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一般的な展覧会の目的は、作家の世界観や作品、歴史、あるいは社会における影響から文化的な側面などの紹介である。そのため様々な説明が与えられる。ところが「井上雄彦 最後のマンガ展」では、この印象的なタイトル以外の情報が会場で一切与えられていない。展覧会で必ず見られる作品タイトルや説明、展覧会の趣旨、主催者や作者の挨拶すら存在しない。 そこから物語は始まる。そう「井上雄彦 最後のマンガ展」は、まさに物語である。今回の展覧会のために描き起こされた100枚以上の原画は、物語に沿って並べられ進んでいく。 大きな空間での表現、その場限りのライブ感、この展覧会は、2004年に三浦市の廃校で『SLAM DUNK』の後日談を黒板に描いたイベントの系譜にある。しかし、今回の表現方法は、この『SLAM DUNK』の後日談からさらに大きく発展している。 もともと、マンガはメディア芸術のなかでも、表現手段の不自由なもののひとつである。(マンガを芸術と呼べることを前提だが)つまり、多くの作品は本のサイズによって大きさを制限されているし、掲載一回分の長さも制限されている場合がほとんどである。さらに、プロの作家であれば、多くの場合は商業マンガとなる。エンタテイメントであること、読者の支持を得ることを常に求められている。 展覧会終了後に、今回の作品は出版物としてもまとめられる予定だ。しかし、おそらくそれは今回の『井上雄彦 最後のマンガ展』とは異なる別の作品になるのではないか。展覧会の経験と書籍としての経験、それはまた別の作品だろう。 「井上雄彦 最後のマンガ展」 |
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第11回文化庁メディア芸術祭が、東京・六本木の国立新美術館で2月6日から開催されている。アニメーションの分野では『河童のクゥと夏休み』が大賞に選ばれた。このほか、優秀賞には『うっかりペネロペ』や『天元突破グレンラガン』、『電脳コイル』、『カフカ田舎医者』、『ウシニチ』が選ばれている。 明らかに展覧会の特色は、アートとエンタテインメントを中心としたこの境界線の曖昧さだ。ファインアートからサブカルチャーまで幅広い作品をメディア芸術として同じ枠で並列的に扱う。それにより、これらが本来は等価であることが表れる。 アートとエンタテインメントが個々に取り上げられる時は、その違いは判りやすい。しかし、同時に並べられ同じ文脈で語られる時に、その違いはむしろ判らなくなる。 しかし、こうした攻撃的な正の効果の一方で、今年は同じ試みが負の効果も与えているように感じた。全ての作品が同じファーマットで展示されることで、それぞれの作品が持つ個性が削ぎ落とされてしまっているからだ。それは特にアニメーションやゲーム、マンガといったサブカルチャーと呼ばれる分野の作品に感じられる。 個々の作品がアートとして展示されることで、作品に新しい光があてられ、新しい発見が起こる面白さはある。 第11回文化庁メディア芸術祭 公式サイト http://plaza.bunka.go.jp/ 続きを読む "メディア芸術祭 境界なきデジタル時代の展覧会" » |
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1月22日から東京アニメセンターで開催されている「追悼展示会アニメーター逢坂浩司展」に行ってきた。この展覧会は、昨年9月に逝去されたアニメーター逢坂浩司氏を追悼するため昨年12月杉並アニメーションミュージアムで開催されたものを再構成したものである。
そして残りのパートは、同氏の代表作『機巧奇傅ヒヲウ戦記』、『機動戦士Vガンダム』、『獣王星』、『機動武闘伝Gガンダム』、『絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク』、『天空のエスカフローネ』、合計で6作品の版権イラストの原画展示になっている。作品ごとに3点から5点ぐらいが展示をされている。 アニメーションはその語源がアニマ(魂)=生命の動きから由来するように、海外でも国内でもアニメーターの技量というと専ら動きが重視される。 版権イラストは、まさにアニメの絵を止めた時に、キャラクターを魅力的に生き生きと描くものだ。単なるイラストではなく、動かない絵の中に作品世界が凝縮したもの、動きのないアニメそのものなのだ。日本にはこうした版権イラストを魅力的に描く優秀なアニメーターが多いが、逢坂浩司氏は間違いなくそのトップのひとりだった、と展示された原画をみながら感じた。 今回展示されている原画は、スペースの関係から期間中に入替えを行うという。また、そのなかには、杉並アニメーションミュージアムでは展示されなかったものも含まれる予定である。出来れば何度もでも足を運びたい展覧会だ。 『追悼展示会アニメーター逢坂浩司展』 |
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ジブリ美術館は、宮崎駿監督作品を中心とした作品世界の再現と、アニメーションの歴史や制作といった世界の紹介で知られている。ジブリ美術館の経営母体はやや複雑である。当初、徳間書店と株式会社ムゼオ・ダルテ・ジブリが美術館施設の建設を行った。それを三鷹市に寄付した後に、さらに三鷹市が徳間書店の設立した財団法人徳間記念アニメーション文化財団に運営を委託している。 研究活動では『日本のアニメーション・スタジオ史』と題した戦前から現在に至るまでの日本のアニメーションスタジオの変遷の調査を行っている。また、2003年度は企画展に合わせてロシアのアニメーションの研究を行っている。さらに、収蔵品の検討のために大正・昭和時代の国内アニメーションの調査を行ったとしている。将来的に、日本のアニメーション創生期の作品フィルムの収集を検討しているようだ。 |
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東京:上野の国立科学博物館で開催中の『テレビゲームとデジタル科学展』は、今や世界中の子供たちに馴染み深いTVゲームをコンピュターの誕生から現在までの流れをその当時のPCやゲーム機の展示と伴に追っていくものである。TVゲーム発展の歴史を掴むに相応しい企画であった。 この展覧会の感想を一言で表現するなら『ゲーム機の墓場』である。これは、展覧会をネガティブに捕らえているわけでない。ゲーム機の歴史を辿るこの企画は、意図されたかどうかは判らないが、歴史の表裏の関係でゲーム機メーカーの興亡史ともなっているためである。 展示品は、パソコン勃興期のアップルⅠやLisa、あるいはインテルの4004、あるいはアタリ社の世界初のコンピュターアーケードゲーム、TVゲームなど貴重なパソコンやゲーム機などをよく集めている。しかし、全体の印象としては専門的な解説共に往年のゲーム機が並んでいるだけとの印象が否めない。 『テレビゲームとデジタル科学展』 2004年7月17日~10月11日 国立科学博物館(東京・上野公園) 国立科学博物館 『テレビゲームとデジタル科学展』プレーステーション.COM |
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