ども、ロミです。先日「硫黄島からの手紙」を観てきました。アカデミー賞受賞監督が撮ったこの“日本映画”がアメリカでどのような評価を受けるのか、非常に気になるところです。
さて、2007年の初質問です。今回はこうした「気になる」日本映画について。
おきさんからの質問:
この夏(2006年)のアニメの中でも、『ゲド戦記』『ブレイブストーリー』『時をかける少女』の3作はかなりの話題作となりましたが、アメリカではそれぞれ上映予定はあるのでしょうか?また、すでにある程度評価されているのでしょうか?
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■ ゲド戦記
ル・グウィン原作のファンタジー小説をアニメ映画化した作品。アメリカではThe Earthseaと言った方がとおりがよいかもしれません。宮崎吾朗監督、スタジオジブリ制作。
■ ブレイブ ストーリー
宮部みゆき原作のファンタジー小説をアニメ映画化した作品。原作小説がVIZ Mediaにライセンスされたと発表されています。千明孝一監督、GONZO制作。
■ 時をかける少女
筒井康隆原作の同名作品の続編的位置付けとなるアニメ映画作品。(なんだかややこしい…笑)細田守監督、マッドハウス制作。
共通点:どれも小説が原作となっています。
おことわり:筆者は年末に「時をかける少女」を観ましたが、他の2作品はまだ観ていません。機会があれば、もちろん観たいと思っています。
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| 知名度ではゲド戦記か? |
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やはり原作がアメリカ人により英語に書かれたものなので、「小説が映画化される」と言っても原作に馴染みのあるゲド戦記の方が、スタジオジブリ制作ということもあり、どうしても前評判に関して現時点では軍配があがるかたちとなります。
コアなファンはゲド戦記とブレイブストーリーが2006年夏のライバル作品同士だったということを知っています。
(どちらもファンタジー世界を舞台に竜(ドラゴン)が登場するということで。)
ただし、こちらでの公開時期についてはまだ何も発表されていません。過去、ジブリ作品は劇場公開されてきました。ゲド戦記もそうなることを期待されているようですが、その時期については不透明です。
原作者ル・グウィンも自身のホームページに以前に映像化された同作品のTV局側との契約有効期限が切れるのは2009年までない*、としているのでひょっとしたら劇場公開はなく、DVDリリースのみになる可能性もあります。
そうなったとしても、北米では2009年以降の話です。
*参照ページ: http://www.ursulakleguin.com/GedoSenkiResponse.html
はじめのおことわりに書いたように、まだ3作品とも、アメリカには入ってきていません。皆、どんな些細なことでも日本からの情報を待っている状態です。そこでこんな記事がAnime News Networkで報じられていました。
Anime News Networkからの抜粋:
Earthsea Gets UK Release 2006/12/15
While licensing problems are in the way of a North American release of Gedo Senki, UK DVD releaser Optimum will release an English subtitled, region 2 DVD for the UK market in the summer of 2007.
(要約(編注)『ゲド戦記』の北米での公開に障害ある一方で、イギリスでは2007年の夏にDVDが発売される。)
Gedo Senki in Australia 2006/12/22
Quick on the heels of news that Studio Ghibli's latest film, Gedo Senki (Tales from Earthsea) would be released in the UK, Madman Entertainment has acquired rights to distribute Gedo Senki in Australia. A theatrical release is planned for mid-2007 in both Australia and New Zealand.
