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2005.10.23
資金調達 ]
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シンポジウム『コンテンツ、今そこにある危機』
「金融技術は何を変えたのか?」
10月22日 六本木アカデミーヒルズ
井本満氏(ノース・スターズ・ピクチャーズ 代表取締役)
亀田卓氏(電通 エンタテイメント事業局
土井宏文氏(ジャパンデジタルコンテンツ信託 代表取締役社長)
主催:経済産業省、映画産業振興機構

 実は今回のパネリストの亀田氏と土井氏は、このシンポジウムの2日前に行われた東京コンテンツマーケットでもコンテンツファンドをテーマに講演会をしている。しかし、前回は主にクリエーター向け、今回は映画関係者向けでありかなり異なった話題が中心となった。
 前回の講演がコンテンツファンドは何かといった大枠の話だったのに対し、今回はコンテンツファンドの実際の仕組みや理念、あるいは経済的な効果といった側面が中心となった。それは、今回のシンポジウムに、金融業界出身で先日『北斗の拳ファンド』の設立を発表した井本満氏が加わったことも大きいだろう。

 シンポジウムは、まず、亀田氏がアニメやコンテンツといった産業が持つ他の産業とは違う難しさを、最近増加しているM&Aを例に説明するところから始まった。亀田氏によれば、企業の資産や価値が社員や従業員、クリエーターであるコンテンツ企業を相手に敵対的なM&Aは成立しない。つまり、仮に会社を買収したとしても、優秀な社員や人材は簡単に流出してしまう危険性があるからだ。また、人が中心であるため事業の効率化や合理化が難しい産業だと指摘する。
 土井氏はそうした状況があるにもかかわらず、この特殊な産業の現場を判った人がビジネスの前面に出て来ていないと述べた。それが、日本のリィーディングインダストリーになる力があるにも関わらず、日本のコンテンツ産業の成長が他国に較べて遅れている理由だという。
 井本氏は金融とコンテンツを結びつけることで、産業自体を大きく変えられる可能性があるのでないかと考えている。ただし、コンテンツ企業に資本や金融の論理で強引に押し切るだけでは、コンテンツ企業にネガティブの思わる可能性があるので注意が必要だとした。それは、亀田氏が述べた人材が企業価値というコンテンツ企業の独自性にまたつながる。

 その後、シンポジウムの内容は、井本氏の会社ノース・スター・ピクチャーズが手掛ける『北斗の拳ファンド』やJDC信託が手掛ける『シネ・カノンファンド』の仕組みや考え方に移った。また、商品ファンド法に代わってコンテンツ投資を包括する仕組みとして考えられている投資サービス法の是非、LLP(有限責任投資組合)の可能性など話題は幅広く展開した。
 こうした中で印象的だったのは、土井氏のコンテンツファンドにリスクの高い作品ばかりが集まりがちになると指摘されることについての反論である。土井氏によれば、ここ数年で状況は変化しつつある。それには、投資資金のリスク分散とレバレッジ効果という考え方のためだという。
 つまり、10億円の資金の必要な作品があり、10億円の資金が手元にあったとしても、外部から10億円の資金が導入出来れば、2本の作品が制作出来る。それは、リスク分散になるし、少ない資金で大きな効果を期待出来る。10の資金から100のものを作り出せるという考え方である。

 最後に、今回のシンポジウムの議題『金融技術は何を変えたのか?』について、シンポジウムの結論は、金融技術はコンテンツをまだ変えていない、これからまだまだ変わって行くというのが結論だった。

東京国際映画祭 
経済産業省 
映画産業振興機構 

金融技術は何を変えたのか?レポート(10/23)" »
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2005.06.01
資金調達 ]
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 行政によってコンテンツビジネスの強化が主張されるようになって既に5年ほどが過ぎた。色々と批判はあるが、経済産業省や日本貿易振興機構がコンテンツビジネスの海外市場開拓や新たな資金調達手法の開発においてある一定の役割を果たしてきたのは事実である。そうした分野ではビジネス面において、ここ数年で大きな飛躍が見られた。
 しかし、そうしたマクロ面での改善の一方で、特にアニメ制作を中心とした部分で、制作現場に還元されない利益システムやクリエイターの才能に十分な対価が払われていないといった問題がしばしば指摘されている。

 6月1日に東京・青山でクリーク・アンド・リバー社、C&R総研の主催、経済産業省の後援で開催された「コンテンツ製作・制作における契約のあり方」と題したセミナーでは、そうした問題に新たに目が向けられる兆候が感じられた。
 主にコンテンツプロデューサーに向けられたこのセミナーでは、第1部で『クリエイターと法制度~下請法とどう付き合うか』という内容で、上原伸一氏が親事業者から下請事業者を守る下請法が情報コンテンツにいかに適用されるかを説明した。また、第2部では、経済産業省の和久田氏と㈱シンクの森氏が新しく導入されるLLP(有限責任組合)を利用した製作委員会のあり方を、寺澤氏がコンテンツ関連の契約書を作成する際の制作側の留意点を説明した。
 こうしたセミナーが開かれること自体、プロダクションやクリエイターの問題が深刻に受け止められつつあること前向きに受け取ってよいだろう。また、コンテンツビジネスの仕組みが叫ばれる中で、何よりも大切なのは優れたコンテンツを生み出される環境であることが再確認されて来たといえる。

 特に今回のセミナーで気になったのは、森氏が説明されたLLPを使った製作委員会である。従来の任意投資組合を利用した製作委員会は投資リスクの分散やばらばらになりがちなビジネスをまとめるという利点により、これまで頻繁に利用されてきた。しかし、一方で作品の持つ各種権利が製作委員会の買い上げになる点や無限責任のため純粋な投資者である第3者が出資し難い点などの欠点もあった。
 新設されるLLPは事業に対して有限責任である点、事業の収益を出資比率に関係なく配分出来る点で従来の製作委員会より優れていると説明された。有限責任であることは、製作委員会に第3者の参加を促すことが出来る。また、出資比率に関係なく分配金をだせることで、資金力はないが制作技術や才能を持つ会社や個人に重点的に利益を還元することが可能になる。
 つまり、これまでは出資金に応じてしか出せなかった配当を、契約によって1%の出資金の制作会社にも20%の配当を出すといった傾斜配分が可能になる。優れた品質を持つ制作会社や人気のあるクリエイターには今後有利に働く可能性が高い。
 しかし、一方で本当にそうした仕組みだけで理想どおりにビジネスが進むのかといった疑問も当然ある。そのための下請法の理解であり、契約の仕方の理解ではあるが、結果が出るまでにはまだしばらく時間がかかりそうである。

コンテンツ製作・制作における契約のあり方
 1部『クリエイターと法制度~下請法とどう付き合うか』
  上原伸一氏:文化審議会著作権文化専門委員
 2部『クリエイターのための資金調達と契約のあり方』
  和久田肇氏:経済産業省商務情報局文化情報関連産業課 課長補佐
  寺澤幸裕氏:弁護士 太陽法律事務所パートナー
  森祐治氏:(株)シンク 代表取締役
  モデレター:清田智氏(株)クリーク・アンド・リバー/(株)C&R総研

日時:2005年6月1日 
場所:東京、青山、草月ホール
主催:クリーク・アンド・リバー社、C&R総研 後援:経済産業省

クリーク・アンド・リバー社 
C&R総研 
経済産業省 

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