NYに米国最大の映像博物館 青島千穂展も開催 | アニメ!アニメ!

NYに米国最大の映像博物館 青島千穂展も開催

1月15日に、ニューヨークに映画、テレビ、ゲームなどデジタルメディアを専門とした大型施設 映像博物館(Museum of the Moving Image)がリニューアルオープンした。

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 2011年1月15日に、ニューヨークのクィーンズタウン・アストリア地区に映画、テレビ、ゲームなどデジタルメディアを専門とした大型施設 映像博物館(Museum of the Moving Image)がリニューアルオープンした。
 映像博物館の歴史は1970年代以来、上映会、展示、教育プログラム、作品アーカイブとその活動を年々広げてきた。博物館への来場者数の増加に対応するべく2008年より6700万ドル(約56億円)をかけ、トーマス・リーザーの設計による9000㎡を超える大型施設への拡張、リノベーションを図り、このほどそれが完成した。
 新しくなったミュージアムは、「スクリーンの裏側: Behind the Screen」と題した常設展示室のほか、企画展示室、267席と68席のふたつのシアター、教育センター、コレクション・アーカイブ、それにミュージアムショップ、カフェ、中庭などから構成される。映像文化の振興を目指す総合施設となる。

 文化としては世界中で広く親しまれている映画やテレビ番組だが、世界的にみても映画やテレビ番組を専門に扱う博物館は意外に少ない。トリノの国立映画博物館やフランクフルトのドイツ映画博物館などが目立つのみだ。
 映像博物館も自身を、この分野で米国唯一つの博物館としている。また、15万点を超えるカメラなどの撮影機器、脚本やストリーボード、衣裳、モデル、さらに雑誌やプロモーション資料、ゲームソフトなどのコレクションは全米最大である。
 博物館はニューヨークのマンハッタンから15分という利便のよい場所に位置する。クィーンズ地区はこのほかにもPS1現代アートセンター、イサムノグチ美術館、ソクラテス彫刻公園もあるカルチャースポットだけに、米国だけでなく世界中から来場客を集めそうだ。

 オープン上映企画では『2001年宇宙の旅』、『ハスラー』などの名作のほか、『コララインとボタンの魔女』や「アードマン特集」といったアニメーション作品もラインナップされた。年間では400本以上の作品を紹介する予定だ。
 さらにオープニングに合わせて3つの企画展示が同時スタートする。様々なバックグランドを持つ6人のアーティストによるインスタレーションを紹介する「Real Virtuality」、ストップモーションアニメーションで知られる映像作家マ―サ・コルバンによる映像とインスタレーションの「Dolls vs. Dictators」、そして日本のアーティスト青島千穂にフォーカスした「青島千穂: City Glow」だ。

 青島千穂は、先鋭的な活動で知られる村上隆の主宰するカイカイキキのメンバーのアーティストだ。専門的なアート教育を受けずに、伝統的なアートからコンピュターグラフィクまで幅広い表現を用い、アニメーション作品も制作する。少女の夢のような世界が特徴だ。
 今回の企画展では、ニュージーランドのアニメーター ブルース・ファーガソンとコラボレーションするインスタレーションを発表する。楽園のような世界に幽霊や妖精が展開するが、そこにはどこかシニカルな批評が内在する作品とのことだ。また、映像博物館は、青島千穂の作品は日本の伝統とポップカルチャー:絵巻物語、マンガ、アニメなどからの引用があると評している。

映像博物館(Museum of the Moving Image) /http://www.movingimage.us/
《animeanime》
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