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「バイオハザード:ザ・ファイナル」ポールW.S.アンダーソン監督インタビュー シリーズ原点である“ホラー”に立ち返った

2016年12月23日から日本での世催促公開が決定している『バイオハザード:ザ・ファイナル』。本作で監督を務めているポールW.S.アンダーソン監督に作品の魅力や見どころについてうかがった。

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■ 演じきった彼女には「次は何をしようか?」と声をかけようかな

―2年前に『ポンペイ』(14)で来日された際、「5とは、そうとう違う作品になりそうだよ。ビジュアルの点も含めて、もっとハイテンションで、恐怖も倍増。たぶん、これまでのファンはショックを受けて、驚くと思うよ。本当に心底“最高のバイオになると思う」とおっしゃっていましたが、実現しましたか? 

ポール
100%実現できたという自信があります。ビジュアル的にも目を見張るものがあるし、ロケーションの選択もばっちりだったと思います。今までの作品に比べれば、よりザラザラしたリアリティを感じるような映像になっていますし、よりエモーショナルな作品に仕上がっているので、ファンにとっては新鮮なのではないかなと思います。遂にアリスの物語の終わりであり、彼女やアンブレラの真実が明らかになりますからね。それによってエモーショナルな内容になっています。また、1作目はホラー色が強い作品だったと思いますが、その要素がまた戻ってきます。壮大な世界観ではあるんですが、最初の作品が持っていた閉塞感、そしてそこから湧き出る恐怖感というものも感じられます。アクションは今まで手掛けたどの作品と比べても最高のものになっています。それらのコンビネーションできっと満足していただけると思います。

―今回は日本からローラさんが参加しています。起用された理由は?

ポール
『バイオハザード』シリーズにはそもそものDNAに「日本」というものが色濃くありますので、映画を作ってきた中でも日本との絆を大切にしてきました。中島美嘉さんとの渋谷でのシーンでもその絆をより強めることができたと思っています。今回の作品は北米が舞台になっていますが、日本とのリンクは続けたいと思って、ローラを起用することになりました。しかし、彼女が現場に来たときは、おそらくショックを受けたと思います。というのも、中島さんのシーンは、白い空間の中でおしゃれにスタイリングをされた衣装に身を包み、ゾンビにしては髪型も最高にキマっていたし(笑)、そういうキレイな環境の中で撮影ができたんですが、一方ローラが来てくれたアフリカの地はスタジオのセットではなく、ロケーションで土や埃にまみれながら、血塗られた大きな刀を持ってもらっての撮影でした。最初は驚いたと思うのですが、仕事ぶりは最高でしたね!文句ひとつ言わず、乗り越えてくれました。アクションシーンもかなり良いシーンがあるのでお楽しみに!


―今回の作品は、ミラさんとはどういう会話を重ねて、どういう想いで作りましたか? また、アリスにイーストウッドのイメージを重ねていると言われていましたが、今回は?

ポール
今回のルックスが、かなり地に足のついたリアリティ溢れるものになっているのは、よりキャラクターと向き合って、彼らの感情を観客の方にも感じてほしいと思うところからできあがったもので、それはミラとの会話の中から生まれてきたものです。アクションの上では、今回も間違いなくミラはイーストウッドですが、加えて今回は、今までの作品に比べるとびっくりするくらいエモーショナルな作品に仕上がっています。アリスが自分にまつわる真実を知るシーンのミラの演技を見て、あまり感情的にならない僕もすごく心を動かされました。今回が最終章で、彼女の物語がここで完結するということもあるのですが、なんといっても自分が誰であるかを知ることによってもたらされる感情には本当にグッときます。観客の方もそれを知って、改めてこれまでの『バイオハザード』を違う目で見直したくなるのでは?そういうミラの演技が作品に新しさをもたらしてくれていて、シリーズにとってとても良かったと思います。

―アリス役を演じきったミラ・ジョヴォヴィッチさんに、監督として、夫としてかける言葉は?

ポール
「次は何をしようか?」と声をかけようかな(笑)。

―映画界でこれだけの超大作のシリーズを、パートナーと共に作ってきた映画監督というのは稀有だと思います。あなたの監督人生において、『バイオハザード』はどういう存在ですか?

ポール
そうですね。6本の作品に同じ映画監督がここまで関われたというのは本当に稀有だと思います。さらに作品としても成功していて、同じ役者が主演で、というのもシリーズとしては珍しいのではないかな。例えば『ワイルド・スピード』なんかもオリジナル・キャストのヴィン・ディーゼルが最後の30秒しか出てこないなんていう回もあったりしますよね。僕らがこの作品で達成できたことというのは、すごく誇らしく思っています。しかも、1作目のときはドイツと日本の出資だけで作られ、アメリカでの公開も実際に撮影が終わってからやっと決まるというくらいで、成功への期待も非常に低いものでした。そんな中で見事に成功を収めることができたことも誇りに思います。関わった人々が100%コミットして、自分たちが作りたいからという熱い想いで作っていたからこそ、これだけのものができたのだと思います。僕自身、1作目ではギャランティが決まらないうちに脚本をすべて書き終えて、そのあとで脚本代を決めたんです。監督料もあとからもらうようにしています。ミラを含め、クリエイティブな人々が純粋に作りあげたシリーズなのです。

―ありがとうございました!
《animeanime》
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