(要約(編注)スタジオジブリの最新作がイギリスで公開決定後直ぐに、オーストラリア、ニュージーランドでも2007年中の劇場公開が計画に挙がった。)
北米以外の英語圏(イギリスとオーストラリア)ではもうリリースが決まっているんですね。しかも2007年なかばにはオーストラリアとニュージーランドでゲド戦記の劇場公開が予定されています。
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| ファンサブ対策?ブレイブストーリーのDVD |
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ブレイブストーリーは日本国内向けではありますが、英語音声と字幕を含んだリージョン2DVDが昨年11月に発売となっています。
(元記事ページ:http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060920/whv1.htm)
アメリカでの劇場公開やDVDリリース予定はまだ発表されていませんが、この仕様を見る限りすでに英語版は存在していることになります。先に正規版で英語を入れておくことにより、ファンサブを牽制するためのひとつの方法と考えられます。
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| 「時かけ」はアメリカでもダークホースとなりえるか? |
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さて、アニメ!アニメ!さんが2006アニメビジネス10大ニュースでも報じているように「時をかける少女(略して「時かけ」)」が当初の予想以上の客足数で健闘し、業界を賑わせました。
http://animeanime.jp/review/archives/2007/01/2006_1015.html
また、国内外のフィルムフェスティバルにも出品され、すでに受賞もしていますから、今後じわじわと知名度があがっていく予感がします。
Waterloo Festival for Animated Cinemaでの「時かけ」紹介:
http://www.wfac.ca/films/show/39
時をかける少女 スペインで最優秀アニメ賞
ハルヒ 時かけ 神戸で受賞 勢い増すネットの力
文化庁メディア芸術祭大賞に『時をかける少女』など
「時かけ」「ドラえもん」にインビテーションアワード
毎日映画コンクールに’時かけ’ 大藤賞は’鉄コン筋クリート
AMDアワード大賞に「時をかける少女」 監督賞も受賞
アニメ映画「パーフェクトブルー」が海外で高い評価を受けることによって知名度が一気に高まった今敏監督のように、「時をかける少女」がアメリカでも認められれば今後の細田守監督作品のブレイクは必至でしょう。
「Tokikake*」にはぜひとも世界をかけめぐって欲しいですね。
*正式な英語タイトルはThe Girl Who Leapt Through Time
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こころのつぶやき:
偶然にも今敏監督最新作は「パプリカ」であり、原作は筒井康隆の小説。「時をかける少女」と同じ原作者によるものです。
こうなったら私の好きな筒井氏による「七瀬シリーズ」も激しくアニメ映画化希望!(笑)
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| 今年の注目株 |
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「時かけ」は今後が期待される作品ではありますが、アメリカでは同じ筒井康隆作品でも「パプリカ」の方が現在話題となっています。こちらでの劇場公開日もすでに決まりました。
パプリカ米国公開日決定 5月25日に
実は「パプリカ」は昨年劇場ですでに単館上映されているのですが、こちらはどちらかというとアカデミー賞ノミネート作品資格を得るためのものです。
パプリカ ロサンゼルスで劇場上映
記事からの抜粋:
米国ではテレビ放映ではかなり人気の高い日本アニメだが、大規模な宣伝や上映劇場の確保が困難なことから日本のアニメで劇場公開される作品は極めて少ない。劇場公開を行うのは、『パプリカ』が日本の劇場アニメとして非常に関心の高い作品のためである。
同じソニーピクチャーズ系では2005年3月に、やはりソニーピクチャーズ系のマイナーレーベルの配給会社トリンプを利用して『スチームボーイ』が公開されている。この際の公開劇場数は46館であった。
また、今敏監督の作品では、2004年1月の『東京ゴッドファザーズ』の公開規模が10館、2003年9月公開の『千年女優』は6館である。
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…とあるように、アメリカでは劇場公開と言っても規模が非常に小さいものであることを忘れてはならないでしょう。
しかも大抵の場合、公開されるのはいわゆる「アート系」や「インディーズ・海外フィルム」などを上映するメインストリームからは少しはずれたところです。Happy Feetなど、いわゆるblockbuster movieとは同じ土俵の上ですらないのです。
しかし、新しい動きが出てきていることも確かです。
アニメ!アニメ!2006アニメビジネス10大ニュースにもランクインしていましたが、日本アニメ「鉄コン筋クリート」を監督するアメリカ人マイケル・アリアス氏が現れました。
http://animeanime.jp/review/archives/2007/01/2006_10610.html
現在公開中のこの作品、おそらく海外展開を意識しているものと思われます。日本国内外でどう受け止められるのか、注目が集まります。
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こころのつぶやき:
「鉄コン筋クリート」はSTUDIO 4℃制作。「アニマトリックス」(映画「マトリックス」のオムニバスアニメ)の何話かを制作したところでもあります。
マイケル・アリアス氏は当時製作に関わっておられたようで、スタジオとのつながりはきっとそこで生まれたのでしょう。アニメ監督になったのもいきなり抜擢というわけではないようです。
これまでの実績を買われてのことと思います。この業界、「監督になりたい!」と言ってなれるほど簡単なものではないので…そもそも人望がなければ務まりませんし。
ちなみにコンベンションやインタビューでよくアニメ監督に向けられる質問は「どうやったら監督になれるのですか?」というものです。
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成功すれば今後はこうしたハイブリッド作品が増えるのかもしれませんね。 *そうなると以前から議論されている点でもありますが、何をもってして「アニメ」とするのか、定義がさらに難しくなってきます。
「マンガ」についても同じような議論が起こっています。ですが、あらゆる分野でボーダーレス化が進んでいる今日、国際的な競争力をつけていくためにはこうした試みは高く評価できるでしょう。
*ロボテック:影の年代記も国際色豊かなプロジェクトとしてあげられるhttp://animeanime.jp/news/archives/2006/09/2006sf928.html
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和製アニメ・マンガ海外事情に関する質問募集中です。
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| それでは、また。 |
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Ciao,
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| Romy |
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