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米国の主要なアニメ流通会社のひとつであるADヴィジョンとその子会社ADVフィルムが、再び米国のアニメDVD市場で積極攻勢に転じるようだ。これは米国のポップカルチャー業界情報サイトICv2で掲載された、ADヴィジョンのジョン・レッドフォード社長のロングインタビューで明らかになった。
このインタビューによればADVは、先に発表した『Clannad』テレビシリーズの2009年の発売のほか、『こはるびより』、『まほろまてぃっく』シリーズ、『月姫』、『Pet Shop of Horrors』など複数の作品を発売する。この中には、これまでジェネオン エンタテインメントUSAやTokyopop、アーバンビジョン、メディアブラスターなど他の企業が発売をしていた作品も含んでいる。
これらの作品はSentai Filmworksが、ライセンスを獲得し、ADVがDVD制作、発売、流通を行う。またADVは実写映画でも、Switchblade Picturesを通じて同様のビジネスを行うとしている。
ADヴィジョンは米国大手のアニメDVD流通会社であるが、過去数年間米国のアニメ業界で起きたアニメDVDの売り上げ減少に大きな影響を受けた。アニメ業界の中でも特に周辺事業への拡大を図っていたことや、大企業の子会社でない独立系アニメ流通会社であることも、同業他社に較べて事業への打撃が大きかった理由である。
そうした中でヨーロッパ事業や出版事業などの縮小を余儀なくされた。また、日本の主要なビジネスパートナーである双日との関係も途切れたとされ、レッドフォード社長は今回のインタビューの中でこうした事実を認めている。
今回ADVは、Sentai FilmworksとSwitchblade Picturesと提携することで、日本のアニメや映像作品のビジネスに再び乗り出すことになる。
北米の日本アニメのDVD市場は、大手のファニメーションの勢いが増しシェアが拡大している。VIZメディアとバンダイエンタテインメントの健闘も目立つが、市場全体は寡占に向いつつある。今回大手の一角であったADVが復活すれば、市場が活性化しアニメ市場全体にもよい影響があるかもしれない。
しかし、長文のインタビューであるにも関わらず、明らかにされていない点もある。ひとつは、ADVがパートナーシップを組むSentai FilmworksとSwitchblade Picturesが今まであまり聞いたことのない会社である点である。
レッドフォード社長の説明によれば、日本のアニメや実写作品の権利を購入するのは両社で、ADV自体はDVDの制作と発売、流通を担当するのみのようだ。そして、Sentai FilmworksとSwitchbladeは、ADVグループの子会社ではないと明確に否定している。
Sentai FilmworksとSwitchbladeは、米国での日本作品のライセンスを一括購入するために新たに設立された会社のようだ。DVD制作事業や流通販売事業を持たずに、そうした事業に実績のあるADVの流通部門を全面委託する組織となるのだろう。
こうしたビジネススキームは実は今回が初めてでない。既にADVとビジネスの袂を分かった双日と日本政策投資銀行、クロックワークスが、ADVとの提携の際に設立したARMも同様の機能を持っていた。つまり、ライセンスの獲得を別会社が行うことで、ADVのライセンス獲得コストとそのリスクが大きく削減されるものである。
ARMについては出資者が発表されていたが、Sentai FilmworksとSwitchbladeの出資者が日本企業なのか米国企業なのか、アニメ関連の企業なのかは現在のところ明らかにされておらず気になるところではある。
ICv2 http://www.icv2.com/
Interview with John Ledford, Part One
Interview with John Ledford, Part Two
ADヴィジョン http://www.advfilms.com/
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