■ “忍ミュ”芝居の前のつかみからリニューアル、全く新しい第5弾、面白さは100%!まずは恒例の“携帯電話は電源からお切りください”の客席への“つかみ”、ここから大幅にリニューアル。いつものパターンでは、くの一の3人娘が賑やかにやるのだが、今回はこの3人に土井半助が加わってブロードウェイミュージカル風に。1月公演を観劇したファンなら、ここから“お、変わった”と思えるはず。それからオープニング、前回とは大幅に異なり、何かが起こりそう、と期待感が持てる。いままでの“忍ミュ”にはなかったちょっとダークな演出もあり。劇場の天井の高さを生かし、ワイヤーでまず、今回のキーマン、雑渡昆奈門が登場、そして歌、殺陣、ここで雑渡昆奈門のエピソードが、このシーンは見逃せない。タイトルの出し方も布を使って工夫を凝らしている。それから物語は動き出す。ストーリーの骨格は1月公演と変わらないのだが、脚本は大幅に異なり、全く違う作品としてリニューアル。登場人物の心情を細かく描いてドラマ部分に厚みを持たせ、忍術学園の生徒たちの群像劇に仕立てている。もちろんギャグやお笑いは従来通りに細かく挟み込んでいる。楽曲も大半が新しい曲、キャッチーなメロディとアレンジでより印象的になっていた。ダンス、アクションも難易度アップ、劇場の特長を生かし、セットも高さを生かした構造、場面を多重的に見せており、わかりやすい。天然ボケ城主・黄昏甚兵衛役の下村尊則の怪演はもはや独断場、ちょっと小ネタもあって笑える場面も。凄腕忍者・雑渡昆奈門役の翁長卓のアクションはさすが。全員に見せ場があり、ラストのきり丸のシーンは泣かせる。エンディングはお約束の『勇気100%』、初演から健在、キャストと一緒に歌って締めたい。ゲネプロ後、囲み取材があったが、俳優陣から“忍たまファミリー”という言葉が出た。結束の堅い証拠だろう。こういったシリーズ物はマンネリ化しやすいが、観客期待の“お約束”は守りつつ、常に進化し続けることが最大の課題。今後も末永くシリーズを続けて欲しい。なお、今回は劇場外でも“忍ミュ”が楽しめる。ドームシティ内の『FESTA CAFE』と『ホットドッグスタンド』ではコラボメニュー、注文するとオリジナルコースターがもらえる、とのこと。また、ドームシティ内には出演キャラクターのフォトスポットもあり、さらに観覧者『ビッグ・オー』キャビン内で『忍ミュ』スペシャル放送が聴けたりするので、1日まるごと楽しみたい。ミュージカル『忍たま乱太郎 第5弾 ~新たなる敵!~』2014年6月20日~7月6日シアターGロッソ/http://www.musical-nintama.com『忍たま乱太郎』(C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
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