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「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」武本康弘監督インタビュー 映画の魅力はキャラクターのピュアなかわいらしさ

『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』が12月5日より全国公開。武本康弘さんが監督を務めた。その武本監督に作品の魅力やみどころをうかがった。

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――遙、真琴、そして新キャラである椎名旭、桐嶋郁弥を加えた今回のメインキャラクター4人について、監督から見た魅力を教えていただけるでしょうか。

武本
僕から見ると『映画 ハイ☆スピード!』に登場するキャラクターは全員ピュアでかわいらしいですね。
まず遙は融通の利かなさがかわいい。自分の信条に対して揺らがないというか、たとえ相手が誰であっても自分のポリシーを貫いていくところは、幼さが含まれているとしてもうらやましく感じます。
そして、その側に寄り添う真琴は果てしなく良い奴。ただそのぶん、底が見えないところがあって、そういう点では描くのが一番難しいキャラでもありました。ただこの2人のずっと変わらない関係性は本当に眩しいですね。

――新キャラクターの旭と郁也のほうは?

武本
郁弥はひねくれ者で皮肉屋なのですが、根っこのところは純粋で純真なんだと思います。人と向き合うときには、心に壁を作り、ダメージを負わないように最大限に警戒したうえで、その壁の向こうからこそっと覗いてくるようなところがかわいらしいなと。
それに対して椎名旭は逆に、他人に対して壁を一切作らないところがかわいい。真っ直ぐでわかりやすくて、次に何を言うのか、どう行動するのかが、傍目から見て予想がつけやすい。そういうわかりやすくて真っ直ぐなところが気持ちいいですね。


――ちなみに4人の先輩として登場する新キャラクターの桐嶋夏也と芦沢尚も、かわいいという見方になるのでしょうか?

武本
このふたりに関してはかっこよく描いています。遙たちより少しだけ多い経験を積んでいて、もう少し広い視点からアドバイスを送ったり、怒ったりということがちゃんとできる子たちとして。細かく口を出すわけではないけれども、ちゃんと見守っている先輩……でも僕からすれば、やっぱりこのふたりもかわいいと感じます(笑)。

■ 一番大事なのは、遙が遙であること。

――キャラクターを表現するにあたって、キャストの方へはどういったオーダーを出されたのでしょうか。

武本
僕からキャストのみなさんにお願いしたのは、ただ一言、テレビシリーズと同じ気持ちで演じてくださいということだけでした。というのも、はじめに『Free!』を立ちあげるとき、キャストのみなさんと音響監督の鶴岡さんで、ゼロベースからキャラクターを作り上げていった経緯を伺っていたので、映画から監督になった僕が手をつけるべきところではないなと思ったからです。実際、『映画 ハイ☆スピード!』の演技もものすごくいいものに仕上がりました。キャストのみなさんと鶴岡さんのおかげですね。


――映像面についても伺わせてください。『映画 ハイ☆スピード!』は映画であるということで、画作りの面でテレビシリーズとの違いもあるのではないかと思うのですが。

武本
テレビシリーズと分けて、映画だからこうしようということは考えませんでした。作品にとって一番大事なのは、遙が遙であること、真琴が真琴であることだと思うので、彼らのドラマを伝えるうえで最適な演出を探るという点で、映画とテレビシリーズで違いはないですね。

――テレビシリーズでは競泳における筋肉や水の美しさが印象的でしたが、その点はいかがですか。

武本
筋肉に関しては、高校生から中学生に遡ったぶん、テレビシリーズからは変わってしまった部分です。ただ、『Free!』の肉体美が完成されたものの美しさだとすれば、『映画 ハイ☆スピード!』のそれは不完全なものの美しさではないかと思っています。欠けたるものがあればこその、危うさを含めた美しさがあるのではないかと。
また水の描写は『Free!』から変わらずこだわった要素のひとつです。撮影のセクションで処理を加えているのですが、スタッフも意欲的にブラッシュアップを重ねた部分で、テレビシリーズよりもさらに洗練された表現をお見せできる自信があります。楽しみにしていてください。


――最後にあらためて、これから鑑賞するファンの方々へのメッセージをお願いします。

武本
映画で描かれるのは、中学1年生の短い期間ではありますが、その時間を生きる遙たちの姿をものすごく真剣に追いかけています。そこで彼らが何を思い、何を語り、どう行動したのか、『Free!』を観るときと同じ感覚で味わっていただけたらうれしいです。


「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」
12月5日全国ロードショー
http://movie-highspeed.com/
《高瀬司》
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