「ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-」観客は”傍観者”でありながらプレイヤー | アニメ!アニメ!

「ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-」観客は”傍観者”でありながらプレイヤー

『PSO』15周年プロジェクトの舞台『ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-』が12月4日から12月7日まで青山劇場で上演している。ゲームの舞台化の魅力について迫った。

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舞台『ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-』 (C)SEGA
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高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

■ オンラインRPG『ファンタシースターオンラ イン2』の舞台化
ゲーム舞台化“老舗”のセガが総力 を上げて取り組む

2000年、ドリームキャストで発売された初代『PSO』か ら数えて来年の2015年12月で15周年を迎える。今回の舞 台化は、その15周年を記念したプロジェクトの第1弾と なる。
そんな記念すべき舞台『ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-』には、なんと人気声優の蒼井翔太 と新田恵海がキャスティング。さらに、久住小春や井上 和彦等、そうそうたる豪華な顔ぶれが並ぶ。また、原作 ゲーム『PSO2』の情報を発信する、ニコニコ生放送『PSO2 放送局』の番組出演者である榎本温子と会一太郎の2人 が本人役として出演するのも話題だ。
セガはゲームの舞台化の“老舗”。有名な『サクラ大戦』の初舞台化は1997年のこと。その後、人気シリーズとな り、現在も続いている。この『ファンタシースターオン ライン2』、人気を考えると今後の展開も楽しみである。

ここ数年、ゲームの舞台化は盛んになっている。新し い手法を取り入れたり、“物語が複数ある”といったり した、従来の演劇にはなかったスタイルが多数見られる。
今回の舞台化に関して演出・脚本の斎藤栄作氏は元のゲームと舞台の違いと共通点を次のように語る。 「違いはやはり、ゲームキャラクターを生身の人間(俳 優)が演じるという事。そして共通点はそのキャラクタ ー動かしているのがあくまでもプレイヤー(俳優)であ るという事。一人二役ならぬ、二人一役というのが、違 いと共通点を混在させた今回の舞台化の醍醐味と言える と思います」と言う。

またプロデューサーの中山雅弘氏 は『PSO2』を舞台化しようと思った理由として 「ゲームというメディアがインタラクティブ性が高くプ レイヤーが没入しやすい事に加え、『ファンタシースタ ーオンライン2』は特に、オンラインゲームとしては比較的幅広い年齢層の方がプレイしていて、様々な人間模 様が見られること、ゲームキャラクターメイキングが多 種多様に出来ること、この二つがプレイヤーを主観とし た多種多様な人物像を描いた物語を仕上げるのに向いて いると感じたからです」と語る。

ゲームは日常生活にすっかり馴染んでいる。プレイすればストーリーが動く。そこが魅力なのだが、それを舞台化することで”立体化”し、生身の人間が演じる事によってリアリティも生じてくる。ここが舞台化する側の醍醐味だろう。
斎藤栄作氏はゲームの舞台化の可能性について「私は常日頃、演劇とはその時代、時代を切り取る、鏡の様な役割を果たしていかなくてはならないと考えています。そして現代においてゲームは一般の生活の中でごく当たり前に存在する文化の一つです。だからゲームの舞台化が盛んなのは至極当然の事で、今後は海外からミュージカルが押し寄せてくるように、日本から海外に発信できる形に変貌してゆくと信じています」と語る。

近年、ゲーム・アニメ・コミックの舞台化、“2.5次元 ミュージカル”が数多く制作されるようになり、春には 一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会も設立され た。
この流れは大きなうねりとなって業界を席巻するま でに成長し、エンターテインメント業界の中でも大きなマーケットとなっている。

中山雅弘氏は 「アニメ、まんが等でキャラクターを日常から身近に感 じ、愛着を持つ事が以前よりもより一般化し、各作品の 世界観、キャラクターに対しての受け手の理解力、想像 力が高まっているように思います。特にゲームは、観る、 読むだけでなく、プレイする事でキャラクターが動き物 語が進む、双方向性が高いメディアなので、物語を様々な視点、角度で描くのに向いているように感じますし、 凝縮した空間で、キャラクターを身近に感じながら、短時間に想像力をかき立てられる舞台は、ゲームファンが 五感で立体的に楽しむのに適していて、満足度の高い時間を過ごす事が出来る為、今後一層需要が増えると思い ます」と言う。
すでに来年も人気ゲームの舞台化が決ま っているものもある。この舞台『ファンタシースターオ ンライン2 -ON STAGE-』が成功すれば、後に続く作品の 励みとなるだろう。

舞台『ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-』 
(C)SEGA
《高 浩美》
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