本田雄インタビュー 「千年女優」と今 敏 監督の思い出を語る (後編) 2ページ目 | アニメ!アニメ!

本田雄インタビュー 「千年女優」と今 敏 監督の思い出を語る (後編)

『千年女優』がいかに生み出されたのだろうか?キャラクターデザイン・作画監督を務めた本田雄さんへのインタビュー後編は、本田雄さんが選ぶ好きなシーンも。

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  • (C)2001 千年女優製作委員会
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■ バリエーションで違う世界をつまみ喰いする面白さ

― AA
『PERFECT BLUE』からはじまり『妄想代理人』まで、今 監督と長い間一緒に仕事をしていた事で、影響を受けたことはありますか?

― 本田
影響は細かく受けていると思います。作業するに当たってどのくらいのペースでやるのかとか、仕事の構え方みたいなことは、今さんからは受け継いだ部分はある気がします。
劇場作品の作監をやるとなると、全体を見るのにどのくらいのペースで毎日計画的にやるかは身につきましたね。今さんは一日当たり6カット上げるのを目標にしていたんです。
『千年女優』をやっていた今さんって37歳ぐらいかなぁ。もう年下ですよ。(笑)
今さんが亡くなったのが46歳、自分は、今年46歳なんですよ。46か俺…。

― AA
『千年女優』は数年経ってもとても人気の作品です。映画としても非常に評価が高いのですが、作品がこんなに人から愛される理由は、何だと思いますか。

― 本田
自分の関わった作品って客観的に見れないですよね。(笑)
自分が楽しかったのは、いろんなバリエーションで違う世界をつまみ喰いしながらできたことでする。そこが本当に面白かった。
女優業を通して、いろんな世界を渡り歩いているような感じで、一人の初恋の人を死ぬまで追い求めていくのは、何かくるものがありますよね。(笑)

― AA
最後に、映画のラストについても伺ってもいいですか。千代子の最後の言葉「あの人を追いかけているあたしが好き」を印象深いと話す人が多いのですが、本田さんはどう思いますか?

― 本田
ロマンチックにも見えるかも知れないけど、逆に言うとすごく怖いじゃないですか。 (笑)
ある見方をすれば、相当なストーカーですよね。(笑) これはこれで怖ぇーなーと思います。
どうとでもとれるラストのセリフなんですが、自分的には非常に怖いな。(笑)

[本田雄(ほんだ・たけし)アニメーター、キャラクターデザイナー]
1968年生まれ、石川県出身。スタジオカラー所属。
1987年のOVA『レリックアーマー・レガシアム』で動画デビュー。22歳で作画監督として『ふしぎの海のナディア』に参加。『新世紀エヴァンゲリオン』ではOP作画や作画監督を、同劇場版『Air』ではEVAシリーズのデザインやメカ作監などを担当。
OVA『青の6号』や映画『東京ゴッドファーザーズ』『イノセンス』などで原画を担当。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』ではメカニック作画監督、『:破』では作画監督及びデザインワークス、そして『:Q』では総作画監督を務める。
『千年女優』ではキャラクターデザインと作画監督を担当。

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