「声優志望者は専門学校にも養成所にも行くな!」音響監督・長崎行男と福原慶匡Pが明かす、声優業界のいま【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「声優志望者は専門学校にも養成所にも行くな!」音響監督・長崎行男と福原慶匡Pが明かす、声優業界のいま【インタビュー】

アニメ産業の広がりとともに、歌、ダンス、タレント活動など多くの場面で活躍するようになった「声優」。音響監督・長崎行男氏とアニメプロデューサー・福原慶匡氏に若手声優志望者と声優学校業界にまつわる赤裸々なお話を聞いた。

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■変わりゆく声優学校業界のスキーム


――そういった認識の甘い声優志望者が増えている土壌には、声優専門学校や養成所の影響もあるのでしょうか? またそういった学校はどういう教育をしているのでしょう。

長崎所長:10年くらい前に声優志望者増加のムーブメントがあって、その時に声優コースを持つ専門学校が急増しました。ゲームが流行ったときにはゲームやCGの学校が増えましたから、そういうものなんですね。専門学校もビジネスですから。

でも声優専門学校を卒業してもほとんどの人が声優にはなれません。大量の声優志望者が行き場をなくします。
そこで、声優事務所が養成所を開いて声優になれなかった専門学校卒業生を入れ、1、2年のトレーニングを受けさせていい人は準所属にするスタイルができました。これがすごく儲かったんですね。それが5年くらい前の話です。

そうすると、老舗プロダクションや大手ではそんなことはないんですが、新しくできた事務所なんかでは新人教育より養成所ビジネスの方を一生懸命やるようになっていくんです。そうなるといい声優が育つわけがありません。

そして、そんな状況もここ1、2年でまた大きく変わりました。

――どう変わったんですか?

長崎所長:事務所がアニメ系イベントで儲けられるようになったんです。新人声優のアニメ収録のギャランティは1回1万5千円、事務所に入るのはその2、3割です。でも主役声優であればイベント出演で1回2、30万円もらえます。

そうするとどういう事が起きるかというと、声優としての出演費はランクを上げると仕事が取りにくくなるので1万5千円から一切上げないんです。アニメの出演は宣伝と割り切って、いくらでも安い値段で請け負う。
その代りイベントやゲームの収録の方で稼ぐんです。今はそういう流れになっています。

ライブイベント自体は、会場費や設営費などと差し引きするとそんなに儲からないんです。トントンくらい。
その代わり当日物販がものすごく儲かるんです。物販が儲かれば、主催者も出演者も事務所もWin-Win-Winです。イベント主体の声優はアニメの出演本数は少ないですが、収入は相当多いはずですよ。

――かなり具体的なお話ありがとうございます。それにしても、どうしてそういうトレンドになったんでしょう? イベントが増えたからでしょうか?

長崎所長:イベントも増えましたし、やっぱりライブを開催できるアイドル物アニメ増加の影響が大きいですね。
でもこういう移ろいの速い時代ですから、この養成所ビジネスのトレンドも近いうちにシュリンクすると思っています。


――それはどうしてですか?

長崎所長:養成所に集まってくる玉石混合の人たちの中からいい子を探すよりも、駅前でイベント映えするいい子を探してその子だけに集中的に指導した方が効率的だからです。芸能プロダクションと全く同じ考え方です。

もうひとつの方法は声優志望者のオーディションですね。全国からオーディションでいい子だけを集める。
実際、声優事務所とアニメ制作会社や雑誌社がタッグを組んで行う、主役声優の一般公募も増えています。
また、事務所独自で行うオーディションもあります。81プロデュースの近年の人気声優は軒並み毎年8月1日に開催されている81オーディションでデビューしていますが、あれは一般公募なんです。

一般公募であれば全国から人を集められますし、オーディションに応募するくらいモチベーションが高い人達が集まるわけですから、そこから優秀な人が出てくる確率はかなり高いんですよ。
今後はそっちから優秀な人をピンポイントで集めて集中的に指導する方向にシフトしていくんじゃないかと思っています。

福原: イベントでマネタイズできていれば養成所に無闇にたくさん人を集める必要がないですしね。

長崎所長:そうです。そうなれば業界全体も徐々に健全化していくんじゃないかと思います。

■声優志望=就職活動の始まり


――長崎さんの本意がだんだん分かってきました。「声優志望者は専門学校にも養成所にも行くな!」というのは、本気で声優になりたい人は自分で一般公募のオーディションにエントリーするくらいしている、ということでしょうか。

長崎所長:そうです。専門学校や養成所に行こうが行くまいが、本気でなりたい人間は自分で考えて動いているんです。

たとえばブシロードの佐々木未来(ささき・みこい)さんは岩手出身ですが、近くに専門学校や養成所がなかったので高校の演劇部や放送部で自主トレーニングをし、自分でオーディションを探してエントリーしていたんだそうです。
その結果『探偵オペラ ミルキィホームズ』の作品オーディションで役を掴んでデビューを果たしました。

最近若手の声優さんたちと話していて感じるのですが、絶対に声優になる、なれると確信している人だけが残っていますね。

福原:最近は4年制大学にも声優科があったりしますし「なれたらいいな」という人は多いと思いますが、そういったスタンスでは厳しいでしょうね。


長崎所長:学校や養成所に授業料を払っているんだから何かを教えてもらえる、という姿勢ではダメです。それはお客さん側のスタンスであってプロのそれではありません。

福原:プロといえば、社会人の中にも単に受動的に働いて労働時間分の給料をもらっているだけの人もいれば、給料分の価値とは何かを自分で考えて能動的に生み出している人もいます。
職業人であれば誰でもプロかというと、それも少し違うのかなと思います。

