2005.07.13
『株でいこう!』発売中
”萌えと妹”を通じて株式ネットトレードを覚えようという素晴らしいコンセプト(^^;の株式投資本『株でいこう!お兄ちゃん、ネットトレーディングしよっ!』がいよいよ7月15日に発売になる。というか12日に既に出荷が行われているので、大手書店や秋葉原では今でも普通に手に入る。
“萌え”と“株”というと離れた存在にみえるけれど、実際、常軌を逸したとしか思えないおたくの情報収集癖は明らかに株式投資家のそれとそっくりであるというのは、前にも書いた。この本を読んで株式投資をするかどうか別としても、濃い~おたくにとっては株式投資的な視点で萌えやおたく商品を供給している企業を研究出来るようになると、情報武装のステージアップになって役に立つはずだ。ととりあえず断言しておこう。
ついでに、株が妹に見えるかどうかはその人しだいなので置いておくが、本を読んだあとは株が妹に見えるようになるに間違いない。
『株でいこう!』は、今後も書籍だけでなく様々なメディアを融合させた商品展開が繰り広がられる予定なのでで要注目だ。
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2004.12.16
『踊るコンテンツビジネスの未来』
軽やかなタイトルとは裏腹に力の入った骨太の内容である。内容はコンテンツビジネスを中心とした時事トピックスと同時にコンテンツビジネスの概論となっている。コンテンツビジネスの定義から始まり、誕生から現状、課題を手際よく解説したコンテンツビジネス理解のための入門書といった感じで構成されている。
著者はポケットモンスターのビジネス展開を著した『ポケモンストーリー』(2000年日経BP社)と同じ畠山けんじ氏で、さらに同書の共同著者であった久保雅一氏が企画・監修として参加している。それだけに、コンテンツビジネスに対する理解は深く細かな内容や数字までに目配りがきいており安心して読むことが出来る。
内容はコンテンツ関係者へのインタビューとコンテンツビジネス概論というべき部分から成り立つ。インタビュー部分では、コンテンツ業界のベテランと言われる人達の考え方や現状認識を中心に話を展開しており、この部分では時事的な内容を求めるニーズにもマッチすると同時にこの本があまり堅くなり過ぎない読みやすさのバランスを作り出している。
また、概論の部分では、特に政府・行政の動きを中心に、なぜコンテンツがこれほど重視されるようになったかを丁寧に追っており、この部分だけでも一読するに値するだろう。また、海外各国のコンテンツ政策も手際よく紹介されており、こちらもこれまでばらばらに紹介されることが多かっただけに理解しやすい。
最後のコンテンツビジネスの課題については、数多くの課題が挙げられている。ページ数の問題もあったと思われるが、もう少し突っ込んだ議論や筆者の意見があればと若干物足らなく感じた。しかし、これまで、コンテンツビジネスとしばしば語られる割には、全体像として語られることがなかった。そうした中でこの本は、コンテンツビジネスに興味を持った者が最初に読んでおきたい本の一冊である。
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踊るコンテンツ・ビジネスの...
著/畠山けんじ 企画・監修/久保雅一
小学館 1714円+税
ポケモン・ストーリー
著/畠山けんじ 久保雅一
日経BP社 1470円(税込)
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2004.11.20
『コンテンツ消滅』:書評

正直、新聞でタイトルを見ただけで興味を持って中身も見ずに購入した。なにしろ、正式なタイトルは『音楽・ゲーム・アニメ コンテンツ消滅』と来ているからただごとではない。当然、国やメディアによるコンテンツが日本の未来の産業といった流れに対して疑問を投げかけていると想像した。しかし、内容を読んでみると単純な社会の風潮に対する批判本というより、もっとこの関連産業の根本的な部分に問いかける本であった。
例えば、音楽ではファイル交換ソフトが音楽・CDの売上げを減少させていること、しかし、それはこれまでの海賊版対策ではどうにもならない水準にまで来ていることを指摘している。また、ゲームについてはかつて大ヒット作品を作り出した知識共有型のゲーム開発の環境がなくなりつつあることに触れている。アニメではアニメ制作現場の空洞化についての調査報告となっており、作品の権利を持つことが難しいことから制作の現場に収益が還元されない、それが、コスト的に苦しいアニメ制作の現場を作り出し、さらに制作現場の国内空洞化を生み出しているとする。
一見、つながりのない内容に思えるが、全体を通して流れているのはインターネットを中心とした時代の変化に既存のシステムが対応出来なくなっているという主張だ。そして、その問題の中心は知的財産の共有の仕方に行き着くと筆者は考えている。音楽、ゲーム、アニメのいずれの分野でも作り手(クリエーター)に収益が還元されなければコンテンツが崩壊してしまう、そのためには新たな知的財産の共有のシステムが必要だというのがこの本の主張である。
これらの3分野で既存のシステムが時代の流れに挑戦を受けていることは間違いない。では、何が出来るかというとコンテンツの著作権に対する新しい形態である。つまり、特定の会社なりが独占的に著作権を利用することでなく、制限を設けながら自由にコンテンツを利用するとの考え方だ。この本の中では、クリエイティブ・コモンズという現在行われている新しい試みを紹介している。
確かに、この考え方は魅力的であるし、おそらく筆者の主張どおりクリエーターの著作権を利用した創作意欲を刺激するに違いない。しかし、もう一方の収益の還元の部分で効果を上げるかは疑問も残る。クリエイティブ・コモンズを推し進めることは一歩前進だろう。収益還元については、これからさらなる模索が必要とされているに違いない。
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