2017年11月5日(日)、第4回新千歳空港国際アニメーション映画祭の閉会式・授賞式が、北海道・新千歳空港ターミナルビル内「ソラシネマちとせ」にて行われた。2017年11月2日(木)に開幕した本映画祭のコンペティション部門には、85の国と地域から2037作品の応募があり、そのなかから44作品をノミネート作品として選出。スロベニアのイゴール・プラッツェル、スイスのミヒャエル・フライ、ロシアのアンナ・ブダノヴァ、中国のリュウ・ジアン、日本の黒坂圭太の5名を国際審査員に、グランプリはフレデリック・トレンブレイの「Dolls Don’t Cry(原題)」、初監督作品ないしは学校卒業後の初作品に与えられる新人賞はニキータ・ディアクル「Ugly(原題)」、日本グランプリは関口和希の「死ぬほどつまらない映画」が受賞した。グランプリのトレンブレイは授賞式で「ありがとうございます。私はとても幸せです」と滑らかな日本語で喜びを語ったのち「約80の映画祭に応募し、いくつか賞をいただいて来ましたが、一番賞をほしかったのがこの新千歳空港国際アニメーション映画祭です。なぜなら、とてもユニークな映画祭ですし、札幌も大好きな街でこれまで7,8回は来ていたからです。また戻ってきたいです。ここは世界で最も平和な場所だと思います。ありがとうございます」とコメント。会場は大きな拍手に包まれた。また新人賞のディアクルは「不思議な気持ちでいっぱいです。4年かかって作ったのですが、友人たちと出会い、空港という場で最高の経験ができました。ハローキティ・ランドにも行けたし、現実のものとは思えません。ありがとうございます」とユーモアで会場を沸かせながら語った。日本グランプリの関口は、審査員の黒坂による「現代社会の歪みに、かわいらしいキャラクターを用いつつ果敢に切り込んだ」という選評に対し、「個人的な“怒り”が、みなさんに受け入れてもらえたのかと思い安心しています」と返答した。新千歳空港国際アニメーション映画祭は2013年から毎年秋に、北海道・新千歳空港ターミナルビルにて開催。空港で行われる映画祭という独自のロケーションとともに、短編アニメーションのコンペティション部門や、長編アニメの招待上映、世界中からの豪華ゲストを招いたトークセッションやメイキングステージなど、幅広いアニメーションファンから注目を集めている。本年は特集として、『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭でクリスタル(グランプリ)を獲得した「湯浅政明」特集、アニメーションとの関連性を深めている「インディ・ゲーム」特集が組まれた。■アワード・グランプリ「Dolls Don't Cry(原題)」(カナダ)/監督:フレデリック・トレンブレイ・日本グランプリ「死ぬほどつまらない映画」(日本)/監督:関口和希・新人賞「Ugly(原題)」(ドイツ)/監督:ニキータ・ディアクル・審査員特別賞「ハリネズミの家」(カナダ、クロアチア)/監督:エヴァ・ツヴィヤノヴィッチ「Everything(原題)」(アメリカ)/監督:デイヴィッド・オライリー「Negative Space(原題)」(フランス)/監督:マックス・ポーター、ルー・クワハタ「Airport(原題)」(スイス、クロアチア)/監督:ミカエラ・ミュラー「Orogenesis(原題)」(スペイン、フランス)/監督:ボリス・ラベ・ベストミュージックアニメーション賞「ことの次第」(日本)/監督:折笠良・観客賞「Negative Space(原題)」(フランス)/監督:マックス・ポーター、ルー・クワハタ・キッズ賞「ハリネズミの家」(カナダ、クロアチア)/監督:エヴァ・ツヴィヤノヴィッチ・新千歳空港賞「The Pear(原題)」(中国)/監督:トンレコ、ワンギハオ・外務大臣賞「Echo Chamber」(日本)/監督:折笠良・観光庁長官賞「here AND there」(日本)/監督:小光・北海道知事賞「Pivot」(日本)/監督: 佐竹真紀・ISHIYA賞「Land without Evil(原題)」(カナダ)/監督:カタリーン・エゲリィ・サッポロビール賞「Lovestreams(原題)」(アメリカ)/監督:ショーン・バッケリュー・北洋銀行賞「僕らはけっきょく人間」(チェコ共和国)/監督:ヤン・ミカ・北海道銀行賞「Bulse」(日本)/監督:野々上聡人・北海道コカ・コーラ賞「The Last Eye(原題)」(スイス)/監督:ハビエア・デュクリー・よつ葉乳業賞「そり」(ロシア)/監督:オレーシャ・シュキナ・ロイズ賞「Rainbow(原題)」(韓国)/監督:カン・ヒーキュン