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「君の名は。」のヒットと巨大化した中国映画市場

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(c)2016「君の名は。」製作委員会
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■迷走を続ける日本の実写映画

「2時間を超える長編や、身の周りの何気ない日常を題材にしたものが多く、その上、テンポが遅い」――それは日本の実写映画に対して、中国の一般観客が抱いている印象である。むろん、そのような偏った評価の背後には、ポルノやホラーといった売れ筋の日本映画が中国の映画検閲制度と相いれず、ほとんど輸入できないという現実もある。
事実、『ビリギャル』、『寄生獣』の興行成績は芳しいものではなく、それまでの『ノルウェーの森』などはさらに惨憺たるものであった。スペクタクル性の乏しい日本の実写映画は、ハリウッドの大作映画に慣れ親しんでいる中国人のニーズに合わないようだ。
だが、その一方、日本映画に対する中国人の熱狂的な反応は、2016年4月、そして6月に開催された北京国際映画祭、上海国際映画祭の際に垣間見られる。たとえば、第19回上海国際映画祭では、50本の日本映画の最新作が上映され、人気映画のチケットがすべて入手困難であり、ダフ屋の値段は定価の何倍にも上ったという。
このような一般公開の場合と、映画祭上映での日本映画に対する受け止め方の温度差について、上海国際映画祭の運営に携わった蔡剣平(ツァ・ジェンピン)氏(上海芸術電影連盟)は次のように分析している。「オールスター出演の『64‐ロクヨン‐』、あるいは二宮和也のスター性を売りにした『母と暮らせば』は、上海国際映画祭では大きな反響を呼んだ。だが、全国で一般公開されるとなると、ヒットするとは限らない。日本映画ファンは、上海、北京、広州などの大都会に集中しており、しかも高学歴層が中心となっているからだ」。
こうした状況のなかで、日本映画にとっての朗報はあった。2016年10月に、アートシアターの建設を促進すべく、中国政府機関主導の「全国芸術電影連盟(全国アート映画連盟)」が発足し、現在の100劇場から3000劇場まで拡大するプロジェクトを立ち上げている。将来的に、よりバリエーション豊富な日本の実写映画はアートシアターというルートをつうじて、流通することが期待できそうだ。
そのなかで、日本映画を中国市場に売り込むだけに留まらずに、製作や配給にも直接参与しようと試みる日本映画人が現れるのも、ごく自然な流れであろう。
《劉文兵》
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