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[再掲] 森田修平監督/佐藤大さん(シリーズ構成) 「FREEDOM」インタビュー

2007年に米国・ロサンゼルスで行ったOVA「FREEDOM」についての森田修平監督/佐藤大さん(シリーズ構成)へのインタビューを再録する。1月16日に米国アカデミー賞短編アニメーション部門に森田監督の『九十九』がノミネートされことに合わせた。

インタビュー
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佐藤大さん(脚本、以下敬略)
基本的に僕は、現代社会っていうものを描くためにSFやアニメーションは、適しているジャンルだと考えています。いまある問題を分かりやすく伝えるためのツールとしてもSFやアニメーションはあると思う。『スターウォーズ』も『2001年宇宙の旅』にしてもそういう面もある。
僕が関わった作品でいえば『攻殻機動隊Stand Alone Complex』もそうですね。あのテーマを真正面から実写で作ることは、企画として日本のテレビでは難しい。それをSFやアニメとして変換することで放送できる。
たとえばアポロ計画にしても、アメリカと日本の関係として、そのまま見せても勉強でしかない。
それを14歳の目線で、エンタテイメントとして「自由」をテーマにした時に初めて多くの人に伝わる。そのためにアニメーションであること、SFであることはすごく力を持つと感じます。

AA
それは日本人である森田監督や佐藤さんが作った時に、国境を越えて伝わるものだと考えますか?

佐藤
じゃなけりゃ、アニメもSFもやりません。

AA
アニメーションなら伝わるけれど実写だと伝わらないものがあるとすると、それは何なのですか?

佐藤
アニメーションは劣化が遅いでしょう。たとえば『ガンバの冒険』。今、観ても楽しいでしょう。でも当時のドラマを観たら辛いですよ。ギャグも含めて。

AA
時代性がなくなっている。

佐藤
そう、物語の強度がアニメの方がずっと強いんです。再放送も続くし、世界中で流れる。たとえば僕が同じ体力で別のドラマを作ったとしますよね。アジア圏ではかかるかもしれないけど、少なくとも北米でかかることは、アンダーグラウンドなチャンネルしかない。ごく一部の人が『キャシャーン』や『ライオン丸』は観るかもしれないけれど。

『FREEDOM』や『攻殻機動隊』や『カウボーイビバップ』はそれを軽く飛び越える。
今もこのアニメエキスポで僕に「10年前、初めてアニメーションを見た。それがカウボーイビバップだった」と言われた時にも感じました。それはアニメーションだからです。
アニメーション以外のものではこの時代や国を超える跳躍力を持つのは大変だと思います。もちろん実写でも『ブレードランナー』的なアイコンは奇跡のように生まれますけれど。

AA
僕は『FREEDOM』は好きな作品なんです。非常に、80年代的なSFアニメの良い部分を感じる。僕は非常に好きだけれど、ただそれが今の若い人たちに同じように通じるかなって不安に思ったんです。
けれど一般の若い世代も普通に観ているのを知って、この作品は世代を超えて通じるのかなって思いました。

佐藤
テーマが時代を超えなければいけないというのは監督も僕も与えられてしまったことです。
大量投下されるCMを物語にしなくてはいけないというお題が与えられていました。

森田
その中でできることをやったっていう結果ですね。

佐藤
だから、偶然もあるし、必然もあるかもしれない。基本的には二人でやれたことが大きい。

《animeanime》
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