アニー賞ビデオ部門候補に「ゴッサムナイト」 パンダが17部門で | アニメ!アニメ!

アニー賞ビデオ部門候補に「ゴッサムナイト」 パンダが17部門で

 12月2日に、国際アニメーション協会(ASIFA)ハリウッド支部は、2008年のアニー賞の候補作品を発表した。アニー賞(Annie Award)はアニメーションに特化した賞で、米国のアニメーション業界では最も重要な賞である。
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 12月2日に、国際アニメーション協会(ASIFA)ハリウッド支部は、2008年のアニー賞の候補作品を発表した。アニー賞(Annie Award)はアニメーションに特化した賞で、米国のアニメーション業界では最も重要な賞である。
 今回注目の高い長編アニメーション部門(Best Animated Feature)には、今年はウォルトディズニースタジオの『Bolt』、ドリームワークスの『カンフーパンダ』、ピクサースタジオの『WALL・E/ウォーリー』の有力3作品がノミネートされた。
 さらにストップモーションアニメーションの『$9.99』、唯一の海外製作作品となったドキュメンタリーアニメーションの『バシールとワルツを』の2作品である。独立系製作の作品が5つのうち2つを占める珍しい結果となっている。

 5作品の中に、日本の作品は入らなかった。アカデミー賞のノミネート選考対象作品になった『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』や『ストレンヂア-無皇刃譚-』が選考応募を行っていたかは不明である。『崖の上のポニョ』はアカデミー賞と同様、今年は応募を行っていないとみられる。
 このほかの部門でもテレビ、ゲーム、映像パッケージ部門いずれの部門にも、日本製作の作品は入らなかった。もともとアニー賞は、米国業界内における功労賞的な意味合いあるので、特にテレビ部門などで日本の作品がノミネートされるのは稀なことも理由である。

 そうした中で注目されるのは、劇場未公開でDVD(ビデオ、BD)だけで発売された作品を対象にするホームエンタテイメントプロダクション部門(Best Animated Home Entertainment Production)にノミネートされた『バットマン ゴッサムナイト』である。
 同作品は企画と脚本はワーナー・ブラザーズが行っているが、監督を含めた実際の制作は日本の国内で行われている。6本の短編映画からなるオムニバスだが、STUDIO 4℃、プロダクション I.G、マッドハウスと日本を代表するアニメスタジオが2本ずつ担当する。『バットマン ゴッサムナイト』は、音楽賞にもノミネートされている。

 全体ではドリームワークスの大作『カンフー・パンダ』が、ノミネートの対象となりえるほぼ全ての17部門の大量ノミネートになったが大きなトピックである。一方、そのライバルと目されるディズニーの『WALL・E/ウォーリー』は8部門にとどまった、同じディズニーグループ製作の『Bolt』の9部門をも下回っている。
 映画の評価、興行成績は『ウォーリー』のほうが『Bolt』よりかなり高かっただけに、『カンフー・パンダ』との比較も含めてかなり意外な結果である。

 もうひとつ以外な結果は、スターウォーズ初の劇場アニメーション化として話題を呼んだ『クローンウォーズ』が完全に黙殺されたことだ。今回一つのノミネート対象にもならなかった。
 テレビの2Dアニメーションシリーズは度々アニー賞を受賞してきたシリーズだけに、劇場作品、そして2Dと3Dの評価の違いを感じさせる。

 また、もうひとつ今年の特長は、過去3年ほど数多くあった3DCGの大作アニメーションがディズニー、ピクサー、ドリームワークス以外はほとんど消えてしまったことである。今年の長編アニメーション賞の3作品が、上記のスタジオ以外の2作品が独立系からノミネートされたことからも分かる。実際にはユニバーサルが制作した『Tale Of Despereaux』や20世紀フォックスの『ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ』といった作品もあったのだが、存在感は薄い。
 ハリウッドの3DCGアニメーションビジネスも2極化しているようだ。ここ暫らくの間は大作アニメーション映画の世界は、ディズニーグループとドリームワークスの独占状態が続きそうな気配である。

アニー賞(Annie Award)公式サイト /http://annieawards.org/

【主要部門のノミネート作品】

長編アニメーション部門 Best Animated Feature
  『Bolt』
  『カンフー・パンダ』
  『$9.99』
  『WALL・E/ウォーリー』
  『バシールとワルツを』

ホームエンタテイメントプロダクション部門
Best Animated Home Entertainment Production
  『バットマン ゴッサムナイト』
  『Christmas Is Here Again』
  『Futurama: The Beast with a Billion Backs』
  『ジャスティス・リーグ:Justice League: The New Frontier』
  『リトルマーメイド3:Disney's Little Mermaid 3: Ariel's Beginning』

短編アニメーション部門 Best Animated Short Subject
  『Glago's Guest』 (Walt Disney Animation Studios)
  『Hot Dog』 (Bill Plympton Studio)
  『Presto』 (Pixar Animation Studios)
  『Sebastian's Voodoo』 (Joaquin Baldwin)
  『Wallace & Gromit: A Matter of Loaf and Death』 
         (Aardman Animations Ltd.)

テレビアニメーション部門Best Animated Television Production
  『King of the Hill』 (20th Century Fox TV)
  『Moral Orel』 (ShadowMachine)
  『Phineas and Ferb』 (Disney Television Animation)
  『Robot Chicken: Star Wars Episode II』 (ShadowMachine)
  『ザ・シンプソンズ』 (Gracie Films/Fox TV)

子ども向けテレビアニメーション部門
Best Animated Television Production Produced for Children
  『A Miser Brothers Christmas』 (Nickelodeon)
  『アバター 伝説の少年アン』 (20th Century Fox TV)
  『Foster's Home for Imaginary Friends』 (Cartoon Network Studios)
  『The Mighty B!』 (Nickelodeon)
  『Underfist: Halloween Bash』 (Cartoon Network Studios)

ゲームソフト部門 Best Animated Video Game
  『Dead Space』 (エレクトロニック・アーツ)
  『カンフー・パンダ』 (アクティビジョン)
  『WALL・E/ウォーリー』 (THQ)
《animeanime》
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