先に挙げたショット氏による「アトム」についての2007年の著作『ジ・アストロ・ボーイ・エッセイズ(The Astro Boy Essays)』には、北米では手塚だけについて書かれた本はまだ1冊も出ていないため、同本が最初の1冊だという記述がある。しかし、その後、「アトム」や「手塚」だけに焦点を当てた本(研究書も含む)は何冊も出版された。
現在、筆者の手元にある手塚や「アトム」を専門に扱った本は以下の通り。
2006年『Tezuka the Marvel of Manga』(オーストラリアで行われた手塚展のカタログ) 2007年『The Astro Boy Essays: Osamu Tezuka, Mighty Atom, Manga/Anime Revolution』 2008年『Astro Boy and Anime Come to the America: An Insider's View of the Birth of a Pop Culture Phenomenon』(邦訳版『アニメが「ANIME」になるまで-『鉄腕アトム』、アメリカを行く』NTT出版、2010年) 2009年『God of Comics : Osamu Tezuka and the Creation of Post-World War II Manga』 2013年『Mechademia 8: Tezuka’s Manga Life』(学術誌『Mechademia』の手塚特集号) 2013年『The Art of Osamu Tezuka: God of Manga』(1)
上記以外にも、例えば日本の大衆文化を扱った論文集『ジャパン・ポップ!(Japan Pop! Inside the World of Japanese Popular Culture)』(Routeledge, 2000)には、手塚の『ブッダ』を扱った論文が掲載されているように、日本のアニメやマンガ、日本の大衆文化、もっと広くアジアの大衆文化等を扱った研究書の中に、手塚やその作品に関する論文や記事が数多く掲載されている。筆者の手元に無いものに加えれば更に増え、そして日本マンガやアメリカのコミックス読者に向けて、英語で書かれた手塚についてのインターネット上の記事を入れればもっと増えるだろう。 《アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz》