SF・ファンタジー小説の大家である菊地秀行氏の代表作『吸血鬼ハンターD』が3たびアニメ化されることになった。しかも、フルCGのアニメとなる。2015年7月2日、米国で開催された大型アニメイベントのアニメエキスポ2015(Anime Expo 2015)にて、日本のCGスタジオのデジタル・フロンティアは『吸血鬼ハンターD』をフルCGでアニメ化すると発表した。発表会はカリフォルニアに拠点を持つ映画会社ユニファイド・ピクチャーズ(Unified Pictures)と共同で開催、作品も両社の共同製作になる。CGアニメーションでの制作だ。『吸血鬼ハンターD』は、1983年から菊地秀行氏が執筆を開始したファンタジー小説である。吸血鬼たちに支配された未来の地球で、吸血鬼と人間の双方の血を引き、吸血鬼ハンターとして生きるDの物語が描かれる。シリーズは1980年代に『吸血鬼ハンター"D"』としてアニメ化されている。また2000年には日米合作で劇場映画『バンパイアハンターD』が製作された。アニメーション制作にマッドハウス、監督に川尻善昭氏を迎えた本作は米国で大ヒット、北米だけでもDVDが50万枚以上売れた。また作品のクオリティーの高さから数多くの傑作を生み出してきた川尻善昭氏の代表作となった。今回の映像化はこれ以来となる。菊地秀行氏の世界観をCGで表現することが注目される。デジタル・フロンティアは、国内を代表するCGスタジオのひとつ。『バイオハザード ダムネーション』や『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』の代表作があり、フルCGの映画に強みをみせる。このほか映画やゲームのCGパートで活躍する。一方ユニファイド・ピクチャーズは、2004年に設立された映画会社だ。実写映画のほかアニメーション部門もあり、現在は「ノアの方舟」に基づいた映画の製作を進めている。日本の原作とクリエイティブに、CGアニメーションのノウハウ、そして米国の映画企画と配給の力を活かした共同作業になりそうだ。公開時期は明らかにされていないが、今後に期待を持たせる作品だ。作品制作にあたっては、『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』の毛利陽一監督が参加する。さらに原作者の菊地秀行氏と前回の映画『バンパイアハンターD』の川尻善昭氏も協力するという。発表会の翌日には、本作に対するQ&Aの質問パネルもアニメエスポ2015で実施された。ここでは菊地秀行氏と川尻善昭氏からも質問に答えるメッセージが公開された。共に具体的な時期は今は言えないが、自身が米国のファンのもとに直接訪れると語った。川尻善昭氏は新作について「セルシェードな方向性での絵作り、天野喜孝さんの絵のファンタジーな感覚を引き出すべく毛利さんと対話を繰り返している」と述べた。またデジタル・フロンティアの高い技術力や膨大な仕事をこなすパワーにも期待しているという。一方毛利氏は、「日本のアニメには造形的なものを含めた日本らしさがある。ハイブリッドなものを開発できれば」と話した。[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事
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