| 5. 企画は3年後を見据えて |
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アニメアニメ
(以下AA)
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『エクスマキナ』では、1作目よりのびのび出来たというのはありますか。
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荒牧伸志監督
(以下荒牧)
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精神的な意味ではそうですね。物理的に言えばデータ量が何倍になったとか、大変さは当然あります。
でも、スタッフから「ここはもっと難しいカットにして見せ場にしたい」とか、提案がたくさん出てきて、それを汲み上げたり、いろいろなチャレンジが出来て良かったですね。
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AA
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逆に、1作目の評判が良かったことがプレッシャーにはなりませんか。
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荒牧
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それは当然ありました。1作目はフルCGの映画として、私にもスタッフにも経験も前例もなかったですから、作業中は出口のない暗闇を突っ走るような感じがありました。
「出来るのかっ?」って、完成する2、3ヶ月前まで一番の心配でした。それだけに最後の2、3ヶ月間はダイナミックに映画としてシーンが組みあがっていった高揚感を多くのスタッフと共有できたのは忘れられない経験です。
(前作は)完成することだけがゴールで、その後の反響とかには全然気持ちがまわらなかった。出来上がれば凄いものになるだろうという漠然とした期待感はありました。
ただ、それがどう評価を得るとか、その後何が起きるのかと言うことに対するイメージが全然なかった。
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AA
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結果として、実際に凄い作品になりました。
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荒牧
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1作目はありがたいことにそういう評価をいただきました。今度はどうすれば受け入れてもらえるんだろう、どういうところが支持されるのだろうと、スタートした最初の1年ぐらいは悩み抜きました。
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AA
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3D映像はどれも見る側の技術への期待値がどんどん高くなります。そうしたことは今回はどうでしたか。
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荒牧
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3年ぐらい前にスタートする時に、3年後に観られることを想定して、じゃあどこまでやればいいのかというのはCGディレクターたちとかなり考えました。
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AA
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今のあるものは3年前にすでに考えていないといけないわけですね。
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荒牧
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そうなんです。3年前に今回のルックを決めた時は「そこまで大変なことをやるの?」と、内部的にも驚かれました。スタッフ的には「こんな手の掛かること出来ないよ」という感じでした。
それでも3年後を考えると、それぐらいやらなければ新しいと思われないだろうと話し合っていました。でも、作業を続けてくるとある時「この程度で大丈夫なのかな?」とだんだん不安になってきたりしました(笑)。
CGに対する視線の厳しさというのはひしひしと感じています。実写だと誰も気にしないようなことでもCGだとこれは変だと必ず突っ込まれるんですよね。
それも含めて気を配ったつもりですが、まだまだ完全に受け入れられていると言う手応えではないですね。でも作り続けるしかないでしょう。自分が面白いと思っていることをみんなも面白いと思ってくれるという確信のなかで作り続けるしかないと思っています。
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(C)2007士郎正宗/青心社・EX MACHINAフィルムパートナーズ
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| 6. 海外そして今後の展開 |
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AA
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『アップルシード』は海外でかなり大きなヒットになりました。『エクスマキナ』への注目もとても高いのですが。
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荒牧
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昨年の暮れから『エクスマキナ』を招待してくれた海外の映画祭などに私も4回くらい行っているのですが、どこでも熱心なファンがたくさん来てくれて私も驚いています。
1作目をみんな観てくれていて、『エクスマキナ』へのファンやメディアの期待感は高い。さらに3作目はどうなるんだと必ず質問されます。そういった手ごたえはありがたいなと思っていますね。
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AA
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前作も含めて驚かされるのが、アニメという場所に留まらず、映画やゲームとかいろいろなファンやメディアの支持が広がっていることです。これは3DCGにすると関心の領域が広がるのだなと思いますか。
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荒牧
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CGで作ることで、あまりアニメに興味が無い層の観客に対しても間口が広がるというのはあると思いますね
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AA
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作るときにアニメファンだけでなく、ゲームファンとか、もっと広く映像ファンですとか、あるいは海外ですとか、より広い観客は意識されるのですか。
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荒牧
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特別にどこの人たちとか、海外の人の顔が見えているわけではないのですが、もともとそういう気持ちはあります。僕は二十何年か前に『機甲創世記モスピーダ』のデザインをやって、そのすぐ後にアメリカとの合作の仕事でロサンゼルスに数ヶ月いたんです。
その時に『機甲創世記モスピーダ』のおもちゃが店頭に並んでいるんですよ。その時は自分が作っている作品がこんなに簡単に海外にいけるんだと新鮮でした。迷わずやっていけば受け入れられるんだなという手応えは当時からありますね。
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AA
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それがいまに続いているわけですね。
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荒牧
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私もアニメファンであり、ゲーム、映像のファンですから。ただ自分がおもしろいと思ってみたい物は、支持してくれる人は多いのではないかという期待はあります。
アニメというのはひとつの表現方法で、特に我々の世代で日本で映像をやるには、アニメが一番制約が無く、いろんな事ができた。予算が厳しくても自分たちの熱意や、仲間意識で無理しても何とかおもしろい映像が出来る。
そして自分たちがおもしろいという確信を持って作品を作れば、結果的に海を越えて届くんだと信じてやってきました。
今回も「海外で評価されて凄いですね」とか言われるんだけれど、すごくおこがましい言い方になるけれど「いえ昔からそうでした」というのが実感なんです。
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AA
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迷わず来た結果がこれだというわけですね。
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荒牧
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そうなんですよ。自分のなかでは、表現したいことは変わっていませんし、自然な流れだと思っていますね。
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AA
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最後に次回作ですとか、『アップルシード3』があるかといったことはどうですか。
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荒牧
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『アップルシード3』についてはチャンスがあればやりたいとは思っていますが、今のところはっきりしたことはいえない状態です。
デザインの仕事はこの春から始まるボンズのTVアニメ「ソウルイーター」のコンセプトデザインをやっています。そのほか、ホビー関係のデザインとか、ゲームのムービーの演出とか、アトラクション系のデザインとか、そういえば、「プロトモスピーダプロジェクト」という実際に走行可能なモスピーダを作ろうと言う企画のデザインもやっています。
デザインの仕事もちゃんとやってますよ(笑)。
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AA
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今後の方向性としては、3Dをより突き詰めていったものでしょうか?
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荒牧
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演出の仕事に関してはそうですね。
でもまだそんな偉そうなことはいえないので、アニメーションの話でも私にやれそうな仕事であればフレキシブルにやらせていただきます。
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AA
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本日はお忙しい中ありがとうございました。
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エクスマキナ APPLESEED SAGA <プレミアム・エディション>
発売元:ミコット・エンド・バサラ
販売元:ポニーキャニオン 価格:¥10290(税込)/4枚組
本編105分
DOLBY DIGITAL
1 オリジナル音声 5.1chサラウンド(日本語)
2 オリジナル音声 2chステレオ(日本語)
3 コメンタリー 2chステレオ(日本語)
英語字幕
プロデュース:ジョン・ウー
原作:士郎正宗(青心社刊)(アップルシード)
監督:荒牧伸志
音楽監修:細野晴臣
衣裳デザイン:MIUCCIA PRADA
(two of Deunan's costumes)
テーマ曲:「RESCUE」HASYMO
(細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏)
声の出演:小林愛
山寺宏一
岸祐二
脚本:たけうちきよと
企画:ミコット・エンド・バサラ
制作:デジタル・フロンティア
製作:EX MACHINA フィルムパートナーズ (C)2007士郎正宗/青心社・EX MACHINAフィルムパートナーズ
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