アニメライターの仕事術-第10 回「時間で区切る」が向く人と、向かない人 | アニメ!アニメ!

アニメライターの仕事術-第10 回「時間で区切る」が向く人と、向かない人

連載・コラム

■午後になるとやる気が落ちる問題

第7回で『時間割』を作ったお話をしました。
一日の中で、食事を節目にした『時間割』を作り、2時間作業→昼食→3時間作業→風呂→2時間作業 のようにして、食事休憩をはさむことで原稿に取りかかるやる気を復活させようという計画でした。

でも、うまくいかない日も多かったです。よほど敷居が高い作業でないかぎり、午前中はわりとサクサク進んだのですが、お昼ご飯を食べた後は、差し迫った〆切がないとやる気が起きず、1回仮眠を取って起きる→頭がぼーっとする→風呂→そのまま夜ご飯というダメパターンになることもしばしばでした……。


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■遠い〆切が実感できない

私が困っていたことのひとつが、ロングランの仕事になると、「〆切まであと◯日しかない!」という日にちの分量が実感できず、やる気が起きないことでした。

〆切が見えないために緊張の糸が切れてしまう。この大問題を解決しようと思いました。

「〆切」を実感できない理由は何だろう。
それは「この作業が遅れると、〆切までにこれくらいの遅れが発生して、ゆえに期日に間に合わなくなる」という因果関係が実感できていないから……。
子どもの頃、夏休みの宿題を8月31日まで残していた私は、時間の量と因果関係が把握しにくいタイプなのかもしれません。

■「時間を把握する」ことの難しさ

では遠い〆切を、自分に実感させる方法は何だろう? 
『時間割』以外にも幾つものトライ&エラーをしたので、失敗例と理由を上げてみます。成功手法をすぐ知るよりも、失敗例とその理由を検証するほうが良い時もあるのですよ……!

失敗例1:『1コマ授業制』
夫から、「学校の授業のように、仕事と休憩を交互に入れてペース配分をしてみたら?」とアドバイスを受けて、1日を学校の授業のように組んでみました。時間割にすることによって、生活リズムを一定にして、ルーチンワーク化することができたらという目標もありました。
仕事の工程を細分化して、1コマ(90分)ごとに割り振って、〈授業=仕事〉が1コマ終わったら休憩を15分。1コマごとに目標を達成すれば、毎回達成感を得られる……という仕組みです。

失敗した理由:時間という区切りがピンと来ない。ルーチンが苦手
この連載の中で、自分のことを「テンション型」と称している私ですが、集中している時は90分だと足りないし、ノッていないと90分も続かない。時間で区切ることが、かえって自分の集中力を狂わせる結果になりました。
また、夫からのアドバイスでは、「同じ時間に同じ作業をすると、ルーチンのサイクルができやすい」ということだったんですが、飽きやすい私は「毎日同じ時間に同じことをする」という変化のなさが耐えられなかったのでした……。

あとは、「90分でこれだけできた」ということが、達成の喜びとしてピンと来なかったというのもあります。

失敗例2:懸案作業を優先する曜日を設ける
〆切のゆるいWeb原稿の進みが遅かったので、その原稿を優先して進める日を毎週木曜日というように設定してみました。基準日を設けることで、週単位の時間割が組めて、他の曜日も進める弾みがつく、他の日にできなくても落ち込まないようになる……という狙いもありました。

失敗した理由:週に1日だとピンと来ない
その曜日に取材や外出が入ることも多く、毎週○曜日というのは習慣になりにくいようです。また、基準日が週に1日だけだと、特別な日だという実感がわきにくいこともネックでした。

この結果から、私のネックや性分は以下の点だとわかりました。
★時間という枠だけではテンションが上がらない
★「90分でこれだけできた」という数字達成が喜びに繋がらない
★懸案作業の敷居を下げる「習慣化」はしたいけど、同じ時間に同じことをするような「ルーチン気分」は嫌だ
★「制限枠」よりも「今の私のテンション」を優先したい

「数字の達成」が喜びに繋がる人も多いのでしょうが、私の場合はそうではなかったらしく……。学生時代、勉強をして成績を上げないといけないんだと気がついたのは、高校3年生のときでした。成績という数字の向上が、自分の将来と結びついていると実感できたのは、同級生よりかなり遅かったかもしれません。
《渡辺由美子》
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