そう考えると、受動的な人が大半で能動的な人はごく一部、というのは声優志望に限らず人間社会どこでも同じなのかもしれません。

――なるほど。声優を目指すということも実は普通の就職活動と同じなのかもしれませんね。

長崎所長:本当にそうだと思います。就活では誰でも自分の志望業界がどんなところで今何がトレンドなのかとか、志望企業がどんな会社でそこではどんなキャリアが形成できて自分は数年後そこで何をしていたいのか、など、ふつう自分で調べて自分で考えますよね。
一生モノの仕事をしたいと思うなら調べるはずです。声優を目指すこともそれと同じです。

――就職活動と同じで、どの学校にいようがいまいが自分のやりたい仕事があるなら主体的に調べて積極的に行動するはずだ、という長崎さんの発言は至極真っ当に思えてきました。声優という仕事は目指した瞬間から就活が始まっているんですね。

■リアリストが教える現場直結の“研究所”


――そんな中でヤオヨロズボイスラボを活用するとすれば、どんなメリットがありますか?

福原:現場直結であることです。他の養成所のように卒業するまで現場に出てはいけないという事はなく、在籍中にどんどんデビューさせています。
また、スクールではなくラボ(研究所)ですので、教えてもらうのではなく主体的に演技を研究したい人にとっては快適な環境になっています。

長崎所長:養成所と掛け持ちで来ている人もいますし、僕もいい人がいれば本当に仕事をお願いします。
今年の春からスタートした『キラッとプリ☆チャン』で「だいあ」という役をやってもらっている佐々木李子さん(ささき・りこ)はそのパターンで、昨年夏にラボで出会ったのがきっかけでオーディションに来てもらいました。

また、今日お話したような業界トレンドの変遷やギャラの話なんかも入所式の時にしています。本気で業界に行きたい人には必要な情報ですから。

福原:僕も自分の授業では声優業界の産業構造やお金の流れなどについて話をしています。職業人として自分が誰からお金をもらっているのかは知っておく必要がありますので。
このように、リアリストが運営していることがヤオヨロズボイスラボの一番の特徴かもしれないですね。

――それでは最後に、本気で声優を一生の仕事にしようと考えている人へのメッセージをお願いいたします。

長崎所長:専門学校や養成所に入る前に、まず自分でオーディションを探してみてください。
今回紹介した81オーディションの他に、中高生であれば声優魂というコンテストなどもあります。また特定の作品のオーディションもありますね。

そうやって調べていく中で、確かに専門学校や養成所の卒業試験でしか行われないオーディションもありますから、どうしてもそれを狙いたいのであれば、それを目標に学校に入学するのはありだと思います。
ただ、まずはその時点で受けられるところをいろいろ自分で調べるべきですね。

福原:声優という仕事はアニメ産業の世界的な拡大と成熟によって競争がどんどん激しくなっています。ラボにはその競争に勝つために教えられるものは全て揃えてありますので、絶対に必要な僕らが教えられないもの「情熱」だけは必ず持ってきてください。今もオーディションを開催していますので本当に声優になりたいなら是非ご応募下さい。

――ありがとうございました。

「ヤオヨロズ ボイスラボ 声優☆特待生オーディション!令和の夏」

音響監督・長崎行男氏が所長を務める声優・俳優養成機関ヤオヨロズ ボイスラボ が、全国から新しい才能を求めて、本気で声優になりたい方を対象とした特待生オーディション『ヤオヨロズ ボイスラボ声優☆特待生オーディション!令和の夏』を開催!
審査委員長は、当養成機関の所長であり大ヒットアニメ「ラブライブ!」「KING OF PRISM」等の作品で活躍する音響監督・長崎行男氏が担当。その他、アニメーションプロデューサー・福原慶匡が審査を担当し、声優としての可能性を直接審査!
上位入賞者はその評価に応じて特待生となり、最高賞は学費全額免除で、長崎氏ら現役プロフェッショナルの育成レッスンを無料で受けることができます。
また、副賞としてエスターセブン音響制作作品へのアフレコ参加特典も用意。
■応募資格
・2019年9月から都内でのレッスンへ参加可能な心身ともに健康である男女
・声優俳優事務所や付属の養成機関に属していない
・他プロダクション・レコード会社等と契約をしていない
 以上すべての条件を満たす方

■審査概要
応募(WEB)受付期間:6月17日(月)~7月23日(火)
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一次審査(書類選考)7月25日(木)までに、通過者のみに順次結果と二次審査の詳細を通知
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二次審査(実技・面談)7月1日(月)~28日(日)の期間に、東京にて開催予定
※最終審査の詳細は、審査を通過した方のみにご連絡いたします。
 ↓
最終審査(実技) 7月31日(水)東京にて開催予定
※応募者多数につき審査期間を延長しました(合格者に上限はございません)。
※日程は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

■受賞特典
ヤオヨロズ ボイスラボ 「ベーシック クラス」受講料無料+エスターセブン音響制作作品への出演 等、成績に応じて特待生としての各種特典を用意。

■応募方法
『ヤオヨロズ ボイスラボ 声優☆特待生オーディション!令和の夏』特設エントリーフォームからのWEB応募

なお、受験料は無料ですが、会場までの交通費は自己負担となりますので、ご了承ください。

■主催/協力
主催:株式会社エスターセブン
協力:株式会社ジャスト プロ、株式会社クロコダイル、株式会社BloomZ、ヤオヨロズ株式会社
>詳細はコチラ

《いしじまえいわ》
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