回は『天空のエスカフローネ』ヴァン役、『Gガンダム』ドモン役などの関智一氏と『聖闘士星矢』瞬役、『ドラゴンボール』ベジータ役で知られる堀川亮氏が招かれている。昨年に続く参加となる関氏は、現地における高い人気に応えたためだという。

 ゲスト参加者は通常、座談会などアニメエクスポ側が設けるパネルやサイン会などに出席することになる。また、ゲストを招いた食事会などが開催されることもある。エクスポの最終日に行われるチャリティーオークションでは、ゲストによるサインや色紙が驚くほどの高値をつけることも多い。日本以上にアニメのクリエーター達が遠い存在にある米国のファンにとって、こうした全米各地で開催されるアニメコンベンションはクリエーターと交流出来る数少ない機会といえるだろう。
 
 米国国内からのゲストとしては、声優のクリスピン・フリーマン氏、コリン・クリッケンベアード氏が参加する。両氏は米国において日本アニメの英語版の吹き替えを行っている。フリーマン氏は、米国の声優業界でもよく知られた名前で最近は、『ウルフズレイン』のツメ役などを吹替えた。また、クリッケンベアード氏は『名探偵コナン』の蘭役で知られている。フリーマン氏はまた会期中に開催される声優ワークショップのホスト役も務める予定となっている。
 AXは北米最大の日本アニメのイベントで期間中にアニメファンのアニメ業界関係者合わせて35,000人(延べでなく実数)の参加を見込んでいる。

アニメエクスポ2005 ゲスト(予定者)

クリエーター
逢坂浩司 (『機動戦士ガンダム0083』作画監督)
北久保弘之 (OVA『ジョジョの奇妙な冒険』監督)
小林治  (『BECK』監督、『青の6号』メカデザイン)
下笠美穂 (『美少女戦士セーラームーンS』作画監督)
村田蓮爾 (『青の6号』キャラクターデザイン)
山下明彦 (『ハウルの動く城』作画監督)
山本和枝 (『キャッスルファンタジア』キャラクターデザイン)

シンガー
KOTOKO (『お願い☆ティーチャー』主題歌)
坂本真綾 (『ツバサ・クロニカル』主題歌)

声優
関智一 (『天空のエスカフローネ』ヴァン役、『Gガンダム』ドモン役)
堀川亮 (『聖闘士星矢』瞬役、『ドラゴンボール』ベジータ役)
クリスピン・フリーマン (『ウルフズレイン』ツメ役、『攻殻機動隊S.A.C』トグサ役)
コリン・クリッケンベアード (『名探偵コナン』蘭役、『鋼の錬金術師』ロゼ役)
  ()内は代表作

アニメエキスポ2005 

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2005.02.24


AXゲストに坂本真綾さんらが決定

 米国最大の日本アニメのイベントであるアニメエクスポ(Anime Expo通称:AX)の今年度のゲストの一部が発表された。今回発表されたのはキャラクターデザイナーの逢坂浩司氏、声優の坂本真綾氏、キャラクターデザイナーの山本和枝氏の3人である。
 逢坂浩司は『機動武闘伝Gガンダム』のキャラクターデザインや『機動戦士ガンダム0083』などの作画監督として知られている。坂本真綾氏は『天空のエスカフローネ』のひとみ役として米国でも人気があるほか、最近では『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のルナマリアの声をあてている。また、米国でも人気の高い作曲家の菅野よう子氏のプロデュースで歌手活動も行っている。山本和枝氏は、主にゲームの美少女のキャラクターデザインで知られており『キャッスルファンタジア』や『メンアットワーク』といった作品を手掛けている。

 AXは、米国最大規模の日本アニメ関連のイベントとして知られている。92年の誕生以来毎年夏に開催され、昨年の公式入場者数は実数で2万3000人を超えている。
 近年は、ファンイベントとしてだけでなく企業による宣伝活動や新作発表、ビジネストレードの場としても機能している。毎年、日本から多彩なクリエーターがゲストとして招かれ現地で歓迎されている。今回は、そうしたゲストの第一弾として発表された。
 今年のAXは、7月1日から4日までカリフォルニア州アナハイム市のアナハイムコンベンションセンターで開催される予定である。

Anime Expo2005 
坂本真綾公式サイト 

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