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【完全子会社化買付代金は15億円】
2月12日、国内大手ゲーム会社のバンダイナムコゲームスは、JASDAQ市場に上場する中堅ゲームソフトメーカーのディースリーに対して、完全子会社化を目指した公開買付けを発表した。
公開買付けは2月13日から開始し、およそ1ヶ月間にわたり行なわれる。買付価格は1株62000円、株価は2月12日の終値が42500円、直近の株価水準に較べて3割から4割程度のプレミアが乗せられている。バンダイナムコゲームスは、応募された株式は全株買い取る方針で、買付代金は発行済株式全株の応募があった場合14億9000万円になるとしている。
ディースリーの株式は、フィールズが57%を保有しており、現在は同社の子会社となっている。フィールズは既に公開買付けの応募する方針を明らかにしている。また、大株主である同社役員からも公開買付けの賛同を得ており、バンダイナムコゲームスがディースリーの株式の7割以上を取得するのはほぼ確実である。
フィールズはパチンコ・パチスロ遊技機の大手企業であるが、2月12日に平成21年3月期の通期連結決算で最終赤字なる業績予想の修正を発表している。また、ディースリー自身も、今期は減収で、最終赤字21億円の計上を予想している。
フィールズは経営資源を主力事業のパチンコ・パチスロ遊技機に特化させることで、業績の向上を狙う。その一方で、今後もバンダイナムコホールディングスと友好関係を築けるとの判断から今回の子会社売却の決断を下した。
【D3はバンナムの事業を補完、北米事業が注目】
バンダイナムコゲームスを保有する持株会社バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)によれば、今回の公開買付けは、重要な成長事業領域である家庭用ゲームコンテンツ事業、モバイル事業、海外事業の強化のためである。
ディースリーはゲームソフト会社としては必ずしも大きくないが、他のゲームソフト会社とは異なるニッチ戦略で差別化をはかっている。モバイルコンテンツ事業、廉価版ゲームソフト事業、海外事業である。いずれもバンダイナムコゲームスがこれまで弱いか、今後強化を目指していた部分である。バンダイナムコゲームスは、ディースリーを獲得することで、短期間でこうした領域で足場を築くことが出来る。
特に注目されるのは、ディースリーの北米市場での強みである。同社は北米事業で、『BEN 10~ALIEN FORCE~』や『NARUTO』といった大ヒットタイトルを保有している。また、現地にゲーム開発子会社を持っている。さらに同社の第3四半期までの売上高のうち71.6%が海外からのもので、中でも北米市場は57.7%である。海外事業への依存率の高い企業である。
フィールズにとっては、景気後退が進む北米事業から撤退することで事業リスクを軽減出来る。一方で、バンダイナムコHDは、北米市場での『ベン10』、『NARUTO』などの玩具をバンダイが取り扱っており、こうした面でのシナジー効果も期待出来る。
【スケールメリットを目指し始めたゲーム会社】
バンダイナムコHDとバンダイナムコゲームスは、国内のゲーム市場に限界が見えていることから、ここ数年海外事業の拡大を視野に入れている。既に、ヨーロッパ地域では、流通販売網の拡大を狙いアタリの販売子会社の買収を決めたばかりである。
今回はディースリーを子会社化することで、さらに北米市場での足場を固めることになる。ここ数年バンダイナムコゲームスが繰り返し述べてきた、海外市場での成長が現実味を帯びてくる。
また、バンダイナムコゲームスは、今回の公開買付けの理由のひとつに寡占化が加速するゲームソフト市場で、スケールメリットを創出し、優位性を構築することを挙げている。国内では今年になってスクウェア・エニックスが、UBIソフトやアクテビジョン・ブリザートのゲームソフトの国内販売で提携を結んでいる。これらの提携も、スクウェア・エニックスのゲームソフト販売におけるスケール拡大による優位性を目指したものだとされている。
ゲーム業界では2002年以降大型合併が相次いだ、その一方で優れたゲームを開発する中堅ゲームメーカーも存在している。そうした会社は自社の個性を強みとしている。しかし、大手のゲーム会社は、再び企業規模の拡大により事業成長を指向しだしているようだ。
バンダイナムコホールディングス http://www.bandainamco.co.jp/
バンダイナムコゲームス http://www.bandainamcogames.co.jp/
ディースリー http://www.d3i.co.jp/
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