10月22日(木)に東京・台場のホテル グランパシフィックLE DAIBAにてTIMM主催セミナー『Sync Summit in TIMM; a J-Music Lab seminar』が開催された。「Sync Summit」はニューヨーク、ハリウッド、ロンドン、パリなどで実施される、音楽によるタイアップ(シンクロ)に特化したセミナーイベントだ。今回は主催者のマーク・フレイザー氏がモデレーターを務め、海外で活躍する4名がパネリストとして登壇した。ディズニー・インタラクティヴのグウェン・ライリー氏、ミュージック・スーパーバイザーのジョン・ビッセル氏、ピクチャー・ミュージック社長のノラ・フェルダー氏、グッドバイ・シルバーステインのスーパーバイザーであるトッド・ポーター氏である。ゲームをはじめとしてさまざまな音楽のマッチングを手がけるグウェン氏は、日本の音楽もアメリカ市場に売り込むチャンスはあるとする。しかしアメリカのマーケットへ展開するにはローカルデベロッパー(地元の業者)に判断してもらう必要があると話した。アメリカの国民的行事でもあるスーパーボールのCMも手がけてきたトッド氏は、アメリカ、日本、ドイツほかで今年行ったAdobeグローバルキャンペーンのCMも担当した。このなかで登場する日本の風景を映し出した静謐な映像にマッチするミュージシャンの選考も行った。トッド氏はこれについて「200曲以上の中から1曲が選ばれた。偶然はない」と話す。そのアーティスト選定のためにコンタクトを取ったのはアメリカに拠点のあるマッチング業者だった。一方でグウェン氏が曲を探す際にWeb音声ファイル共有サービス「SoundCloud」を利用しているとのことだ。おもしろいアーティストやメジャー契約してない人を常に探しているため、「(アーティストは)ぜひアップしてほしい!」と話した。グウェン氏の話を受けたマーク氏のコメントが印象的だった。「日本でどんなに有名でも、私たちにとっては新しい人」だ。つまり知らなければマッチングの候補に挙がることは永遠にないということだ。ノラ氏は「アメリカと日本とのビジネスの違いを理解した上で、日本のアーティストを引き合わせてくれる人がほしい」と語った。日本のアーティストが世界市場でマッチングされるために、グウェン氏は日本のローカル・地元の代理人が必要であり、スムーズにコミュニケーションが取れることが鍵になると述べた。マーク氏は最後に「パートナーが重要だ」とまとめ、白熱するサミットを締めくくった。今回のセミナーで海外市場では、日本の音楽を特に求める感覚は薄いのだと実感した。日本にも多様なジャンルがあるのだが、認知されるに至っていないのが現状のようだ。日本と海外の音楽を繋ぐキュレーターや代理人の登場が、ジャンルやアーティストの育成よりも急がれるのかも知れない。ただ、現在も日本の音楽を紹介する場として、アニメコンベンションなどのプラグは用意されている。今はまだ限られたジャンルやアーティストの参加に止まっているが、様々なアーティストが積極的に参加することで、世界にアピールすることは可能のはずだ。閉じこもることなく海外へアピールする。そうすることで縮小しつつある日本の音楽業界にも突破口が見えてくるのではないだろうか。[細川洋平][/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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